おすすめ! 衣服が語る戦争 (6月10日~8月31日:文化学園服飾博物館)

おしゃれを楽しむことなぞ、全く考えられなかった時代、70年前、そんな時代がありました。私たちのほんの数代前の人々がどのように暮らしていたのか、衣服から想像を膨らませるひととき、いかがですか。

 

 

 

 

入口の表題

日清・日露戦争から、第2次世界大戦。戦争が人々の生活を侵食していくさまが衣服を通じてよくわかる、興味深い展示でした。
戦闘機が全面に描かれている子どもの着物。戦意高揚なのでしょうが、せめて着物は日本人古来の美意識がそのまま結実した柄であってほしいと、当時の大人は思わなかったのでしょうか。
年を追うごとに物資は乏しくなり、昭和12年には、スフという木材パルプが原料の繊維を3割以上含んだ布にしなければならなかったそうです。高島屋では紙でできたスーツが売られていました。
昭和15年には、国民服制度、昭和17年には配給切符で衣類をようやく手に入れられました。国家統制、贅沢は敵、お国のために節約・・・。

印象的だったのは、「代用品」というコーナー。

【靴】 鮫皮でできたブーツの展示がありましたが、日中戦争後は、牛革が禁止になり、皮は海から求めるようになったのです。鯨・鮭・ウツボ・海亀・カエル・・・あまり丈夫ではなかったようです。

【学生服ボタン】 真鍮は、回収して、軍需用に使うとのこと、学生服のボタン、一億個回収が目標にされたそうです。学校で先生に促されて、ボタンの糸を切り、上着の前はあいたまま家に帰った学生たち。で、ボタンの代用品は、セルロイド、木、ガラス、陶製、アルマイト・・・。

【ベルト】 
【バックル】 木

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 衣服が語る戦争|文化学園服飾博物館


具足や陣羽織など、江戸時代の武士の装いも展示されています。
とても貴重な展示物です。

 

 

 

 

ロビーの壁画

 

 

 

 

 

 

博物館の前で、姪と