ストーカー問題の真の解決を求めて「介入」というカウンセリング・被害者にも加害者にも寄り添う

2017年11月4日 21時18分 | カテゴリー: 活動報告, 防災・安全

10月24日、入新井集会室にて心理カウンセラーの小早川明子さんのお話を聞く機会がありました。以下ご報告です。

「ストーカーは何を考えているか」

小早川明子(心理カウンセラー) まちカフェ夜学 

 

悲惨な殺人事件に発展することもあるストーカー事件。警視庁調べで、2016年は2万2737件で最多。DVも6万9908件で最多。年々増加しています。なぜ、増え続けるのか。どう解決していけばよいのか。社会病理ともいえるストーカーについて、1500を超える案件と関わり、ご自身もストーカー被害に会われた経験を踏まえて分析、心の闇に光を当ててきた軌跡をお聞きしました。被害者を励ますだけにとどまらない、加害者の行為を止めさせるというところまでの「介入」をするカウンセラーは小早川さんだけという。被害をなくすためには何より「助ける」こと。そのためには、カウンセラーが早期に介入できる体制、警察と医療との連携など時代にあった仕組みを構築することが急がれます。
この日のお話と小早川さんのご著書「ストーカーは何を考えているか」を参考にまとめてみました。

 

「ストーカー」は何を考えているか (新潮新書)

 

ストーカーとは

ストーキング:無許可接近
ストーカー:特定の相手に対する過剰な関心。反応を欲しがる。恋愛感情でつきまとう。エスカレートし、反応がもらえないと禁断症状。相手を殺さないと気がすまない等。

ストーカーの心理レベルでの危険度と対応

1.ポイズン:脅迫・暴力・住居侵入・名誉棄損 / ただちに避難や隔離が必要。
2.デインジャー:批判・攻撃的な文句・待ち伏せ /  危険度が高いので第三者の介入が必要
3.リスク:別れても「やり直したい」など / 危険になる可能性。ここで放置しておいてはダメ

 

ストーカーのタイプとカウンセリングの必要性

8割が「破恋型」元交際相手か元配偶者を追い求める
「別れ」を受け入れられない⇒見捨てられた・相手を憎み、愛着しながら攻撃する。恐怖で支配する。
攻撃欲求の高まり⇒相手を破滅に追い込もうという危険性

プライドの高い人ほど、傷つきやすい。社会で活躍し、高い評価や尊敬を受けているが、“評価されなければ、自分に価値がない”と思い込む。素のままの自分に自信がない⇒防衛的になり、防衛のために自己本位な行動をとる。生きることへの安心を過度に求める。好きだから恋人になるのではなく、恋人という存在が必要だという状態。
自分を抑圧してきた人は、他人を批判的に見る⇒傷つけば相手のせいにする。
⇒回復には専門的な治療と治癒の仕組みが必要(今は警察が“警告”を出す、という仕組みしかない)
警察の威嚇は、抑制にはつながっても、回復には役立たない。

 

カウンセリングとは
介入からストーカーを変容させる

1、窓口(カウンセラー)の存在が緩衝材になる
2、まずは「犯罪」を起こさせないこと
3、ゲシュタルトセラピーで得られる気づき(相手をイメージして会話する)

 

言葉の言い換えの重要性 「殺すぞ」という言葉

⇒「ぼくはあなたに死んでほしいと思うほど苦しい」
“自分が主体になる”言葉を使うことで、人は変わっていく。

ゆずらないこと
1.相手はあなたを嫌う自由がある。内面の自由がある。
2.自分の感情の処理は自分でする。許せないなら裁判を。
3.違法行為はしない。

かならず人は自分で感情処理ができる。唯一の解決は、ストーカーが無害の存在になること

 

攻撃行動の因果関係

成育歴・幼児期の愛情はく奪、渇望感、恐怖、孤独のストレスが攻撃性のリスクに
⇒ファイティングポーズ「今、おまえ、俺をバカにしたよな」
⇒ストーカー(過剰な過覚醒・過剰な防御)

 

改善方法

あなたは孤独でないよ
子どもの頃を思いだす⇒イメージ療法
子どもである自分を迎えに行き、連れてきて、自分の家の部屋で育て直しをする。インナーチャイルド、小さい頃、してほしかったことをする⇒2週間で成長してくる

ポイズンになってしまっていたら、ドーパミンが激しく出る⇒薬
入院、「これをしたら、ストーカーをしない」、という言葉やジェスチャーを身に着ける

 

ストレスの多い時代はストーカー増える

希望の世の中になれば過剰に怒る人間も少なくなるはず。
評価を気にする人が増えた。評価されなければ価値がないと思う。評価にさらされている。
「いいね」を求める。劣等感。ストーカーはその延長線上。反応を求める。
⇒私は私でいいんだ、という自信、自己肯定感が大事。

 

ストーカーに出会った時の対処法

反応を求めてくるが、反応を受け取るとドーパミンが出て定着してしまう。
初動でしっかり断ることが大切。“反応しない”ことが大切。

 

課題  ストーカー規制法はできたけれど・・・

・全体像を見通すことのできる専門家・最悪の事態まで視野に入れて、被害者の安全確保を具体的にサポートできる人が必要。カウンセラーと警察の連携
・被害者の相談先と保護してくれるシェルター必要。
加害者とその家族の声に耳を傾ける相談機関が必要。「解決支援センター」の設置など。
・早期に第三者、カウンセラーの介入が必要。カウンセラーは、加害者の感情を受け止め、吐き出させながら、ストーカー行為をとめる決断まで支えることができれば、殺意を固める前に問題を終わらせることができる。
・男女間の教育大切。SNSだけの付き合いなど問題

 

 

 

 

 

 

 

小早川さんのお話を聞く「まちカフェ夜学」(クラシとまちを考えるオトナの茶論)