「これほどの個展は、最初で最後かもしれません」魂の書 金澤翔子さんの無心のエネルギー ~9/30

9月30日まで、上野の森美術館にてダウン症の書家、金澤翔子さんの個展が開催されています。

ダウン症の書家 金澤翔子 個展

 

 

 

 

 

 

 

 

上野の森美術館は入場する人の長い列になっていました。こんなにもファンが多いのだと改めて感じましたが、入ってみるとエネルギーのほとばしる翔子さんの書にどんなに多くの人が勇気づけられ、励まされているかを実感しました。「愛」という文字は「愛」そのものを表しており、「祈」という字は「祈」そのものを表しているのです。「風神雷神」も、「飛翔」も、その「気」がそのまま乗り移っているとでもいうのでしょうか。上手とか下手とかという次元ではない、宇宙からのメッセージを伝えているかのような、奇跡のような書だと私は感じました。これは実際に見るとわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

ダウン症で生まれた翔子さん。周りの人やお母さんにいつでも感謝して、「しあわせです」という翔子さん。欲望や計算や妬みや恨みがなく、人の幸せだけを願って生きる魂、純度の高い愛のエネルギーが生み出す作品。拝見できて、幸せな感謝のひとときでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところどころにお母さん、泰子さんの言葉が添えられていました。書家であるお母さんの泰子さんと、天国から見守ってくれているお父さんの深い愛情にも心を打たれます。

 

 

天馬行空

ニューヨークのロックフェラービルでの取材で
「翔子さんが今まで登った 一番高いところはどこ?」と
聞かれたら「お父様の肩車」と答えた。
翔子の父親は彼女を深く愛していた。
翔子が誕生して、母の私はダウン症のことを嘆いて
いたけれど、父親は「千人に一人授かる大切な子
なのだよ」と、むしろ翔子を誇りに思い育てていた。
私の様に悲嘆に暮れたりはしていなかった。
お祭りの時なども翔子を高々と抱き上げ
肩車をしてくれていた。翔子は
あの高いロックフェラービルの最上階に立ち、
このビルよりもなお父親の肩車の方が高かったという。
この高さは父親の愛の深さであり、人格の高さだ。