大田区のめざす国際化とは  【大田区議会一般質問】

2016年6月16日 11時29分 | カテゴリー: 子ども, 市民活動, 教育, 議会報告

第2回大田区議会定例会が現在進行中です。
私は、10日に一般質問をいたしました。 22分間です。

大きなテーマは「真の国際化とは」。

その中で、
前半は、「在日外国人への日本語教育支援の拡充について」
後半は、「商店街活性化:マルシェの可能性について」です。

以下、質問した内容をご紹介させていただきます。


 

 

在日外国人の子どもに対する日本語教育支援の拡充について質問いたします。

大田区に在住する外国人は年々増え、2006年は16,000人あまりだったのが、10年たって2016年は、2万人強となっています。国別でみると多い順 に中国、韓国、フィリピン、ネパール、べトナム、アメリカ、タイとつづきます。119か国からの人が住まわれています。

本年5月現在の区内、外国籍の小学生は362名、中学生は198名で計560名です。

言語は自分の気持ちを表現すること、人間関係を築いていくこと、等、人が健康に生きていくための基本的な手段です。もし自分の気持ちを表現できなければ、ストレスがたまり、発達に大きな障害をきたすことも考えられます。
大 田区は在日外国人の子どもの日本語教育に継続的な支援体制を持っていますが、その支援が十分に行き渡っているのか、実態に合っているのか、検証はできてい るでしょうか。順応性が高い子どもであっても、日常会話とはまたちがう学校の教科学習の中の言語、学校生活の習慣・文化に関わる言語を理解するには、かな りの日本語学習を要するでしょう。

大田区に移り住んだ子どもたちが、楽しい学校生活を送り、言語の違いを乗り越えて、地域の子どもたちと交流を深め、友情を育むことができるような環境作りこそ、大田区のめざす“国際化”に繋がるのではないかと考えます。

さて大田区の支援には、まず就学前の日本語教室があります。消費者生活センター内のミックス大田では民間の「レガート大田」、山王会館では「ぐるりっと」、 この2団体が大田区から受託して就学前の日本語指導を行っており、現在レガート大田には、フィリピン、中国、アメリカ、スペインから10歳前後の子どもが 11人来ています。「ぐるりっと」にはフィリピン、中国、アメリカ、スペイン、ドミニカから就学前の子どもに加えて、一旦学校に通いはじめたものの日本語 の学習が必要で学校から送り込まれている子ども、高校受験のために補修を受けに来ている子どもを含め18人の子どもが通ってきています。2つの教室とも就 学前の日本語教室は午前中、週3回行われており、ともに、その子どもの状況に応じて個人対応の指導が丁寧におこなわれています。

ここでの問題の1つは、就学前の日本語教室が週に3日しかないということです。週3回だけだと、親が二人とも働いている場合、日本語教室のない、あとの週の 2日は、子どもの居場所がありません。家に子どもだけを置くわけにはいかないので、日本語がまったくわからないままでやむなく学校に通わせてしまう家庭も 少なくありません。また日本語教室の存在を知らないままに、就学手続きに入ってしまう場合もあるようで、結果、授業についていけず、就学してから、日本語 教室に送り込まれる子どもが少なくなく、実際、「ぐるりっと」には、そういう子どもが毎年4~5人は学校から送り込まれているということです。日本語が まったく理解できないでクラスにいるとすれば、その子どもはもちろん、担任の先生も大変苦労されることは想像に難くありません。

大田区は就学後には各学校に年間60時間、日本語講師を派遣する制度があり、2015年には138人の生徒が利用しています。都の事業の小学3年生以上の蒲田小学校・中学校での日本語学級の週一の通級には、64名が通い、年々利用者が増えています。

しかし、これらの支援は有効ではありますが、まったく理解できない授業を延々受けるという、辛い時間が続きます。漢字・ひらがな・カタカナのある独特な日本語に加えて、意志の疎通ができない孤独感、疎外感からくる不安感に目を向けなくてはなりません。
個 人差があるので、一律年間60時間の派遣だけでは足りない場合もあること、週に1回の日本語学級に行くためには他の授業を休んでいかなくてはならないこ と、広い大田区において蒲田小中学校1校ずつしかない、など問題ではないでしょうか。また教育委員会の設定している支援の上限は15歳までになっています が、16~18歳であってもまだ支援を必要とする子どもたちが多く存在しています。

