超高齢社会に向けての備えはだいじょうぶ? 大田区一般会計予算に反対しました

2015年3月19日 14時56分 | カテゴリー: 議会報告, 高齢者福祉

第1回定例会と予算特別委員会が終わりました。
私は、今回、大田区一般会計予算と特別会計(国民健康保険事業・後期高齢者医療・介護保険)に反対しました。
 
「大田区一般会計予算」に反対した理由は、超高齢社会に向けての備えが十分だとは思えなかったからです。
 
住民の福祉向上とは、中長期的に社会構造や人口構成を推計する中で、考えられていくべきものだと思うのですが、「おおた高齢者施策推進プラン」はたった3年間の計画、その中で、出されている推計が10年後までであることに、とても不安を覚えました。
 
それは、予算にも反映されていて、大田区が目を向けている先は、新空港線や駅前再開発、産業交流施設と箱モノばかりです。

経済が回るには、日々の暮らしがまず安定すること。
というわけで、今、超高齢社会を見通してのインフラ整備(仕組み)に、思い切った予算組みをするべきであるという観点から反対しました。
超高齢化社会をどう迎えるのか、大田区の切迫感のなさに異議申立てです。
 
良い施策は、まずは、人を見つめることから。建設・土木はその次ではないでしょうか。
 
以下、議会討論の動画と、討論内容の全文です。

 


生活者ネットワークは、第1号議案 2015度大田区一般会計予算、第2号議案から第4号議案の特別会計に反対の立場から討論いたします。

大 きな社会構造の変化の中で何が課題なのか、自治体の役目は何なのか、的確にとらえて、手をうっていかなければならない時代だと思います。今、最も向き合わ なくてはならないことは、超高齢化時代です。東京都の出しているデータによると2020年には高齢化率24%。4人に一人です。しかも団塊の世代が後期高 齢者になるので、後期高齢者の方が前期高齢者より多くなってくる時代に突入します。高齢者人口は2050年にピークを迎えますが、人口減少も始まりますの で、高齢化率は上がり続け、2060年には40%に達するといわれています。同時に単身世帯、高齢者だけの世帯も増えます。高齢になれば、認知症を有する 方も増えていきます。今でも家庭介護でのストレスで虐待も多くなってきています。

介護保険サービス、医療との連携をはじめ、見守りなどの様々な生活支援や成年後見等の権利擁護、住居の保障、低所得者への支援など、様々な支援の必要性が今後、急増することが目に見えており、その備えは喫緊の課題です。

「平 成25年度大田区高齢者等実態調査報告書」を見てみると、第1号被保険者の4分の3がさわやかサポートをしらない、と答えています。介護保険料を納めてい るにも関わらず、サービスのことを知らなかったり、介護が必要な状況なのに、結び付いていない人がいるとすれば、問題です。また同じ報告書によれば、介護 に対しては、精神的なストレス、肉体的な疲れ、経済的な負担を多くの方が訴えています。区に取り組んでほしいことは、困ったときに気軽に相談ができる体制 の整備、家族介護者への支援、特養の増設が、上位になっています。

これらの調査結果や今後の介護需要、そして、国は、要支援1・2を国の一律のサービスから外し、地域の住民主体の生活支援サービスに置き換えるとしているのですから、大田区としてどのように基盤整備していくかの、本当に大事な局面になってきていると思います。

さ て、しかし、「おおた高齢者施策推進プラン~大田区高齢者福祉計画・第6期介護保険事業計画」によると大田区では2025年までの高齢化率は上がらないこ とになっており、その後もほぼ横ばいという説明を高齢福祉課から聞きました。東京都や国の示す数字となぜ違うのか疑問ですが、その10年以後もほぼ横ばい であるという認識であるとするならば、介護基盤の整備への対策には切迫感がないのかもしれません。
「おおた高齢者施策推進プラン~大田区高齢者福祉計画・第6期介護保険事業計画」がたった3年間の計画であり、その中での人口推計は10年後までしか提示されていません。統計やデータを活用して、中長期的に、戦略をたてることが今後大変重要なのではないでしょうか。
特に、今後住民主体のサービスを整備していくのであれば、よほど先を見越して準備していくべきです。

