日本の食が心配! TPPでもっと心配! 「昭和の暮らし博物館」主催の催しに行ってきました

2016年10月10日 16時20分 | カテゴリー: 環境, 産業

戦後、食料の輸入がどんどん進み、その分、日本の農業は衰退。輸入に伴い食品添加物や遺伝子組み換え(GM)食品など心配な要因が増えましたが、そ れもこれも政府の“経済優先”“農業より工業”の政策によるもの。アメリカの大企業との競争にさらされる貿易自由化・TPPによって、日本の農業は壊滅的 な打撃を受けるでしょう。私たちが今、できることは、安全な食を求めて、“安全なものを買う”消費者になること。それがよいものを生産する農家を残していく道。
「戦後の食と農業の歩み」を解説していただきました。

 

10月8日(土) トーク&セッション

「“昭和なくらし方”に学ぶ知恵」

トーク: 「食の安全はくらしの安全」
環境問題ジャーナリスト 天笠啓祐さん
セッション: 天笠啓祐さん×小泉和子館長

P1020254現在開催中の特別展のポスター

 

戦後の食と農業の歴史

【1】日本農業の戦後出発と転換の時代 1945~
・日本人へのパン食、普及をめざすアメリカ。アメリカ産“小麦粉”を世界中に売り込む政策→戦後のヨーロッパに食料援助。日本の学校給食へ(なんと「学校給食法」でパン食が義務付けされた)。日本の農業、裏作(小麦)が崩壊
・マーシャル諸島水爆実験 ・熊本水俣病 ・インスタントラーメン開発
・殺虫剤・農薬の使用(有機リン系:ドイツの毒ガス兵器と同じ・有機塩素系:DDT,BHC毒性強い)

【2】 基本法農政と環境・人体汚染の時代 1960~
・池田内閣「農民を3分の1に減らす」と発言。農業基本法公布「農村労働力を工業に」
・パラチオンなどによる農薬中毒拡大・レイチェル・カーソン「沈黙の春」・食品添加物が100種類を超えて輸入。・イタイイタイ病

【3】 農民運動と減反の時代 1969~
・大阪万博にケンタッキーフライドチキン登場
・厚生省、ジャガイモの発芽抑制のために放射線照射、認可する
・アメリカ「ウイリアムズ報告」(アメリカ食料戦略転換)→自国の余剰農産物を他国に売りつける、貿易自由化を迫る
・有吉佐和子「複合汚染」
・市街化区域内農地に宅地並みの課税→減反政策
・北海道、酪農民、牛乳出荷スト、乳価闘争。宮城県農家、米出荷拒否、米価闘争

【4】 農業全面切り捨ての時代 1979~
・ソ連、アフガニスタンを攻撃。アメリカ、ソ連への穀物輸出ストップ、その余剰分を日本へ。
・中央酪農会議、牛乳の自主的生産調整始める。
・アメリカ政府、日本の輸入制限13品目をガット違反として提訴
・1986年、チェルノブイリ原発事故。

【5】 WTO体制成立と国際的市場経済優先の時代 1990~
・アメリカ・カナダで遺伝子組み換え作物の本格的栽培始まる
・製造年月日表示から期限表示へ(輸入食品には有利)

【6】 食の安全が脅かされる時代 2000年~
・牛肉BSE問題
・雪印食品、牛肉偽装事件
・原子力委員会が「原子力政策大綱」で放射線照射食品推進
・鳥インフルエンザ、ミートホープ、白い恋人、赤福、船場吉兆事件
・アメリカFDAがクローン家畜食品を安全と評価、流通認める
・中国産冷凍餃子事件

【7】 震災・原発事故とTPPに揺れる時代 2010年~
・宮崎、口蹄疫発生
・花王が発ガン性があるとしてエコナ関連商品の販売の自粛発表
・東日本大震災、東電福島第一原発事故
・ハワイ産GMパパイヤの輸入、承認、日本に入り始める
・Coco壱番屋の廃棄カツが出回る事件
・バイエル社がモンサント社買収、種子業界の再編起きる

 

遺伝子組み換え(GM)食品はなぜ心配か

1.安全性が評価されていない
2.環境評価がなされていない

たとえば・・・
GM鮭「アクアドバンテージ」の場合(アメリカのアクア社が開発)

精卵の操作によって早く大きく成長する鮭を開発。「アトランティック・サーモン」に2メートル大の巨大な「キング・サーモン」の成長ホルモン遺伝子を組み 込み、さらに、通常3年でフルサイズになるものを1年で成長するゲンゲ(ウナギに似た魚)の遺伝子を組み込むことで1年半で巨大な体に成長する鮭を開発。

これによる危険性
・生態系に影響:環境中に出てしまった場合、肉食である鮭が、成長が早く巨大な鮭になることで、漁業資源が失われ、希少種が失われる危険性
・安全性への影響:成長が早いとそれだけ環境中の有害物質など毒素の蓄積が早く、その毒素を人間が摂取することの影響。成長ホルモンの濃度が高く、それを人間が食べた場合、がん細胞を刺激する危険性
・養殖池では抗生物質の投与が当たり前。ホルモン剤や抗生物質の投与は、人間にもホルモンのかく乱や抗生物質が効かなくなるなどの影響が起きる危険性

TPPが発効すると
アメリカで承認されたこのGM鮭の、世界的な流通圧力が強まることは必須。
TPP交渉大筋合意の中に、“税関手続きの簡略化”があり、これまでの税関通過の約半分の時間にせよ、とのことですから、GM鮭かどうかのチェックは不可能であり、フリーパスで日本市場に流れ込んでくる可能性が高いということです。


自分の国で安全な食料を作っていた時代が遠い昔になってきつつあります。しかし、食は生きることの基本。国がどういう方向に進んでいこうとしているか見極めていく必要があります。「ととねえちゃん」が教えてくれたように、賢い消費者にならなければならないですね。
「昭和のくらし博物館」が大事な学びの機会を提供してくださったことに感謝です。

 

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講演者の天笠啓祐先生といっしょに

 
昭和のくらし博物館
東京都大田区南久が原2-26-19
電話/FAX 03-3750-1808e
mail:mail@showanokurashi.com
開館:金・土・日祝日 10時~17時

 

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昭和のくらし博物館