質問いたします。
1.現在は、必ずしも日本語教室を経てから就学に至るとは限っていないようです。就学に際して、日本語の修得を必要とする子どもは必ず、日本語教室を経るように制度化することが必要だと考えますがいかがですか。

2. また日本語教室が週3日では、あとの2日の過ごし方、居場所が課題になっています。日本語教育を重要な教育のインフラと位置づけ、学校と同じ時間帯、週に 5日、月曜から金曜まで、生活の中の日本語、及び教科の日本語が理解できるようにプログラム化するべきだと考えますが、いかがですか。学習効果の点でいっ ても毎日、継続して集中して学んで行った方が早く身につくと考えます。

他に、在日外国人の子 どもへの支援として、小中学校の学校授業の補習を通して日本語支援を行っている市民ボランティア団体があります。夜7時から9時に開催しているのが、「は ばたき」と「めばえ子ども日本語の会」、昼間開催している団体は「ぐるりっと」です。放課後、子どもたちはそれぞれに宿題を持ち寄り、1対1での指導を受 けています。勉強だけではなく、学校での孤独感を癒す、同じ国の仲間が出会う、大切な居場所にもなっています。日本語が不自由な中で、教科の勉強をし、宿 題をこなし、高校受験をするのであれば、学習支援はなくてはならないものです。支援者たちは、こどもたちの自立までを見守りたいという使命感で取り組んで おられます。

伺います。
3. 日本語がまだ不自由な子どもにとっては学習支援をしながらの日本語支援という形は非常に合理的で有効な支援の仕方です。現在は3つの民間団体が担っていま すが、もっと広範囲に学習支援の場が必要です。区が支援ボランティアを募集し、研修を施して、公共施設を無料で貸し出し、支援の幅が広がるように環境整備 をすることはできないでしょうか。

日本語教育が学校教育の一環としてしっかりとした位置付けになり、地域でさらに民間がサポートができる体制が理想的だと考えます。

文 化共生推進センターでは外国人の相談を集約していますが、子育て、学校のこと、日本語教育のことでの相談件数が、ここ2年間でも倍増しています。在日外国 人の意見に耳を傾けることがよりよい支援体制を作る土台だと考えます。また区内では、志と情熱のある区民ボランティアが日本語支援の歴史をもっています。 そのノウハウや問題意識を持ちより、学校とも連携して、現状を検証しながら、質の高い大田区ならではの支援体制を創っていくことが、国際都市・大田・実現 への道筋になるのだと思います。

伺います。
4. そのためには教育委員会と多文化共生推進課、日本語教室や日本支援のボランティア団体、学校での派遣講師、日本語学級など、日本語教育を必要とする子ども たちを囲む支援者の連携が欠かせないと考えます。年に一度でも一堂に集い、意見交換をすることが必要だと考えますがいかがですか。

 

在日外国人の活躍の場について質問いたします。

多文化共生推進課の在日外国人を対象としたアンケート調査によると在日外国人の多くが日本でボランティア活動をしたい、地域のコミュニティに入りたい、とい う願いを持っています。シャイな日本人とは違って、在日外国人の中には、積極的に交わっていきたいと考える人が多いのかもしれません。

このような願いを実現するためのコーディネート機能が必要だと考えます。

5.現在、ミックス大田が外国人の窓口になっていますが、役所のさまざまな部署と連携をとって、外国人も活躍できる場所をつくるための企画やコーディネートをすることはできないでしょうか。

ボランティア人材バンクをつくったり、たとえば、ファミリーサポートの研修を受けてもらい、外国人の子どもの一時預かりをする、など、外国人同士の助け合いの環境をつくれるかもしれません。

私はかねてから生涯学習センターが大田区に必要だと訴えてきました。センターの機能は、人材バンクでもあり、区民が主体的に学び、情報交換をし、仲間と出会 い、起業するなど、区民の力を生かす活動拠点で、そこでは日本人も在日外国人もともに大田区をつくる仲間としての交流が行なわれることが望ましいと考えま す。

