GAIA SYMPHONY 地球交響曲を知っていますか? 上映とトークライブ「樹と風と海と」

私の最も好きな映画「地球交響曲」。25日はその最新版、第8番を区民プラザで観ることができました。(主催「ガイアシップ多摩川」)

龍 村仁監督のこの一連の作品は、美しい「自然」の映像とともに、「宇宙の声が聴こえますか」と訴えかけてきます。自然の偉大さ、奇跡の星、地球に生きている ことの不思議さに浸ることのできるひとときです。自然と共に生きる実在の人物をじっくり追っていく作りで、いつもその空気感に心地よさを感じるのは、本当 はこうありたいと思う、生き方を実現している人たちに出会えるからでしょうか。今回の映画の出演者を少し紹介。

まず、「樹」と生きている人。
ヴァイオリン製作者の中澤宗幸さん。
ヴァ イオリンを創るために樹を選ぶとき、樹、それぞれの性格や声を聴きとることが重要だそうです。森で木陰を作って人を憩わせてくれた樹が、今度は楽器になっ て何百年も美しい音色で人を喜ばせてくれます。枯れて死んだように見える樹でも実は外側のマントを脱ぐと、中がみずみずしかったりすることもあり、樹は何 百年も何千年も生き続けるもの、決して科学で作れるものではないと。樹に生命を見る中澤さんでした。

畠山信さん
豊かな海を取り戻すために森に植林をした「森は海の恋人」という言葉に表された活動は、気仙沼で牡蠣養殖業を営む信さんのお父さんが始めました。信さんは、環境教育、生物調査に携わりながら、NPO「森は海の恋人」設立しました。
牡 蠣漁師でもある、信さんは、東日本大震災の時、船で沖に向かおうとして、津波の第一波に乗り上げてしまった経験を語ってくれました。激しいうねりに、死ぬ かもしれない、と思った半面、“千年に一度の自然現象”に対する好奇心と共にしっかり目を開いていたそうです。すると怒涛のうねりの中で「ここを行け」と いう、進むべきルートが見えて、島に泳ぎ着いて助かった、とのことでした。子どもの頃から海で培った、潮の流れなどの海の性質、それらの経験が、極限状態 で、研ぎ澄まされた“直観力”となったことを実感したとのことです。決定的なパニックにならないで、どこか安定した精神を持ち続けられたのは、子どもの頃 からの自然体験のせい。幼少期の自然体験はとても大切で、知識や情報とは違う“直観”が養われ、それが自分を助けてくれるのだそうです。


現代の都会の子どもたちは、自然環境の乏しさに加えて、管理的、過保護な環境に置かれがちです。
果たして、子どもたちに“直観力”が育まれていくでしょうか。
目先の知識ではない、本物の体験をすることの大切さをみんなで確認していかなくてはならないと思わされました。

「地球交響曲」からは、いつも、生かされていることの感謝や不思議さを思い起こさせてもらえます。生きることの達人に出会えるからでしょうね。お勧めの映画です!

 

 

 

 

 

 

 

 

左から、地球交響曲第7番に出演の高野孝子さん(環境教育活動家)、
龍村監督、畠山信さん(NPO「森は海の恋人」副理事長)