古い街並みが残る小川町に学ぶ有機農業

2014年11月10日 15時23分 | カテゴリー: 環境

「生産の喜びと誇りを取り戻した村は、美しくなる」
「原発輸出より有機農業の輸出を」
21世紀は耕す文化へ

小川町に行ってきました。先日、細川和紙がユネスコ無形文化遺産に認定されたことで、脚光を浴びた小川町ですが、循環型自給自足の有機農業でもとても有名です。私たちは、政治塾で環境を学んだ流れで、総勢14名でこの小川町を訪問しました。

 

 

 

 

 

 

 

白い蔵がほとんどですが、戦時中の名残か、黒く塗った蔵もありました

午前中は、蔵造りの多い古い街並みを見て、晴雲酒造という酒蔵の経営する食事処で、地元の野菜中心の美味しいお食事をいただきました。午後は、霜里農場に行き、代表の金子さんから有機農業の実践についてお聞きし、実際の現場を見せていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

古い家が多いです。「女郎うなぎ」で有名なお店

 

 

 

 

 

 

 

 

「忠七めし」で有名な創業260年の割烹旅館

 

 

 

 

 

 

 

 

晴雲酒造が経営している「玉井屋」でランチを食べた後の満足げな顔の一行

自然の恵みを活かして、その調和の中で農業をする、大地に自然に謙虚に向き合う農業に、地球の中の人間の位置付けを考えさせられました。健康な土、たくましい作物、放牧されて畑の雑草を食べる健康な牛、ストレスのない暮らしのせいか、牛の穏やかな美しい顔が印象的でした。

【代表の金子さんのお話しより】

国の再生は農業から

日本の穀物自給率は2007年28パーセント 177か国と地域中124番目。
日本は「農業」という根っこのない国、まるで「切り花国家」。このままでは枯れてしまう。国の再生は農業しかない。資源枯渇、食糧不足・環境汚染の解決に向けても。

・近代農業の問題 
  → 化学肥料、農薬、殺虫剤への依存、経済優先の儲け主義
    (殺虫剤と遺伝子組み換えの種子をセットで売り込むモンサント社)
・病む家畜
  平成20年、牛、豚の廃棄率は62%。
  内臓、肝臓、腎臓は塩素系農薬、重金属の影響。
  肺は、呼吸系、抗生物質耐性が疑われる。
・病む作物
  化学肥料で地力低下、病弱農作物。

有機農業の基本 

<土づくり

腐葉土・1平方センチメートルの土壌に数兆の微生物→いい土さえあれば、設計図は種の中にある。

<鳥や虫との共存>
化学肥料や農薬を使わない畑には、害虫を好物にする天敵が自然に集まってくる。
(アブラムシに対してはナナホシテントウムシ、アオムシに対してはクモ、アシナガバチ等)

<作付の工夫>

→いちごの苗のところどころに、ニラを植えておくと、その匂いを嫌って害虫がこない。

 

 

 

 

 

 

 

いちごは虫がつきやすく一般的に農薬をたくさん使うそうです。
この農場では、いちごの苗の間にニラが植えてあり、
ニラの匂いを嫌う害虫が来ないそうです。

<種苗の自家採取>
いい品種を求めて、有機農業の種苗交換会

<健康な家畜>
牛は放し飼い → 農場の草やワラを食べることから、1ヘクタールで一頭飼える。
飼料代ゼロ円。
(本来、牛は草食動物。骨粉を食べさせられて狂牛病になるなんて・・)

<地域が支える>

さいたま市のリフォーム会社(株)オクタは、賛同する社員の給料の一部をお米で支払う。
地産池消:米は酒造へ、大豆は豆腐屋へ、小麦はうどんに、野菜はマルシェ、ベリカフェ

依存しない・エネルギーの自給自足

・廃食油 
 → トラクター・ベンツ燃料

 

 

 

 

 

 

 

天ぷら油で走るトラクター

・太陽電池 
 → 灌水、放牧用電気柵、畑の灌漑、
・間伐材や家屋廃材、街路樹をウッドボイラーで燃やす 
 → 床暖房やお風呂の温水に活用
・生ごみ・家畜のふん尿 
 → 液肥(畑の肥料に)とバイオガスの生成
   (ガスはガス燈、料理、ガスストーブ、お風呂、温水器に)
・落葉・生ごみ・剪定枝の堆肥

農業の担い手作り

研修生の受け入れ、年間10人ほど、住み込みができるところも用意。
41か国から。中学生から退職後の人まで。地域のリーダーになっていく。

【感想】
「確かな未来へ、内発的発展の村おこし」という言葉がありましたが、子どもたちに確かな未来を手渡していく手ごたえを感じながら、納得のいく農業をしていくこと、まちづくりをしていくことは、コミュニティーの再生にも大きく関わることを感じました。

「生産の喜びと誇りを取り戻した村は、美しくなる」金子さんのおっしゃった言葉の意味を、霜里農場の理念ある農業のあり方から、しみじみと味わったのでした。この素晴らしい有機農法を日本中に広め、また世界中に輸出していくことができたらいいのに、と思いました。地方再生の鍵にもなるのではないでしょうか。

「原発輸出より有機農業の輸出の方がいいね」とは、一緒に行った仲間の言葉です。