どんな環境であっても、子どもには学びのチャンスを! 個別指導教室「ベストキッズ」

2015年10月19日 17時43分 | カテゴリー: 子ども, 市民活動, 教育

個別指導教室「ベストキッズ」を運営する自主学習支援会 代表の河合さんからお話を伺いました。


どのような環境であっても基礎学力はつけてほしい

3 年前に大田区が「子どもの基礎学力の定着支援」というテーマで募集したジャンプアップ助成事業に河合さんは応募をしました。河合さんの「ベストキッズ」を 含む2つの団体が選ばれて、2年間、助成事業として継続しました。現在では助成期間は終わっていますが、1時間500円の塾代を得ることで、自立した事業 となっています。

大田区の目的とするところは経済的に厳しい家庭であっても中学3年生を公立高校に入学させてほしいということでした。そ れまで塾経営やPTA会長を経験してきた河合さんは、常に子どもを支援する立場でいましたが、この学習塾は集まって学習をしながらも、わからないことに個 別に関わっていく、マンツーマンの形態で、なおかつ子どもたちにとって居心地のよい“居場所”にしたいとのことでした。あえて教えたり、指導したりするこ とよりも、「徹底的に子どもに寄りそうこと」を主眼とし、子どもに応じて、“勉強することへの意欲”を持てるように働きかけているそうです。

昨年は30名が塾に通いましたが、中学3年生は13名。うち12名が全日制の高校に入学したそうです。

見えてきた課題

事 業を実施して見えてきたことは、中学1,2生でも基礎学力の定着のために学びたいという子どもたちのいること、小学校のときからの基礎的な学習が大事であ ること、学習する習慣がついておらず、その上、基本的な社会生活習慣を身につけなくてはならない状況があるなど、さまざまな課題です。また、学習を必要と する子どもについてはケースワーカーが紹介してくれることになっていましたが、周知が十分ではなかったようで、当初、子どもが集まらなかったり、ケース ワーカーが必要と感じても親にその意識がなく、協力的でなかったり、と様々な課題が見えてきました。

地域で地域の子どもを育てる:小学校区ごとに地域のセンター機能を

河 合さんは、将来的には「地域で地域の子どもを育てる」という、子どもが社会で自立するまで地域で見守る地域ネットワークの形成を目指したいとのことでし た。地域を小学校区単位に狭くし、小学校に地域のセンター機能を持たせ、多世代の交流、その中での学習支援、また地域ごとに公園の機能をバランスよく持た せられるようにするなど、みんなが地域作りに関われることを目指したいとのことでした。

大田区の支援

貧困の連鎖を断ち切り、どの子どもも意欲さえあれば、チャンスをつかめるように環境を整えることをめざしています。

被保護者自立促進事業・次世代育成支援

【1】小学校4・5・6年生(新規)
一人あたりの助成限度額・・・年間10万円
【2】中学校1・2年生(限度額引き上げ)
一人あたりの助成限度額・・・年間10万円
【3】中学3年生(変更なし)
一人あたりの助成限度額・・・年間15万円

自己肯定感の意味

河 合さんからは、たくさんの具体的な事例も聞かせていただきました。たとえば、母子家庭で、家が経済的に厳しいある子どものことです。自暴自棄で荒れた生活 をして、成績も悪かったのに、母親の「私立に行ってもいいよ」との一言から、この「ベストキッズ」に通いだし、一生懸命に勉強をしだして、結果的には都立 をめざして、無事、都立高校への入学を果たしたという話。

子どもの心に寄り添い、その可能性を信じる存在があることで、子ども自身が自分を信じ、奮い立たせるのだということを教えられる事例です。自己肯定感を持つ、とはこういうことをいうのでしょう。

苦 労をした分、大きな力を発揮するエネルギーを秘めている子どもたちにちがいありません。だから”ベストキッズ“なんだと河合さんがおっしゃっていたことが 印象的でした。河合さんの深い愛情に裏付けられた、子どもを信じ、根気強く見守る活動に感動すると共に、こういう居場所が区内にいくつもあってほしいと思 いました。

 

 

 

 

 

学習支援について話す河合さん