「子どもと教育、平和を考えるつどい」に参加してきました

なぜ、若者がナショナリズムに走るのか
・戦争の実態が語られていないから
・今の自分に自信が持てないから

「子どもと教育、平和を考えるつどい」 
子どもの未来はどうなるの?
教育と教科書の統制、集団的自衛権、憲法「改正」

 2014年10月24日 消費者生活センターにて
主催 教育子育て九条の会主催

大田区は、2011年、中学校歴史・公民教科書に育鵬社を採択しましたが、この教科書では、日本国憲法の原則「国民主権」「基本的人権」「平和主義」の主旨が子どもたちに正確に伝わるのかどうか、疑問を抱かざるを得ない、との報告。

本 来、教師は、子どもたちに「歴史の真実を学んでほしい」と願うものだが、指導書の通りに授業をすると「日本の戦争は自衛のためだったんでしょ」「歴史を学 ぶのはご先祖さまのため」と子どもが考えるようになってしまう。「戦争のできる人作り」につながったら大変である、と。

教科書採択の問題、そして、教育のあり方、真実を知ることの意味などを考えさせられる集会でした。印象的だったのは、まだ弁護士になられて間もない、白神優理子さんのお話。
現在、彼女は憲法の大切さを特に若い人たちに知ってもらいたいと全国を飛び回っていますが、なぜ、弁護士をめざすようになったかを熱く語られました。

白神優理子さん
 「日本国憲法こそ若者の希望」

なぜ、弁護士になろうと思ったのか。

〔1〕 高校生の時、戦争体験者の生の声を聞いたこと

広島・長崎・沖縄・韓国にて
・韓国の従軍慰安婦から聞いた、残酷で壮絶な体験。トイレにも行けないほど次々に日本兵から強制的な性暴力を受け、布団は自分の糞尿と精液にまみれた。解放された後は、家系図から自分の名が消された。
・沖縄では、日本軍が自分たちを助けてくれなかった、手りゅう弾を渡されて、集団自決を勧められて、自分の子どもを殺さなければならなかった親の辛さ。スパイの疑いをかけられ、日本軍に殺された人がいた理不尽さ。

戦争の生の体験からは、大変大きなショックを受けるとともに、「大人も間違いを犯す」「国も間違いを犯す」「戦争は人の人生を破壊する」ということを悟ったそうです。そして、「戦争とは、国民を守るためのものではない」ということも。

2度とこんなことになったら困る、そう思うと、戦争に繋がりそうなことに敏感になり、自分でも防ぐために何かをしたいと考えるようになった。

〔2〕 憲法を知ったこと
悲惨な戦争を経験したからこそ、憲法が生まれた。
立憲主義・国家の暴走によって戦争が起こったから、国家を縛ろう、という思想。
国家権力を縛るシステムを作り上げた人間に感動。“歴史は発展する、人間は無力ではない”、ということを「憲法」によって知り、生きる意味を見出し、自分に自信が持てるようになった。発展してきた人間の歴史の象徴が「憲法」

〔3〕 体験者の話を聞く中で、権利を獲得するために戦っている大人に出会ったこと、がんばる大人、あきらめない大人に出会ったこと、「あなたたちが希望、憲法こそが希望」という言葉をきいたこと。


この3つの出会いが、彼女の生き方を変え、法律家、弁護士になろうと思ったきっかけになった。それまでは、校則のイメージのある「法律」は嫌いだったのに。


安倍政権の危険性
集団的自衛権行使
戦場に送り込む罪、子どもたちから希望や自信を奪う、人権侵害。
自衛隊の海外派遣と安倍政権の描く歴史教育とは一体

これからの行動
展望・希望を語ること
子どもたちに自信を! 自分の体験から、戦争の実態を知ること、と憲法を知ることが子どもたちに自信をつけることにつながる。なぜなら、人間、そして歴史は進歩することがわかるから。当時、戦争が合法だったものが、今は、違法になっているのもその例。

歴史のリレーランナーになりたいと思う(三上満)
もっともっと充実したバトンにしたい
子どもたちにバトンを

なぜ、若者がナショナリズムに走るのか

・戦争の実態が語られていないから
・今の自分に自信が持てないから



【感想】

彼女の話を聞いて、なるほどと思いました。
歴史の真実を隠すことによって、日本人としての自信を取り戻そう、とする
向きが今の教育界にはあるようですが、それは逆効果で、もっと子どもを信頼して、真実を語り、共にこの国を良くしていこうと手を携えることが大事なのではないかと思わされました。信頼されることは、自信につながるのですから。