こどもも大人もよりよく生きるために ~地域から生活を見つめ直す~

2017年11月13日 09時44分 | カテゴリー: 市民活動, 貧困

11月12日、消費者生活センターで行われた「おおた区民大学の若者企画講座」に参加してきました。

 

平成29年度おおた区民大学
若者企画講座
見えない「違い」を認め合うために
~当たり前を疑う~

 

NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長の大西連さんのお話(ここ約30年の日本の貧困の広がりの状況の分析)に続いて、地域で子どもへの学習支援や居場所作りをしている現場からの話を聞くパネルディスカッション、最後はそれぞれ自分は何ができるかを考えるというワークショップでした。社会の構造的な問題を知ったうえで、目の前の地域を考えることのできた有意義な講座でした。簡単にご報告いたします。

 

NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長の大西連さんから

NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」とは
2001年設立。ホームレスの人が家を借りられないことから、“連帯保証人の提供”という支援を始める。ホームレス以外にDV被害者、児童養護施設出身者などニーズがあることが分かる。3千人に提供。以後、交流サロン、だれでも食堂など居場所作り、生活相談も始める。年4千件の生活困窮者からの相談、100件以上は同行支援。日本の貧困問題を社会的に解決することを目的とする団体。日本の問題は、生活保護以外の中間的なセイフティネットがないこと。

★貧困の広がり
1990年代~ ホームレスの増加 2003年DV防止法⇒問題が認識されてきた
「ホームレス」が「生活困窮者」に、「特定の人」が「多くの人」に。この15年で貧困が可視化。

・中間層の低所得化と貧困ラインの下降 
平成9年  可処分所得の中央値297万円、貧困ライン149万円
平成27年 可処分所得の中央値245万円、貧困ライン122万円

今、貧困層2000万人
なんとかギリギリでやっている人が多い。私たちのすぐそばに貧困。

・低収入になる理由
1、非正規労働の拡大(就労収入の減少)→貯蓄できない
2、低所得化(資産形成の困難さ)
3、核家族化(扶養能力の減退)
4、社会保障の脆弱さ(時代の変化と逆行)

・最低賃金でフルタイムで働いた場合
(東京)958円×8時間×5日×4週=15万2480円(手取り12万)

つまり日本の貧困は、“働いているのに貧困”

・母子家庭の就業率 80.6%(非正規労働 52.1%)
平均年間就労収入180万円  貧困率 54.6%

・非正規労働者(25歳~34歳) 106万人(1990年)→ 300万人(2014年)

・はじめて就いた職が非正規労働だったという人
昭和62年~平成4年:13.4% → 平成19年~24年:39.8%

 

働くことで自立できるのか  

つまり、貧困の問題は個人の問題ではなく、社会の構造的な問題。

 

地域の現場から

★自主学習会 代表 河合良治さん
個人の尊重と確立を求めてきた戦後、経済的な価値観の中で「個人」が「孤人」に。新しい時代の問題に対応した新しい形を創る必要がある。自立する力は、学習ではなく、社会性。学習支援をやりながら、年に1回は美術館にも行く。地域が子どもを育てていく。

★NPO法人 ユースコミュニティ 代表理事 濱住邦彦さん
学習支援をしているが、保護者から受ける相談が重要。進学の情報のほか、信頼関係ができると家庭の問題についての相談もでてくる。家庭の安定が大事で、適切な行政窓口につなげる。昔は銭湯や将棋など地域の大人と触れ合う場所があったが、今はない。

★気まぐれ八百屋だんだん 店主 近藤博子さん
人は人を求める。寄り添って生きることができる社会に。何か事件があったら、「なぜそうなったのか」と加害者の心理にも思いを馳せたい。貧困の子どもにがんばれと言ったところで、その先の社会が非正規労働では心配。希望のある社会を創っていきたい。
 

 

 

 

 

 

 

地域の活動を話してくださったパネラー

 

 

 

 

 

自立サポートセンター・もやい 理事長 大西連さんと