不登校はだれにでも起こりうること .学ぶ主体は子ども・教育の多様性が認められるべき

2017年11月3日 11時58分 | カテゴリー: 活動報告・日誌

2017年10月8日(日)午後1時から日本教育会館にて、前文部科学事務次官・前川さんの講演会がありました。

以下、内容のご報告です。

 

前文部科学事務次官 前川さんの話を聞こう

「子ども・教育・不登校」

主催:登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク

 

教育機会確保法ができた背景
不登校はだれにでも起こりうること、休養の必要性

38年間、文科省での仕事をするうえでの理念

憲法26条
1.すべて区民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2.すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

ここでいわれていること
・普通教育=人として社会で生きていける教育
・「子どもは学校へ行く義務」が定められているわけではない。
・“その能力に応じて”=能力は多種多様で、優劣をつけられない
それぞれの能力は、単純な尺度では測れない。日々変化。学べば学ぶほど開発される。

教育基本法
普通教育とは
1.各個人の能力を伸ばす
2.社会的自立
3.協力し合って国家社会の形成者の育成
⇒一人ひとりに応じた中身があるはず。一律の教育でなくてもよいはず。

学校教育法の問題
「集団教育」にはそもそも無理がある。多様性を受けとめきれない。
「学校教育法」では“普通教育は「学校」が独占する”という立場
・それ以前は、1941年、国民学校令(国家総動員・戦時体制)
・明治期:家庭、またはその他において小学校の教科を修める、と緩やかだった。
・現在の学校教育法には国家総動員風体質が続いている

改革「臨時教育審議会」が今に至る理念を打ち出す
1.個性重視:個人の尊厳、個性の尊重、個の確立 自由・自立・自己責任の原則
2.生涯学習体系への移行
学校にも、学校外にも社会人になっても学び続ける場が整備されなければならない。
“学習しないと判断できない”学校が学習の場を独占するのではない。学習者が主体。
学習者の主体性を前提⇒学校教育も変わるべき
学校が用意したものを子どもに施すのではなく、子どもが主体的に。

生涯学習体系の中での学校の意味、生涯学習の意味
⇒学び続けていく力、自ら知識を獲得していく力
知識をためこむだけでなく、自ら学び、自ら考える力

※些末なことにエネルギーを使うべきでない。
年号の暗記、中学校での2次方程式(以前は高校での課程だったが、中学に戻した)
高校での数学は必修にすべきではない。制度的に高校中退に追い込んでいる。
必要な知識を必要なときに取り込む力の方が必要。
3.変化への対応:情報化、国際化
学校は時代遅れになる

 

 


 

一人一人を大事にする、多様性を認める、少数者の尊厳、ありのまま⇒いじめをなくす

マイノリティーを合わせるとマジョリティーに
・子どもの貧困率 14%
・一人親の家庭  8%
・特別支援学級  3%
・発達障害の児童 6.5%
・セクシュアルマイノリティ(LGBT)8%
・身体の課題を抱えている アトピー 12%
食物アレルギー 5%
喘息 3%
色覚異常 5%
吃音賞 5%
・外国人  2%
・不登校  3%
・高校中退 5%
・左利き  10%

マイノリティーをありのままに認めるといじめがなくなる。
教育改革は“個性を認める柔軟な教育”を進めてきてはいるが・・・
高校改革は進んできている(多様性)

規制緩和の問題(構造改革特区)
NPO法人立の個性ある学校もあれば、株式会社立も。
よい教育もあれば、多くが“安かろう、悪かろう”になっている。
もうけ主義。学ぶ気のない子どもが入り“就学支援金”を得る。子どもはほったらかし。

通信制高校⇒勉強しなくても卒業できる。質が落ちてきている。
勉強しないで卒業したいというニーズ、教えなくてもお金が入る仕組み。市場任せの結果。
是正が必要。

不登校への考え方の変化
不登校だと卒業できない⇒不登校でも(無登校でも)卒業できる
卒業証書を出したことで、夜間中学に行けなくなる
⇒形式卒業でも夜間中学に行けるように(昨年から)
今は8割が外国人。外国人の受け皿になるのなら、もっと充実させるべき

課題・オルタナティブな学校を「学校」として認める方向へ
例:沖縄インターナショナルスクール
地元の小中学校に在籍、沖縄インターナショナルスクールは各種学校という位置付け。出席状況を在籍校に報告。高校・大学にいくことに支障はない。

質の保障の仕組みが必要。
アメリカ:草の根の学校を創り、当事者たちで質を保障していく。


 

“学ぶ主体は子ども”であるということ、その点からいうと、「学校教育法」にこそ問題があると指摘する前川さん。不登校の子どもたち、学校で息苦しさを感じている生徒たちに責任があるわけではない、制度的な問題をなんとかしなければならないということ。これだけ不登校が生まれ、いじめや自殺が起きていることが、今の学校制度への警告そのもの。教育は何をめざすべきか、原点に日本全体で立ち返るべきだとつくづく思いました。

 

 

 

 

 

講演者の前川前文部科学事務次官、立川生活者ネットワークの稲橋さんと谷山さんといっしょに