水俣の甘夏「きばる」 さわやかな酸味が魅力 ―生活クラブの生産者交流会―

水俣、その過酷な歴史をバネに環境先進都市に!
“被害者が加害者にならない”ように、“環境に良いものを”

18日は生活クラブの生産者交流会でした。熊本の甘夏「きばる」の生産者の高倉さんが、どのように「きばる」を育てているか。その経過を説明してくださいましたが、仕事に対する情熱、探求心、一つ一つの作物へのこだわりが伝わってきました。「きばる」とは「がんばる」の意味だそうです。

 

 

 

 

 

 

 

水俣の「きばる」の生産者、高倉さんと。「きばる」を持って

一億総幸福のために、一部の者が犠牲に。それが「水俣」

1930 年代から水俣では「チッソ」の出す水銀による中毒、水俣病という公害病との戦いが始まりました。国家的な産業振興の陰での、公害病。工場廃液の流出が海を 汚染し、汚染された魚を食べた人間が病気になり、人生を破壊されたばかりか、なおかつ公害との因果関係が認められず、多くの人が補償も受けられなかった り、水俣で生まれた人は結婚ができないなどの差別を受けたり、という幾重にも重なる苦しみがありました。
一億総幸福のために、一部の者が犠牲になるようなことがあっていいのでしょうか。
工業立国としてひた走る、当時の日本が犯した罪といえます。

辛い過去をバネに

この過酷な歴史から“被害者が加害者にならない”ように、“環境に良いものを”という意識が強まり、現在、水俣は環境先進都市に。「きばる」に関しては、農薬は最小限、防腐剤、ヘタ落ち防止剤、ワックス、除草剤を使用しないという取り決めをしています。

そして、できたのが、皮まで安心して食べられる、生活クラブの「きばる」なのです。辛い過去をバネに頑張っている生産者、さらに応援したくなりました。

「きばる」を使ったお料理をいろいろいただきました。生活クラブの生産者交流会はその作物ができるまでの工夫や努力に触れる貴重な機会ですが、おまけにその素材からどんなお料理が生まれるか、美味しい勉強もできます!

 

 

 

 

 

 

 

今日のお料理:花咲寿司 「きばる」の実と錦糸卵がのっているお寿司