2 月9日にアプリコで、開かれた「生活支援サービスの輪を広げよう」という講座でのテキストにも地域包括ケアは戦術である。とあり、多勢に無勢、もはや援軍 は期待できない。「外堀(地域・ボランティア)なく、内堀(職員)だけでは落城、先手を打つ(介護予防)とあります。なるほど、要介護3以上でないと特養 に入れないとか、介護報酬の単価が引き下げられるとか、マイナス要因ばかりです。ここは、思い切った戦術、介護予防、運動ができる環境、地域の中のサロ ン、移動手段の確保、生涯学習の拡充など、今、予算をつぎ込むことで、重度化を防ぎ、共助の基盤もできてくると考えます。やがては、医療費の削減にも結び 付いて、膨らみ続ける特別会計の区民負担の軽減へもつながれば理想です。
その意味では区政の区民参画、区民の力を生かす仕組みが積極的に研究され るべきであり、今、予算の中の総務課の区政参画制度を評価いたします。区民の提案を受けて、関係所管が、どのように対処するのか、進めていけるのかをHP で公開するという仕組みは区民にとってもやりがいがあるし、他の区民への刺激になるのではないでしょうか。

若者の支援についてです。川崎 での中学生の殺人事件は大変悲しい事件でした。学校に行きたくても行けなかった、お母さんが忙しそうで、相談ができなかった、といろいろなことが重なって のことですが、学校や家庭以外に少年を受けとめる場所がなかったのか、なんともやりきれない気持ちです。

昨今、子どもの頃から遊びや環境の変化からコミュケーション能力を養う機会が少なくなってきていることが指摘されています。いじめや不登校、そうならないまでも精神の不安定さのある青少年期を支える仕組みは必要です。

大 田区は、「平成22年~26年度・大田区次世代育成支援行動計画・後期行動計画」を策定しており、「青少年の居場所づくり、若者の社会参加を積極的に支 援、社会参加・自立支援」の取り組みが、平成23年度までが検討で、平成24年度からが、施策の推進となっています。しかし、中高生の居場所には関して、 積極的な動きはみられず、若者サポートステーションなど、社会へ出る場面での支援もありません。ブラック企業により心身の均衡を壊す若者も少なくないとい う時代、青少年が気軽に相談したり、仲間と情報交換できる場所が必要です。

高齢福祉においては、「平成25年度大田区高齢者等実態調査報 告書」、中高生に関しては、「大田区地域保健福祉計画・次世代育成支援行動計画実態調査報告書」、また「大田区子ども・子育て支援事業計画ニーズ調査」を 実施したころですが、多額のお金をかけて調査をしたものが、どのように活かされていくのか、本当に活かされていっているのか、見える形にしていく必要があ ると思います。どの分野でも多くの調査委託費が計上されていますが、確かにこの調査が事業の目的達成、区民の福祉の向上のために効果があったという説明、 透明性が必要です。

安定した区民生活が保障されることが何より大事です。オリンピックの推進事業やカナダ国プリンス・エドワード島との交 流の促進「赤毛のアン」ゆかりの地への区民訪問団派遣、など、一時のイベントに区民の税金が多額に使われるのは、問題だと思います。参加できる人だけが楽 しむ、という使い方ではなく、公平で基本的なサービスが整っているかどうか、点検していく必要があります。たとえば、小学校、中学校の学校図書館には司書 が必要です。そこで、多くの子どもたちが「赤毛のアン」などの本に出会って、逆境にめげない主人公の生き方から勇気を得てもらいたいと思います。ほとんど の時間、鍵のかかった図書館では、ただの倉庫です。教育の現場には、タブレットより、心を育む人的環境が重要です。オリンピックに夢をはせることができる ようなスポーツ環境が必要です。バスケットのシュート台は、もっと点在していてもいいのではないでしょうか。

障害者サポートセンター、さ ぽーとぴあが障害がある人もない人にとっても出会いの場になったり、今後の共生社会への大きなステップの場になることを期待しています。さぽーとぴあの開 所式で、金澤翔子さんが「共に生きる」という書を披露してくださいました。さぽーとぴあにふさわしい、精神のこもった言葉だと思います。勢いのある、そし て美しい文字に込められたこの言葉の意味がさぽーとぴあだけではなく、大田区民すべての生活の場にいきわたるような、大田区がまず区民一人一人に寄り添 い、その力を生かすため、そして助け合いの地域づくりのための予算編成であるべきです。
2015年度大田区一般会計予算の編制替えを求める動議に反対いたします。待機児解消は重要であり、認可保育園を増やすことには賛成ですが、今、予算には他の視点からの反対の立場をとっているので、残念ながら、この動議に賛成するわけにはいかず反対いたします。

参考⇒国民健康保険の問題点を考える―市町村国民健康保険税の現状と問題点自治体の果たす役割

 

 

 

 

 

 
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