地域の課題解決 「学び」の場から実践の場へ ~行政と市民との協働~

2014年4月11日 00時29分 | カテゴリー: 市民活動, 教育, 活動報告, 高齢者福祉

先日、↓こちらの記事
クリック地域の助け合い ~これからの地域包括ケアを模索して~    NPO法人コモンズ「安心お助け隊」
で、ご紹介した、地域での支え合いの活動を展開している「NPO法人コモンズ」の代表者は、「狭山げんき大学」の出身だそうです。狭山市の実践している大人の「学び舎」をご紹介します。

 ●「狭山げんき大学」とは・・・
地域社会の課題を解決するための「地域貢献型人材」を育てることを使命にして、平成23年に開校されました。学校教育法上の「大学」ではなく、おおむね16歳以上、幅広い世代の大人の学び舎です。
ボランティア活動がしたい、会社での経験を活かして、地域サービスを行う事業を起業したい、子育てを通じて知り合った仲間で何か具体的な活動を、などの思いを応援し、形にしていく場です。
25年度は、「まちづくり担い手養成コース」「パパ・ママのお助け隊養成コース」「健康づくり・介護予防サポーター養成コース」「生涯学習案内人養成コース」「庭木のセミプロコース」「地域の防災リーダー養成コース」。1年間、それぞれ20~30回近い授業数で、実践的な学習を積み重ねていきます。講師は専門家であり、現場で実際に働いている方たちです。
終了後は、多くの修了生たちが仲間を募り、NPO法人や一般社団法人などの組織を立ち上げ、地域支え合い活動やまちづくりプロデューサーとして、活動を始めています。

 狭山げんき大学・専用キャンパス
廃校になった小学校を利用した「狭山元気プラザ」。コミュニティービジネスコースで学び、実際の店舗運営をするにあたり、調理室やものづくりのための工作室、アートや音楽のための教室も充実しています。

・コミュニティーカフェ:食事の提供だけではなく、居心地のよい居場所、情報交換の場になっています。運営は修了生の起業した団体の手により、ワンデイシェフ制は、修了生の実践学習の場にもなっています。

・子育て支援:小さな子どもがいても、受講できるように、修了生を中心にキッズ・ルームでの保育が行われています。

・地域連携推進室:NPO法人を設立したい、地域の団体と連携したい、もっと学びたい・・・。 在校生、修了生の相談に応じ、情報を整理し、地域を結ぶための支援を行います。

学長の挨拶から(平成25年)

「少子高齢社会が進展していく中で、商店街再生、健康作り、子育て支援、生きがい就労創出など様々な分野で、新たな支え合いの仕組み作りや地域課題の解決に関われる共助・協働人材を必要とする時代を迎えています。安心して暮らせるまち、そして住むことに誇りが持てるまち・狭山の創造に参画できる『地域デザイナー』、『地域イノベーター』が元気大学から育つことを願っています」

●「狭山シニア・コミュニティー・カレッジ」
さて、狭山にはもう一つの学校があります。平成12年開設の「狭山シニア・コミュニティー・カレッジ」です。高齢者の生きがいを高め、高齢社会を活力あるものにするために、学科は、「パソコン」、「ハングル」、「中国語」、「英会話」、「狭山の歴史」、「ジャーナル」、「いきがい」、「楽農」、「トレッキング」、どれも年間40回ほどの講座で、じっくり学びます。
知識や経験を活かして地域の一員として活躍する場として、修了生によって、学校支援活動が組織、展開されています。現在、小・中学校全25校に300人以上の支援者が関わり、教科学習の補助支援、花壇の手入れや通学時の安全見守り、読み聞かせなどの図書支援が行われていますが、この活動が評価され、支援者を派遣する運営委員会(狭山市学校支援ボランティアセンター)も業務委託されています。

 ●今年から「さやま市民大学」に統合
このように高齢者を対象とした「いきがい・生涯学習」を出発点とした「狭山シニア・コミュニティー・カレッジ」、年齢を問わず、地域再生・まちづくりを目的とした「狭山げんき大学」は、それぞれスタート時の意図には差異がありますが、共通する理念や生かし合える側面もあるということで、この平成26年度からは、「さやま市民大学」に統合されました。

◆さやま市民大学の運営

市が設置し、その運営は市民主体のNPO法人に委託されています。 学部と学科は下記の通りです。

  【まちづくり学部】

 まちづくり担い手養成学科 パパ・ママのお助け隊養成学科 健康づくり・介護予防サポーター養成学科 生涯学習案内人養成学科 まちのガーデナー養成学科 

  
【いきがい学部】

 パソコン学科 英会話学科 狭山の歴史学科 ジャーナル学科 いきがい学科 トレッキング学科       以上 合計395人定員

市の担当者に聞いたところ、もうどの学科も定員いっぱいで、抽選になったところもあったそうです。 活力ある高齢社会、支え合いの地域を構築するうえでは、意欲的な市民が多いことは、大きな希望だと思います。

 さて、大田区では、区民大学という、区民が企画をして、区と協働で講座を開催する仕組みがあり、タイムリーなテーマで毎回、多数の参加者を集めていますが、狭山の場合のように「学び舎」といえる学習の場、拠点がないことは残念に思います。

狭山市の実践、仲間との出会いと学びによって、市民の力を引き出し、パワーアップ・フォローする仕組みには大いに学ぶべきところがあると感じました。