“区民参加のまちづくり”をうたった条例が“区民が参加しづらい”改正案に!?

2016年2月27日 21時12分 | カテゴリー: 議会報告, 都市環境

大田区議会定例会が始まり、昨日は、出された議案について、質疑ができる日でした。私は、第56条「地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例」についての質疑をしました。

「ま ちづくり」の中で、たとえば、「地区計画」は、その地域の一定程度の人が賛同すれば、住民主体で“その地域のルール”を決めることができる制度です。しか もルール作りに際して何が必要かを勉強するために大田区が専門家を派遣してくれるというありがたい制度です。緑の生垣を増やしていこう、とか5階建て以上 の建物は建てないようにしようとか・・・もちろん、計画の素案ができたら、多くの人と合意形成を図っていきます。実際、田園調布は土地の分割に際して、あ まり細かくならないように地域で取決めをしているそうです。

さて、今回の条例改正のポイントは、このような自分たちの町を理想に向けて計画しようというときに、“まず町会・自治会・商店会の承認を取らなければならない”という新しい条件が付け加わったことです。

もし「余計なことはするな!」「土地の資産価値が落ちたら困る」と町会や商店会の中のだれかが反対したら、スタートさえできないのです。区民が参加しづらくなるわけです。しかも町会や商店会には、大きな責任と負担が生まれるわけです。地域にケンカや恨みが生まれるかも。

この条例改正のことを町会長は知っているのか?承認にあたっての判断基準は?だれがどう判断するのか?町会に入っていない人はまちづくりに意見をいうチャンスはないのか?疑問がどんどん湧き上がってきました。

というわけで、質疑をしたので、その全文をご覧ください。

第56号議案
「地域力を生かした大田区まちづくり条例の一部を改正する条例」について質疑します。この条例は、地域特性を踏まえて、区民、事業者及び大田区が互いに連携して町の魅力を維持し、向上させ、将来にわたって区民が快適に暮らせる生活環境を整備していくために、区民一人一人の参加によるまちづくり、地域力を生かしたまちづくりをめざして制定されたものです。

今回の改定の一つに、第14条1項に新しく「地区計画を検討する対象地域の全ての自治会及び商店会が、地区計画の検討を行うことについて承認していること」が付け加えられています。

地区計画は、住民発意による、“目標とする街並み”“をめざしての「まちづくりのルール」であり、このまちづくり条例の中には、地区計画策定のために大田区が専門家を派遣、助成する支援制度が含まれており、区民参加のまちづくりのためには有効な制度です。

し かし地区計画は、“環境保全を優先したい”住民と“経済活動を優先したい”事業者との利害がぶつかる場合など考えられ、そのために専門家も含めて、学習や 検討を慎重に重ね、素案のたたき台ができたところで、地域への提案、そして修正をしながら、合意形成をめざす協議が重ねられていきます。地域への愛着が あってこその、苦労をいとわず行われる地道な活動です。

この「地区計画」という地域にとって大変重要で、しかも大変難しい事業に関して、 検討を行おうというときから、自治会、商店会の承認を条件とするというのが、今回の改正案ですが、承認にあたる判断は、専門的な側面もあり、また利害関係 も生まれる可能性もある中で、自治会、商店会には大変大きな責任がかかることになります。地域の分断や仲たがいの原因にもなりかねません。改正案の趣旨や 内容を自治会・商店会、もちろん一般区民にあらかじめ説明し、意見を聞き、相談するのが本来のやり方です。平成23年にはこのまちづくり条例が施行され、 同年8月に一部改正された際には8月から9月にかけてパブリックコメントが募集されました。しかし今回は区民への説明会もパブリックコメントの募集もあり ませんでした。

 

お聞きします。
【1】今回の改正をするにあたり、“地区計画の検討団体が検討を行うことを承認するかしないか”、判断を下さなくてはならない町会・商店会への説明はあったのですか。なかったとしたらどうしてですか。

答弁:議決してから説明する

【2】また区民生活に大きな影響のある条例にも関わらず、パブリックコメントの募集がなかったのはどうしてですか。

【3】これまでのまちづくり条例では何か不具合があったのか、急いで改正しなければならない何か理由があったのか、その経緯を教えてください。

大田区は自治会・町会への加入率が多いと聞いていますが、マンションごと入っていないなど、加入していない人の多い地域もあるときいています。自治会・町会は任意なので、入っていないことをその人の落ち度にしてしまうことはできません。

お聞きします。
【4】団体が地区計画の検討を始めることについて、町会・自治会が承認する、しない、というとき何をもってその町会の地域住民の意志とすることができるのでしょうか。町会長・商店会長一人の判断ですか。それとも総会を開いて、決定するのでしょうか。

【5】町会に属していない人もいる中で、地域の意志として判断をするとき、どのような手続きをとれば、地域の総意として公平性を担保できるといえますか。

答弁:あとは委員会審議のなかでお答えする

質疑に対して行政側の答えは、「議決してから(決まってから)町会には説明する」というものだったので、大変驚きました。こんな大事なことを事後報告で済ませるとは!

詳しい審議は都市整備委員会にて。
2月29日(月)10時より。
委員会採決は3月1日(火)10時からです。

ぜひ傍聴に行ってみてください。

区役所10階で手続きをすればだれでも傍聴できます。

池上梅園1

 

 

 

 

 

写真は池上梅園。ちょうど7分咲きできれいです