おおた区民大学・福祉講座「近所で支えあう地域防災」

みんな「ちがう」から面白い

27日は、おおた区民大学 福祉講座 『近所で支えあう地域防災』を受講してきました。

これは全部で8回の講座で
“健常者も障がい者も
地域で支え合うためにいっしょに学ぼう”

という趣旨に基づいたさまざまテーマによる講義が
行なわれているものです。

この日は6回目で、テーマが「防災」でした。
9:45〜14:30という長時間でしたが、
体験型の講座だったので、夢中になってやっているうちに
あっという間に時間が過ぎました。

矢口消防署の方の「地震に備えて」という講座を
聞いたあとは、実際の避難訓練です。

なんと、5階の教室から、みんなで協力して階段で
車いす(乗っている人ごと)を下まで、運びました。

乗っている人は落ちないように、下り階段に対して上向きで乗り、
運ぶ人(4〜6人)は、車いすのフレームを支えて、
掛け声をかけながら、降ろしていきます。

車いすが想像以上に重く(重いものは70㌔以上もあるそうです)、1階についたときは、歓声でした。

それから、
地震体験車での、震度7までの揺れの体験、
消火器を使う訓練、
煙の中を壁づたいに身をかがめて逃げる訓練、
電話での緊急連絡の練習をしました。

これらの経験を通して、障がいをもった方にとっては
避難することがかなり困難であること、
身に危険を感じても通報が難しいこと、
その分、不安が大きいであろうことを知りました。

実際に地震がきて、高層住宅のエレベーターが止まったら、
地域の人が力を合わせて、車椅子の方を階段で
1階までお連れする必要があるかもしれません。

また、聴覚に障がいがある方は、防災無線が聞こえません。
そして話すことが難しい場合は、何かあっても
助けを求める電話をかけることができないのです。

これらのことを、常日頃から
私たちが心にとめておくことの大切さを痛感しました。
 
その後、グループに分かれて、感想や
日頃感じていることを話し合いました。

私のグループには、話すことが少し不自由な、
車イスの方がいましたが、とても明るく楽しい方で、
「階段を運ばれているときは怖かった!」という
正直な感想をもらって、みんなで笑いました。

彼は、他にもあの3・11のときは、とても怖かったけれど、
近くの友だちが様子を見に来てくれて、うれしかったこと、
言葉がでにくい状況だから、
実際の災害のときには、きっとさらにうまくしゃべれなくて、
電話連絡などは難しいだろうと、不安を話してくれました。

他にも、車いすだと、歩道の形状・材質が走行には
とても影響することなど、日頃、なにげなく見過ごしている
ことを教えてもらえて、とてもよい経験ができました。

これからも障がいを持っている方の発言を聞きながら、
みんなで気づいていって、
住みやすい環境をつくっていければいいな、
と思った一日でした。

様々な立場の方が、積極的に発言していくことが、
地域がよくなる秘訣かもしれませんね。

そういえば、私たちは、子どものころから、
避難訓練・防災訓練をしてきていますが、
障がいを持っている方といっしょに
避難訓練をしたことはありませんでした。
 
でも実際は、地域の中にいろいろな方が
たくさんいらっしゃるはずです。

ご高齢の方も含めて、自分の周りの方を知って、
支えあえる関係を作りたいと思いました。

この講座は、毎年、行なわれているそうです。
テーマは防災だけでなく、いろいろですが、
健常者も障害者もいっしょにくらしやすい、地域をつくっていく、
この学習会、とってもとってもおすすめです。