乗り物は命を運ぶもの・問われるのは何より安全性 問題ありすぎ・羽田の発着大幅増便 

2016年1月23日 11時05分 | カテゴリー: 産業, 都市環境, 防災・安全

経済効果、という陰で人命が軽んじられていないか?

このところ、観光バスの事故が続き、突然人生が絶たれた方の無念さや家族の悲しみはいかばかりか、と胸が痛みます。

今後、バス会社の責任が問われるわけですが、“経済効果”ばかり追求する現代社会のあり方にも問題があるのではないかと思います。
この場合には、運転手への過重労働、ストレス、そして価格競争は賃金にもろに影響していたにちがいありません。儲け優先のコストカットが、かえってリスクを大きくしていることに気が付くべきです。

事故で亡くなられた阿部さんのお父様のコメントが
 社会問題について指摘した重みのあるものでした

このような風潮はもう日本中に蔓延していますが、羽田空港問題にも同じ根っこを見る思いです。練馬での講演会に出席したので、そのご報告をいたします。


 
講演会
「航空評論家に聞く、羽田空港機能強化の現実!」
秀島一生さん
1月21日 練馬・生活者ネットワーク主催

 

な ぜ、羽田空港の問題を練馬で?かというと、国土交通省が公表した羽田空港増便計画によると、航路の見直しで、現在は南風のとき、東京湾上空を通って、羽田 に着陸していますが、新ルートは埼玉上空で方向を変えて、練馬・中野・渋谷・港・品川・大田の上空を通って羽田に入るものとなるからです。増便計画にはど んな問題があるのか、JALでチーフパーサーを30年経験した秀島さんにお話を伺いました。

 

 

 

 

 

 

秀島一生さん

羽田空港機能強化の問題

2020 年東京オリンピック・パラリンピックを見込んで、国土交通省は羽田空港の国際線発着枠拡大を予定しています。人口が密集している都内上空を飛び、特に品川 上空、大井町駅付近は300mという低さ、約80デシベルという騒音になるといいます。現在でも相当過密な発着回数なのに、1時間に44便・2分に1回と いう、現在の1.7倍の発着回数への増加予定です。

秀島さんの指摘、安全性への疑問ポイント

・落下物:着陸前に、車輪を出すときに金属片やゴム片や氷塊が落下することがある。海側からの侵入はその危険性を回避できたが、新航路は住宅密集地。
・広範囲な人口密集地と低空飛行:万が一のとき、逃げ場がない。
・羽田空港の津波対策。
・整備点検における規制緩和とコストカットの結果、十分な点検がなされない、また技術のある人がいなくなった。
・管制官の労働環境の過酷化。

し かし最も根本的な問題は、日米地位協定に端をなす、横田空域問題。これを解決することが先。横田空域があることで、中国、四国、九州方面に向かう時は、急 上昇しなければならない。戦後70年たっているのに、いまだにアメリカ軍に便宜をはかり、横田空域問題について、折衝さえできないのはおかしい。もし交渉 がなされているのであれば、情報公開されるべき。


以上、大変、示唆に富んだ秀島さんのお話でした。
この羽田増便計画は経済・観光施策ばかりを優先させた結果、人口減少など社会構造を視野に長い目で見た需要や必要性、そして安全性を考えた交通施策とは言い難いものになっています。危険な飛行ルートに対しては、撤回を求めていかなければならないと思いました。
都民は頭上に要注意です。

 

 

 

 

 

左から品川・生活者ネットワークの吉田由美子さん、秀島一生さん、私