空き部屋活用:一軒家の隠れ家レンタルスペース まなび舎 教(NORI)

2018年4月2日 17時45分 | カテゴリー: 市民活動, 活動報告

池上8丁目の住宅地(池上8-8-19)、普通の家なのに、カフェのような、でもレンタルスペースもしているし、フリーマーケットやライブなどイベントも開催されている気になる「おうち」があります。というわけで、同じ池上住民としてはほっとけなくて、取材にいきました。快くお話を聞かせてくださったのは、この「おうち」の所有者であり、2階にお住いの佐々木さんです。

まなび舎 教(NORI)

 

 

 

 

 

 

 

入り口

 

両親の暮らしていた部屋を大事に活かしたい

二世帯住宅の一階にはご両親が住んでいたそうです。お二人ともが亡くなってもしばらくはまだその部屋はそのまま。でもやはり物があるだけで寂しいので、ある時(新しい出発をしよう)と思ったそうです。ちょうど民泊の話をよく聞くようになった頃。民泊にもちょっと興味はあるけれど全くの他人が使うのは不安。デイサービスや託児所ならいいかもしれない。車の出入りもできるし、夜はみんな帰るでしょうから。

 

 

 

 

 

 

 

玄関の壁にかけられている佐々木さんお手製の額。
お孫さんのお顔を消しゴムハンコで表現したそうです

 

自分も他の人も共に使えるスペース作り

でも考えるうちにだんだん自分も使ってみたいと思うようになってきたそうです。ウエディングドレスを作る仕事をしている佐々木さん、得意な洋裁を活かして洋裁教室や手芸教室をしながら、自分もみんなも使えるレンタルスペースにできないか、と。

 

 

 

 

 

 

佐々木さんの縫っているドレス、作業途中

 
リフォームのポイントその一、和室とリビングダイニングの間にあった押入れを取り除いて一続きの広い部屋にしたこと。広いスペースにもできるし、残した和室で、襖を閉めて茶道や生け花もできる。押入れを外した時の3本の柱はそのままだけど、並行した柱は突っ張り棒で何かを下げることができるかもしれないし、少しでも丈夫な家であってほしいと思い残したそうです。明るい白い壁は画鋲もさせる丈夫なものにして、一つの壁は絵画展をするとき、絵が映えるようにとブルーの壁に。ピクチャーレールは自分でホームセンターから買ってきて付けたそうです。リビングダイニングは洋間だけど、簾やお母さんの和ダンスがなぜかマッチしていて、まめな佐々木さんは季節によって椅子のカバーを色を替えることで、季節感を出しています。

 

 

 

 

 

 

 

和室

 

菓子製造許可付き、キッチン付きレンタルスペース

リフォームメーカーに相談しながら、創ることを楽しめるレンタルスペースに仕上げていったそうです。リフォームのポイントその二、キッチンのシンクを二層式にして水道を3つに整えて、カフェもできるように「営業許可書」をとったこと。洋裁をやるとなるとアイロンを同時に使うこともあるかもしれないので、電気の容量を増やし、コンセントの数を増やしたそうです。次の年には、「菓子製造許可」も取ったので、お菓子やパンを作って、販売することもでき、また翌年には佐々木さんが講習を受けて食品衛生責任者の許可も受けたので、飲食の販売とここで食べることも可能になりました。

 

 

 

 

 

 

 

台所

 
お菓子作りが好きで、作って売りたいけれど、許可のないキッチンで作ったものを売ることができない、と残念がっている人もいるのではないでしょうか。佐々木さんはそういう人のためにも「菓子製造許可付き、キッチン付きレンタルスペース」をとは発想がユニーク。

佐々木さんは常にどうしたらここを楽しく使ってもらえるか、あるものをどうしたら有効に使えるかを考えているのです。お母さんの残した着物は1時間毎、一式100円(下着・足袋以外)でレンタルすると言う発想は柔軟で面白い。レトロな着物がタンスにいっぱい入っていました。確かに着付けをしてもらっても写真を撮って満足という人もいるでしょうから、一時間単位で貸し出すのもありだなと思いました。
 

おうちライブ

これまでマリンバ、フルート、二胡、ギターなどの演奏会も開催したそうです。住宅地なので音の出せる時間は、昼間の14時~16時と決めて。
もてなし好きな佐々木さんは、ライブの時は、演奏者にもお客さんにも、食べ物も楽しんでもらいたいと、必ずお茶とお菓子付きの音楽鑑賞会にして、みんなでホッとできるひと時を提供しているすです。

