連鎖を断ち切る!児童養護施設の子どもたちへの学習支援 NPO法人3keysの取り組み

子ども時代を豊かにすることほど、大切なことはない

3keysは、多様な市民活動を支援する「草の根市民基金・ぐらん」の助成団体です。代表の森山さんは、大学2年生のとき、児童養護施設の子どもたちの学習支援のボランティアを始めたことがきっかけで、“虐待&保護で終わらせないためには、社会で自立できる学力が必要”だという思いを強くして、「3keys」を立ち上げました。3keysとは「きっかけ」「気づき」「希望」の頭文字をとったものだそうです。やがてNPO法人の認定をとり、大学を卒業してもそのまま3keysの活動を継続している森山さん。優れたコーディネート力で民官の資源を活用しながら、問題解決に奔走している森山さんの熱い思いをお聞きしましたので、ご報告いたします。

 

 

すべての子どもたちが安心して育つ社会へ
「認定NPO法人3keys」の挑戦 

代表理事 森山誉恵さん

11月4日 生活クラブ館・地下スペースにて
主催:生活クラブ運動グループ・インク―シブ事業連合

子育て支援委員会

 

全国で4万人の子どもたちが通う児童養護施設、現在は4人に一人の職員配置になってはいますが、生活全般の世話をする職員人には難しい学習のサポートや宿題以外の取りこぼしを補うほどの余裕はありません。一方、子どもたちは厳しい環境下で育つ中で、中学生であっても小学校低学年の学力しかない、絵本すら家庭で読んでもらってきていない、勉強する習慣がない、など1対1の学習サポートを必要とする状況です。衣食住は満たされていても教育予算が少ない日本の現状、3keysは東京・神奈川の20の児童養護施設と連携し、年間100~150人のボランティアを送って個別指導を実現しています。

 

3keysのめざすもの

すべての子どもの権利が守られ、安心して暮らし育つためのセーフティネットを増やし、虐待・貧困の連鎖が起きない社会をめざす

 

活動内容
・ボランティアの研修、マッチング、フォロー
・独自の相談窓口の設置:オンライン相談プラットフォーム(Mex)
官民合わせて150のサービスにつなげる
→現在、月に約1万人がサイトを訪ねてくる(親が嫌い、学校行きたくない、妊娠したかも・・)

活動の成果と課題
・子どもの自己肯定感の向上。
学習への自信、自分への自信、施設全体の学習意欲の向上。
・具体的な将来の目標を描きやすくなった。
・大人像の変化、相談に応じてくれる大人がいる、質問していいんだという安心感。
・学習補助費用が加算されるようになってきたが、周知が進んでいない。
・親への支援が必要。虐待まで行くと地域でつながれるような場所には行かない。
・学生のボランティアを集めるのに苦労(学生の半分は奨学金のためにバイトに明け暮れている)
 
 

 

 

 

 

 

 

講師の森山誉恵さんと