「介護と仕事の両立」なくしては、日本社会が総崩れになる!? 介護と仕事の両立を考えるフォーラム

2014年7月4日 14時09分 | カテゴリー: 市民活動, 高齢者福祉

6月29日に、NPO法人 介護者サポートネットワークセンター・アラジンさん主催の介護と仕事の両立を考えるフォーラムが東京ウイメンズプラザにて開催されたので参加してきました。

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<フォーラムテーマ>

 「仕事も人生もあきらめない!
          介護環境づくりのために」

  ~介護と仕事の両立を企業・地域社会がどう支援する~

樋口恵子先生(評論家・NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長、東京家政大学名誉教授・同大学女性未来研究所長)の基調講演があり、その後、様々な立場から、「介護と仕事の両立」の意義、その支援策が講じられましたので、簡単に報告を。

【基調講演より】
●介護離職者増大時代到来・日本経済にも影響

現 在、50歳代前半では、8割が片親、4割が両親、という割合で親が存命。これは同時多発介護(!?)の可能性があるということ。さらに家族介護の比率は女 性7割、男性3割ですが、現在、50代男性の半数が独身なので、介護離職する人が多くなることが予想される。離職によって収入が激減。親の年金をあてにし ていると、親が亡くなったあと生活保護になりかねない。介護離職後の本人の志や生きがい、また老後がどうなるかは大きな問題。
企業にとっても、離職されることは、採用経費や積み上げたスキルの損失であり、さらに新たな採用コストも負担。個人所得税を一番納めている中・高所得のサラリーマンが大挙して辞めたら、日本経済には大きな打撃。

これからが本格的な無縁社会。ファミレスは、ファミリーの居ないという意味に。1950年~1960年生まれの人が老いたときは、身内でなくても支え合う文化を作らないとならない。「介護と仕事」が両立できる社会にしていかなくてはならない。

【パネリストの報告より】
〈1〉 就労者における仕事と介護の両立実態と支援ニーズ

調査によると、就労者が勤務先の両立支援制度で最も利用しているのは、有給休暇で、介護休業制度や介護休暇を利用する人はとても少ない。また介護についての相談を勤務先にしている人も少ない。

一方、多くの企業は従業員の仕事と介護の両立に関する実態・ニーズ調査をすべきだと考えてはいるが、まだ理解が十分ではなく、今後、さらに時短など柔軟な働き方を配慮する企業側の姿勢必要。

今 後は、「介護=離職」のイメージの払拭、そのためには、企業内の取り組みだけでは限界があり、多様な社会資源を活用した持続可能な介護の仕組みを構築する 必要がある。仕事と介護の両立ができるように、両立を支援する「ケアマネ」の育成、「両立」の視点からの「介護保険制度」の見直しなどを図る必要がある。

〈2〉 介護者就労支援

ワーク&ケアバランス研究所の活動紹介
・働く介護者のミーティング 
  → 社会との接点・自らの経験を話すことが社会貢献活動
     *情報交換の場
・介護者就業支援 
  → 経済的不安の軽減・社会との接点
     *在宅でできるデータ入力業務・ライティング業務など

〈3〉 介護(者)政策の課題
   ワーキングケアラー290万時代の政策

・介護実態の複雑性
   *一人で暮らす認知症者
   *介護関係・介護形態の液状化
      夫婦・親子・兄弟姉妹・甥姪・老老・老障・認認
      同居・別居・通い・遠距離・介護赴任

仕事と介護の両立支援に必要なもの
・仕事セクターにも、介護セクターにも
   介護に詳しい人事・労務
   仕事に詳しいケアマネ
・介護と仕事との「ワンストップサービス」
   相談窓口の明示化・ケアラーズジョブカフェ
・「仕事と介護の両立支援」のモデル化
・せめて育児休暇なみの介護休業を

〈4〉 ある会社の両立支援の取り組み

ワークライフバランスの企業風土醸成「お互い様」の意識づけ
子育て・介護の両立支援、女性活躍推進と障がい者支援
・介護休暇制度(有給)
 法定5日+会社max既定の介護休暇20日
 (有給休暇Max40日、長期傷病休暇
  Max60日の積み残し分)
・短時間勤務制度
・時間外・深夜勤務の制限
・フレックスタイム特例適用
・介護休職制度(無休)複数回取得可能、
 要介護者一人につき、183日間の範囲内
・再雇用制度(退職時に3年以内の復職を希望する社員)


フォーラムを通して、介護者を支援して、仕事と介護を両立できるような制度、仕組みを社会全体で作っていくことの必要性がよくわかりまし た。ケアラーにももっと目を向けた政策が福祉施策の大きな柱でもあること、それなくしては、「総倒れ」になる可能性もあるという危機感さえ感じました。

実際、最近出会った人も、親の介護で離職したものの経済的な不安(親の年金がなくなったら、どうしよう)や、社会との接点のなくなったことでの焦燥感を語っていました。

 

 

 

 

 

 

写真は、会場で出会った、「市民福祉団体協議会」の方と。地域の支え合いの活動を推進している団体です。仕事と介護の両立支援のためには、支援体制のインフラ作りが必要なので、全国のよいモデルなども学んでいきたいと思いました。