 

商店街活性化、市・マルシェの可能性について質問いたします。

2000年、規制緩和により、それまで消費者や中小小売り店の利益のバランスをめざした「大店法」が廃止になり、大型スーパーの出現が個店の経営を圧迫するように なりました。個店がスーパーに勝つことは困難であり、生き残るにはうまく棲み分けの道を模索しなければなりませんが、商店街の価値と消費者のニーズが重な るのであれば、行政も商店街の再生をともに支援していくべきです。

商店街の価値の1つに、買い物をするときなどの“対話”があります。
これは現代社会が失いつつあり、しかし人が常に欲しているものであり、特に高齢者の孤立化による孤独感を救うためにも、また今後の国際化・観光化にも大きく寄与するものだと考えますが、今回はその点からも商店街を補完する市、マルシェの可能性を述べたいと思います。

今、全国的にマルシェは注目されており、青山のマルシェ、勝どきの太陽のマルシェなど、多くの人を集めています。区内でも池上本門寺の朝市、蒲田西口での多摩 川マルシェ、いずれも定例化する中で、リピーターが増え、にぎわいを見せています。さかさ川通りのおいしい収穫祭のようなオープンカフェ型であれば、客の 滞留時間が長くなり、産直市であれば、産地の人から商品のことを聞くなどコミュニケーションが生まれ、マルシェは、都市と地方との交流や若者に挑戦の場を 提供するなど、新たなエネルギーを喚起し、経済活性化の土壌作りに寄与する可能性を秘めています。

先日、武蔵新田の市にで かけたところ、一工夫した食べ物や手作りの店が並び、バナナ売りなど昭和レトロの大道芸もあって新田神社の周りがにぎわっていました。新田商店街では、市 以外にも、多摩川七福神めぐり、新田神社に祀られる新田義興にちなんだ武者パレードなど、街の持つ文化的・歴史的な資源を生かしたイベントを打ち出してお り、それを地域の人たちが担っていると聞きました。

多摩川駅で行われていたマルシェではイギリス人の青年がケーキを作って 出店したところ、評判になり、仲間ができ、その紹介で市ヶ谷に店を持つことができ、今年、イギリス大使館ご用達になったそうです。このように若者が市で店 を出すことがトライアルとなり、技を磨き、自立していくことがあります。このイギリス人の場合、大田区に店を出せなかったことが残念ですが、彼の場合、こ のマルシェの主催者が英語が堪能なことで、相談に乗ってもらえたことが成功の要因でもあったようです。他にもこの主催者のもとには、外国人が出店の相談、 困りごとの相談にも来るそうで、妊娠したけれどどこで出産できるのか、と病院の情報なども訪ねてくるそうです。彼女は必要に応じて、病院への付き添いもし ているそうですが、マルシェはこのように、多くの人の出会いと活躍の場であり、地域の相談センタ-の機能さえもっています。街の課題に気がついてその問題 解決に向かえる可能性もあるのです。多様な地域性のある大田区です。

地域ごとに個性豊かなマルシェが展開されたら、それは地域振興にも大きな観光資源にもなるでしょう。

し かしマルシェの運営については、担い手にはかなりのコーディネート力やリーダーシップが問われます。出店希望者の窓口と様々な調整、広報や各種申請など事 務処理、イベント的要素をいかに入れ込むかなど、商店主が店を持ちながら片手間にできることではありません。また一過性の助成金では継続が困難です。

そこで伺います。
6. マルシェの継続的な運営と推進のために、行政が商店街とともに考え、協議し、支援する体制を持てませんか。たとえばオープンカフェを可能とするような道路 許可についての支援、地域の人とともに働けるコーディネーターの紹介やその人件費の予算化など地域の事情に合わせた支援体制を検討できませんか。

区制70年を迎える大田区が、ますます地域力、区民の力が発揮できる舞台が大田区各地にでき、だれもが暮らしやすい、真の国際都市になることを願い質問といたします。