中央防波堤埋立地帰属問題・江東区と大田区  いよいよ裁判へ

土地というものが、「歴史」や「くらし」に根ざしていると考えることは自然なことではないでしょうか。公正な裁判が行われることを期待いたします。

約500ヘクタールの中央防波堤埋立地の帰属問題は、長年、江東区・大田区両者の主張が平行線であったため、大田区は7月18日に東京都知事に調停を申請しました。その結果、10月16日、東京都自治紛争処理委員会は、調停案を作成し、両区に受諾を勧告しましたが、内容は、江東区86.2%、大田区13.8%というものでした。全島帰属を主張していた大田区としては残念な結果でした。

10月29日、臨時議会が開かれ、大田区議会は“この調停案を受け入れることができない”ということ、ならびに“境界確定”に関して東京地方裁判所に提訴することを議決いたしました。大体以下のようなことが論点となっています。

調停案が合理的ではないとする理由
1.中央防波堤埋立地付近は、江戸時代中期より、大田区民が海苔養殖業を行っていた場所であること。
2.調停案の根拠となる「水際線からの等距離」を基準にすると先に埋立てをした方が未来永劫有利になること。

その他の問題
・合意形成が図られることを期待しての調停申請であったのに調停員から大田区がヒアリングを受けたのは1回のみだった。
・9月29日に読売新聞に帰属に関する調停案の記事が掲載されたが、10月16日の勧告案とほぼ同様の内容だった。調停は非公開のはずなのにマスコミに漏れるという、管理体制への不信、“結論ありき”だったのではないかという政治的な動きも疑われる。


 

異例の日曜日開催の臨時大田区議会、傍聴者もマスコミも大勢入っての議会でした。
“行政区とは”、“埋立地とは”ということを考えさせられる出来事でした。
昭和38年をもって終焉した海苔養殖業ですが、海苔養殖は漁業と共に大田区の長い歴史の中で、人々の生活を支えていたものです。「問題発生以前に当該海面がどのように占有利用されていたか、という先行境界を検討すべき」と政治行政地理学者の田邉氏もおっしゃっていました。
土地というものが、「歴史」や「くらし」に根ざしていると考えることは自然なことではないでしょうか。公正な裁判が行われることを期待いたします。

 

 

 

※写真は海の森公園です