高齢者の安心のために:市民後見人の意義について 品川区の状況から 【政治塾】のご報告&次回ご案内

2014年6月30日 09時39分 | カテゴリー: 市民活動, 政治, 障害者福祉, 高齢者福祉

6月28日(土)に「高齢者の安心のために:市民後見人の意義について」と題した政治塾を行いました。本日はそのご報告と次回の政治塾のご案内です。

高齢社会では、同時に認知症、障がいを持った方々も多く、また独居も増えていることから、日常生活はじめ財産の管理・処分に不安を持たれるかたは確実に多くなるでしょう。

6月28日は、政治塾に、大松香織さんをお呼びして、成年後見人についてのお話を伺いました。大松さんは4人のお子さんのいらっしゃるママでもありながら、行政書士、心理カウンセラーの資格をお持ちになり、品川に事務所のある「NPO法人 ライフサポート東京」において、「後見人」としてのお仕事をされています。

成年後見制度の概要、また実際のお仕事の様子もお聞きしましたので、簡単にご報告いたします。

 

 

 

 

 

【1】成年後見制度の概要

制度上では法定 後見と任意後見に分かれます。法定後見制度は、既に判断能力が不十分な方に対して、家庭裁判所が後見人を選任し、監督する仕組みです。任意後見制度は、本 人が判断能力のあるうちに、信頼できる人と、いくらで、何を依頼するかあらかじめ相談して任意後見契約を公証役場で交わし、判断能力が不十分になったとき に家裁に任意後見監督人を申し立てて、支援が開始される仕組みです。


【2】NPO法人 ライフサポート東京の法人後見

平 成17年に品川区の行政書士有志で設立されました。会員数は、平成26年6月現在、77名で、行政書士、社会福祉士、社会保険労務士、弁護士など、有資格 者と一般市民で構成されています。「法人後見」の特徴は、法人の会員が後見事務を行うことでの継続性、広域性、信頼性、情報の蓄積、事務の円滑化などが図 られていることです。組織的に当事者の最善の利益につながるような仕組みの構築に努めています。平成26年6月現在の実績は、法定後見79件、保佐27 件、補助9件、任意後見5件です。


【3】成年後見の審判に関する東京家庭裁判所の状況

家 庭裁判所は、成年後見人の選任と監督をする役目をもっています。後見人は年に一度の後見事務報告、報酬付与の審判の申し立てをします。家裁は、必要がある と認めたときは、「後見監督人」を付けることもあり、その場合は、後見人は家裁への書類提出等は監督人を通じて行います。

【4】品川成年後見センターの状況


〈1〉法人後見活動

品川区の社会福祉協議会は、品川成年後見センターを設け、品川区と連携して活発な区長申し立てを支援するほか、区社協は身寄りのない方に対する法人後見人としての役割を果たし、代理申立ても行い、区内の認知症高齢者や知的・精神障がい者のセ-フティネットを張っています。

〈2〉任意後見制度の活用
将来に不安を感じている人に対しては、日常生活自立支援事業を発展させた「あんしんサービス」契約と任意後見契約を組み合わせて行う制度があります。

〈3〉市民後見人の養成・活用

品川市民後見人の会(NPO)と共催し、育成と活用に着手。専門職後見人を補完する役目ではなく、地域で必要とされる新たな第三者後見人としての位置づけです。

〈4〉後見監督活動
市民後見人を後見人候補者とする場合には、区社協を後見監督人候補者として家裁に申し立てを行い、選任されています。

〈5〉後見活動への独自助成
本人の財産が少ない方でも後見制度を利用できるよう、申立費用や第三者後見人への報酬の他、後見事務費(後見活動にかかる交通費等の実費)について助成しています。

●法定後見の受任実績
  (平成25年5月31日現在、他団体への紹介を含め)
品川成年後見センターでは、年間70~80件の区長申し立ての検討の結果

・品川区社会福祉協議会の法人後見:218件
・市民後見人の個人受任後見:40件
・品川市民後見の会の法人後見:18件
・NPO法人「サポートセンター」の法人後見:7件
・専門職後見人および他団体の法人後見:71件


大松さんのお話からは、品川区では、社会福祉協議会が積極的に区民の福祉のために成年後見制度の利用促進・後見人の育成・活用を行っていることを伺いました。

・品川区人口:366,852人  
 ⇒後見センターのスタッフ:92名(うち支援員78名)

・大田区人口:約700,000人  
 ⇒社協の後見に関わるスタッフ:20人

大田区では、市民後見人の養成講座を行うものの、この修了者のうち、4人が、業務補助についているということです。申し立てをする人数も格段の差がありますが、もし、申し立ての人数が増えたとしても、対応できるかどうか、心配なところです。

今後、増大する認知症高齢者や知的・精神障がい者の親亡き後問題、そして高齢者全体のセ-フティネットのためにも、もっと市民後見人の養成・活用、後見受任団体への支援や協力が必要ではないでしょうか。 

 

次回政治塾のお知らせ

『これからの地域包括ケアシステムを考えるために』
 地域福祉の現場から

日時:7月26日(土)14:00~16:00
講師 : 浜 洋子さん
(NPO法人 福祉コミュニティ大田 代表)

お気軽にご参加ください。
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