山形県へ行ってきました 

2011年9月2日 02時28分 | カテゴリー: 子ども

〜こども文教委員会行政視察のご報告〜

8月29・30・31日と山形県の東根市、
山形市、長井市の教育施策の視察に行ってきました。

東根市では、
東北最大規模の屋内型の冒険遊技場を含んだ複合施設
(保健センター・保育園・ホール・ミーティングルーム)、

山形市では、小・中学校の少人数学級制と
大学生と子どもたちとの交流(フレンドシップ事業)、
そして最後の長井市では、中学校の修学旅行での
取り組みについて聞いてきました。

どれも興味深いものでしたが、
特にユニークな行事でありその理念が印象的だった、
長井市の取り組みについて、報告します。

中学校の修学旅行
社会参加活動「あやめんご」 観光大使
(あやめとめんごい「かわいい」と合わせた造語)

長井市は、山形県南部にある、山に囲まれて、
最上川が流れる自然豊かな小都市です。
人口は3万人。

過疎化や少子高齢化が町の経済を厳しくしています。

昨年5月、長井北中学校の3年生が、修学旅行で
大田区梅屋敷商店街を訪れて、長井市の特産物をアピール、
伝統文化を紹介する活動を行いました。

あやめの苗の提供、伝統の獅子舞、
和太鼓の演奏(あやめ太鼓)、
けん玉のパフォーマンス(長井市は、けん玉生産日本一)、
特産物販売(玉こんにゃく・そば打ち、野菜です)などです。

そのときの様子をDVDで見せていただきましたが、
とても活気にあふれていて、特に獅子舞、和太鼓は
迫力のあるものでした。

太鼓をたたくのも、そばを打つのも初めてだった子どもたち、
この活動に向けて、地域の方の指導を受けて、
9か月間にわたる準備をしたそうです。

なぜ、このような修学旅行になったか

この学校は1年生から、「キャリア教育」(人生の様々な
困難に立ち向かいたくましく生き抜く生きる力を育成)に
力を入れています。

子どもたち自身で地域の課題を見つけ、それを解決する
ための対策を考える「まちなか・デザイン・プロジェクト」など、主体的に地域作りに参加しています。

この社会参加活動の一環として、“長井市を宣伝しよう”
という「観光大使」という企画が生まれたそうです。

土台となる教育の柱は、
人間関係能力、問題解決能力を育てること、
なにより「自尊心を高める」ことだそうです。

日本は、先進諸国のなかで最も「子どもの自尊心」が
低いといわれています。

競争社会、管理社会のなかでは、子どもたちの自尊心は
育ちにくいのかもしれません。

長井市の教育長が、
「競争ではなく、一人一人の自立が大事です」
といわれていました。

地域のために役に立ちたい、そのために何ができるだろう、
自分の頭で考えて、解決に向けて、行動する、その活動が、
この「あやめんご」なのでしょうね。

そして、達成感、充実感が、子どもたちの自信や
郷土への誇りにもつながることでしょう。

地域のことを考えるのは、大人の仕事、
子どもは勉強だけしていればいい、と普通は、考えがち。

でも、そうではないんですね。

子どもだって、十分、考える力があり、感性があるのですよね。
子どもを社会の大切な一員として、
共に地域作りに参画してもらう、これだけで、子どもは、
自分が信頼されるに足る存在だと認められていると感じ、
うれしいのではないでしょうか。

自立に向かう道筋でもありますよね。

少年議会制度事業

「あやめんご」だけでも、十分斬新だと思っていましたら、
「少年議会制度事業」というものもあるそうで、びっくりしました。
「未来の市民が自分たちの力で、自分たちが求めるまちをつくろう」
というスローガンのもと、民主主義・議会制度を体験・学習しながら、実際、問題解決への提言を構築していくというのです。

中・高校生の中から16名が議員に選ばれ、
議長などの互選をします。

議員の一般質問には、市長が答え、提案の中で、できるものは、
次の年度に予算化されることもあるそうです。

たとえば、こんな質問があったそうです。
「冬、雪が積もって大変なので、近隣の雪かきの手伝いを
したいのですが、降ろした雪は、どこに集めればいいですか」

このことに関しては、市は、雪の集積所を決めて、
子どもたちが集めてくれた雪を市が収集にくるという、
一連の流れができたそうです。

この少年議会には、傍聴者がたくさんきていて、子どもたちの
意見に大人が感心して「う〜ん」とうなったりするのだとか。

自分の意見を聴いてもらえる、
自分も社会を変える力を持っている、
地域を支える一員として認めてもらえている、

そう思えるとしたら、長井市の子どもたちは幸せです。

自分で考え、意見を表明し、意見交換しながら、
地域社会のために知恵を出し合う場、
本来の「政治」の役割をしっかり学ぶ経験が、
これからの子どもたちには、
日本には、とても必要なことではないでしょうか。

私にとっては、初めての行政視察でしたが、
とてもよい勉強になりました。

今は、どの自治体も、財政的に厳しく、人口の減少など、
不安要因をたくさん抱えています。

その中にあって、未来を担う子どもの教育に本腰をいれている
自治体・市長の姿に、感銘を受けました。

既成概念を取り払って、
「しあわせの姿」を追求することを迫られた気がしました。