大田区の高齢者を取り巻く課題 ~政治塾のご報告

2014年5月30日 15時43分 | カテゴリー: 活動報告・日誌

5月24日は、「大田区の高齢者を取り巻く課題:地域包括支援センターの仕組みと現状と課題」について、大森山王居宅介護支援事業所ケアマネージャーの入野豊さんにお話をしていただきました。

◆こちらの記事でご紹介した政治塾の1回目です。
【ご案内】政治塾のお知らせ 『新地域支援事業はどうなる?』

現状と課題が明快に話されて、参加者は熱心に質問や意見を交わしたひと時でした。(参加者20名)


地域包括支援センターとは

地域包括支援センターの役割

【1】相談支援
【2】介護予防のプラン作り
【3】さまざまな機関との連携
【3】介護事業所へのバックアップ

20 の地域包括支援センターに対して14~5万人の高齢者。認定を受けている人が4~5万人。センターの業務は多忙を極めており、介護予防プランの作成だけで もいっぱいで、なかなか相談機能・連携機能までが十分できているとはいえないのが実情。職員が「うつ」になって、半数が辞めてしまったセンターもあったそ うです。
今後、地域支援事業の牽引役となるとその重責に耐えられるかが課題。人材確保も課題。

介護保険の目指すものと課題

当初の理念は「介護の社会化」。介護保険制度が始まって14年、その間3回の法改正が行われてきているが、理念は遠のいているのでは? 介護地獄というような虐待や殺人、心中があとを絶たない。

同居家族がいることによって、介護が受けられない問題、老夫婦であっても片方しか介護認定が取れていないと二人分の食事を作ってもらうことはできない。病院での付き添いはできない、など、使い勝手がいいとはいえない面も。

セルフプランもやろうと思えばできる・・・自分のサービスを自分で計画する、自分のことは自分が一番わかっているから。

措置であった時代の「生存権」から、契約になってからの「幸福追求権」、生活の質の向上をめざしているはずだが、実態はどうか

新しい介護保険制度・地域支援事業

高齢者人口が増え、今の仕組みでの維持は難しくなってきた。自助・互助へのシフトが国の方針。要支援1・2を保険枠からはずし、NPO・ボランティアなどを使っての支援へ、つまり給付抑制。27年4月から実施。(28年・29年に実施をずらすことは可能)

国は家事援助をなくしていいと考えている。しかし、これまでのヘルパーによる家事援助は単なる家事援助ではなく、要支援者が重度化しないためのチェック機能にもなっていた。(トイレのタオルがいつも湿っていたのに、ある日、乾いている。トイレに頻繁に行かなくなったのか、など小さな変化に気づく)→ ヘルパーの専門性をどう考えるか。

現場から声を出していかないとサービスが貧困になってしまう危険性。市場経済の論理で、お金持ちはいいサービスが受けられ、貧しい人はサービスが貧困に。

●今後の事業体の例
A看板 現行の訪問介護
B看板 地域支援事業 
     身体介護の専門職ヘルパ―1名に対して、
     生活支援をおこなうボランティア3名
C看板 地域の支え合い

今後の課題

制度改革が高齢者の尊厳の保持にどう影響していくのか

・自治体間での格差
・個人の経済力によるサービス享受の差
・新たな地域つくりをどのようにしていくのか
・地域の中での助け合いは良いことではあるが、
 専門性の担保、責任の所在、その範疇は?
・地域の助け合いの底上げをどのようにしていくのか。
・公の責任と地域の役割の整理

・地域ケア会議
   ・・・地域包括の協議体は必要。構成メンバーは?呼びかけ人は?
     リードしていくのはだれか。 


●参加者から

・ 大森西町会では、民生委員・班長らで、見守りの体制つくりをはかっている。60名の班長に役割を割り振る。地域づくりのモデルをめざす。やる気のある町会 長がいるかどうかが決めて。子どもを育む事業を地域で展開していくことが地域づくりになっていく。「おおた未来プラン」でうたっている「地域力」を盾に行 政にも働きかけていく。

・消費税が上がって、保険料も上がっているのに、サービスがなくなってしまうのは納得が
いかない。

改 正を機会に少しでも良いものにしていくためには、行政は、仕組みをしっかり作り、区民の意識と協力も欠かせないでしょう。そしてそうでないと超高齢社会を 乗り切っていけないのです。協働・ネットワークで、長寿を喜べる社会を構築できるように、地域づくりを考えていきたいものです。