 

フリーマーケット(偶数月の第3日曜日の10時~15時)

作品を販売してもよいし、体験講座を出店してもよい。出店料は屋外500円、屋内800円。5時間自由にそのスペースを使うことができるので、アイデア次第で自分の腕を試せるかもしれませんね。

どうしたら人を喜ばせることができるか、人の役に立てるかを考え、しかもアイデア豊富な佐々木さん。夏休みや冬休みなど長期休みには「宿題大作戦」と銘打って、お菓子つくりやピザ作りなど、冬には書初めなど、子どもたちに楽しい経験をさせてあげたいとプログラムを組んでいます。

5月に「母の日のためのプレゼント作り」を企画。自分で何かを作って、ラッピングは佐々木さんがサービスする。

 

 

 

 

 

 

母の日のプレゼントをつくってみよう、という企画です。
材料は佐々木さんが用意してくださっているとのこと。ラッピングも。
あとは中身を心を込めてつくるだけです

 

NORI倶楽部(クリエイター主催)

奇数月の月一回は、クリエイターが集まって、それぞれの特技を活かして体験講座を催すそうです。たとえばハンドエステ、ツボケア体験、アイシングクッキー講座、ビーズアクセサリー販売、手編み雑貨、※震災復興【応援パンツ】販売などなど。一軒の「おうち」で様々なクリエイティブな活動が展開されるなんて、テンション上がることでしょうね。
クリエイターには「一度参加したらラインに入ってもらって、お互い情報交換してもらったり、佐々木さんが企画を投げかけたりすることもあるそうです。

 

いろいろいいこと

※震災復興【応援パンツ】
3・11以後始まった活動で、お手製の子ども用パンツを1枚500円でネット販売して、売り上げ金を被災地に送る活動だそうです。布など材料は寄付で賄われているので、手数料以外は寄付できているとか。作るのはボランティア。あちらこちらで作って、集約してネット販売。佐々木さんもゴム通しなどできることを協力しているそうです。

・ミシンの相談会
ミシンを並べて、さわってみて、どんなミシンが自分に合っているか、相談会をしたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

ミシン

 
・ソーイング解放
ミシンはいつも出ていて、1時間500円で使える。型紙作りから縫うところまでアドバイスももらえる。“自分で作ってみることに意味がある”とは佐々木さん。
近所のおじいさんがタオルをたくさん持ち込んで雑巾を作っていったこともあるそうです。おしゃべりしながらの雑巾作り、2時間かかったので1000円かかったけどうれしかった、とそのおじいさんは言われて帰ったとのこと。

ドレスの丈を直す、のは普通何千円もかかりますが、自分でやれば、1000円でできるかもしれない。お母さんがミシンをしている間に娘は隣の部屋で宿題をしていたという親子もあったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

ロックミシン

 

壁飾り

クリスマスリースをアレンジして卵を飾り、イースターの飾りにしたもの。季節ごとにアレンジしていく予定だそうです。玄関ホールはミモザのリースや小さな額縁。佐々木さんは、ドライフラワーをたくさん作って、リース作りにそなえているとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

壁のつたの飾り、クリスマスリースからイースターの飾りに

 

おうちカフェ NORI

レンタルをしていない時の13時~17時は「おうちカフェ」に。おいしいコーヒーや紅茶がお菓子付きで400円。じつに居心地のよい、くつろぎの空間になっています。

 

 

 

 

 

 

 

入り口

 
人を慈しむ、物をいとおしむ、佐々木さんの心に触れた素敵な時間でした。家を開放して、だれかの活動を応援し、他のだれかがそれを喜ぶことを共に喜ぶ佐々木さん。人との出会いが次の出会いにつながる。池上8丁目から好循環が生まれているようです。
チラシ作りは佐々木さんが担当で、家の前の掲示板やフェイスブックで次のイベントの告知をしています。まさにみんなの応援団長のような佐々木さん。

大田区はたくさんの空き家があることが課題の一つです。空き家や空き部屋の活用方法の立派なお手本ともいえますね。人生、まだまだ楽しまなくちゃ。

 

 

 

 

 

 

 

佐々木さんといっしょに