衆議院議員選挙はだれに?どこに? 争点の一つ、『TPP』とは

2012年11月26日 16時52分 | カテゴリー: 政治

衆院選の争点の一つに、「TPPへの交渉参加」があります。けれども私たちには、このTPPについての情報があまり届いてきません。実は、“事前に情報を公開しない”ということもTPPの大きな特徴(問題点)なのですが、選挙の争点ならば、どういうものかを把握しておきたいですね。

 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)

経済取引の邪魔になるあらゆる規制を「経済障壁」として、これをなくそうとする協定。シンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランドの4か国で交渉が始まり、それにベトナム・オーストラリア・ペルー・マレーシア・アメリカが加わって、現在9か国で交渉が進められています。

 
“例外を認めない関税撤廃”による農業崩壊    

 TPPの特徴は、“例外を認めない関税撤廃”です。たとえば、日本はこれまで、食の安定的供給や主権国家としての自立を守るためにごくわずかな農産物、米や乳製品には高関税をかけていましたが、それらが全てゼロ関税になることで、日本の農業は崩壊するのではないかといわれています。日本とアメリカでは、農業の方法、規模がちがうので、価格だけで競えば勝ち目はないからです。ただでさえ、食料自給率が40%というこころもとない日本の食糧事情、これがさらに輸入品だのみになるのでしょうか。

 果てしない価格競争がもたらすもの・格差社会

自由競争はコストダウンの追求、それはとりもなおさず低賃金、非正規労働に繋がり、利益優先は安全性軽視につながります。自由競争は、弱肉強食ともいえ、非人間的労働や貧困、格差社会を生み出すことに繋がるのではないでしょうか。

 TPPの問題点

絶対的主導権を握っているのがアメリカで、アメリカのグローバル企業の利益優先が原則となっています。

  最恵国待遇 協定参加国のある国に与えた有利な条件を、他の参加国にも与えなければならない。
   内国待遇 協定参加国の企業・個人に対して、自国の企業・個人よりも不利な扱いをしてはならない。(投資受入国の国家主権よりも優先される)
   ISD条項「外国企業による対国家訴訟」 外資企業が損害を被ったと考える場合に、補償を求める訴えを世界銀行傘下の「国連投資紛争解決センター」に仲裁を求めることができる。(世界銀行の総裁は歴代全てアメリカ人)判断基準は、「外資が損害を被ったか否か」というただ一点。裁判が公開でないこと、上訴できないことも特徴。
                                      【参考】田代洋一氏編著

TPP問題の新局面: とめなければならないこれだけの理由/大月書店

このように驚くべきことに、TPPは日本の法令で外資企業を規制できない仕組みをもち、「民主主義の崩壊」「国家主権の侵害」「国家間の利益のアンバランス」につながります

 地方自治体にひきよせると

 農業だけではなく、金融・保険・医療・教育と、さまざまな分野で外資の参入が見込まれるようですが、公共事業も各地域の土木工事・建設業者も外資ゼネコンとの競争に常にさらされることになります。
たとえば、大田区でいえば、入札された工事契約が「区内産業の育成」「過去の実績」という点で有利だったものが、TPP締結によって、それが「経済障壁」とされる可能性もあるのです。日本の労働者の雇用が脅かされ、地域経済をいっそう疲弊させることにはならないでしょうか。

 “グローバル化は平和の中の静かな戦争”

 天笠啓祐氏は、TPPに関する講演会の中で、“貿易の促進・自由化というグローバル化は、地域の主体性、自治を奪う”、と述べられていました。“グローバル化は平和の中の静かな戦争”だとも。

私たちの、生きるための衣食住にしても、健康を守る医療のシステムにしても日本の社会・文化・そして日本人の知恵によって、この風土に合った形に育まれてきたものであることを改めて思います。国家主権は、国民一人一人の権利とも不可分です。新しい政府が日本独自の財産、そして国民の権利を無にするようなことが決してないように、しっかり新しい政権選びに臨みたいものです。

天笠啓祐氏の講演「農業だけじゃないTPPがもたらすもの」11月6日開催の様子・ユーチューブをご覧ください。http://www.youtube.com/watch?v=tmq9ozxoXzU

緊急対談のお知らせ
TPPに関する、東京大学の鈴木宣弘教授と俳優の山本太郎さんの対談です。
日時:11月28日(水)15時~

 場所:大田区消費者生活センター 2F講座室  

 (JR蒲田駅東口3分 区役所ロウキン隣 図書館同ビル)  

 入場無料   主催:「モンサントの不自然なたべもの」上映実行委員会

プロフィール画面鈴木 宣弘 さん  東京大学大学院農学生命科学研究科教授。 1958年、三重県生まれ。 1982年、東京大学農学部を卒業後、農水省に入省。   2006年より現職。TPP問題の最先端をいく。  著書に「TPPと日本の国益」 「現代の食料・農業問題~誤解から打開へ~」など

 プロフィール画面山本太郎 さん  俳優 。1974年 兵庫県生まれ。 昨年 脱原発活動を宣言し活動家となる。  現在TPP 反対運動展開中 著書『ひとり舞台 脱原発闘う役者の真実』

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