不登校は問題行動ではない-大田区議会予算特別委員会・教育費

2018年4月10日 23時23分 | カテゴリー: 子育て支援, 教育, 議会報告

「不登校は問題行動ではない。だれにでも起こりうること」
「教育機会確保法の周知と学校以外の居場所の確保を!」

 

3月16日、大田区議会予算特別委員会・教育費について質問いたしました。以下、全文です。

 


(9分30秒あたりから)

参考:教育機会確保法


 

不登校対策については、2017年度第2回定例会でも質問いたしましたが、再度質問いたします。

2016年12月に「教育機会確保法」が成立し、国並びに地方公共団体の責務として「全ての児童の、その能力に応じた教育を受ける機会の確保」、「学校以外の場における学習活動等を行う不登校児童生徒に対する支援」、「休養の必要性」が明記され、また「不登校はだれにでも起こりうるもので、問題行動ではない」「不登校の児童生徒やその保護者を追い詰めることのないように配慮する」との通達についても周知のとおりです。

さて、大田区では小中学校の不登校児童生徒が2016年は519人で前年度比で微増です。このとき適応指導教室に行っている子どもは113人なので、いっていない子どもの方が圧倒的に多く、教育を受ける権利の確保、支援を考えなければなりません。不登校児童生徒の多くは、「なぜ自分は学校にいけないんだろう、行けないのは悪い子だ」自らを責めたり、また親も子どもを責めたり、なげいたりと子どもにストレスを与えたり、親自身、落ち込んだり、うつになってしまうことが少なくありません。「だれにでも起こりうること」という法のスタンスは多くの親子にとって、大きな励ましとなると考えます。
 

お聞きいたします。
【1】不登校児童生徒やその親は自分たちを責めがちです。「教育機会確保法」が成立したことを知らせ、不登校は問題行動ではない、休養の必要性など、新しい認識を知らせる必要があると思いますが、いかがですか。

不登校には、登校をためらうなどの予兆を示す段階と不登校の状態が続く段階、また社会とつながりたい、学びの場に戻りたいという段階があるということが指摘されているところでございます。それぞれの段階で学校や教育センターが家庭が孤立しないように働きかけを行っているところでございます。これらの働きかけにおいて、不登校はだれにでも起こりうるもので問題行動ではないこと、また児童、生徒の状況によっては休養が必要であることについて、お伝えしているところでございます。今後は不登校の児童生徒の面談等によりまして、伝えるべきことを整理し、校長会、生活主任会などを通して、周知に努める他、教員研修などを通し、確実にその内容が共有されるように配慮してまいります。

 
その意味でも「適応指導教室」という名称には「学校に適応できていないから指導する」という問題行動という印象を受けます。法のいうところの「不登校は問題行動ではない」という認識に立てば、マイナスイメージの適応指導教室という名称は替えるなり、何か配慮が必要だと考えます。ぜひご検討ください。

教育機会確保法には「学校以外の場における学習活動等を行う不登校児童生徒に対する支援」という文言がありますが、適応指導教室は4年生以上に設定されています。
 

お聞きします。
【2】小学校1年生から3年生までの不登校児童の居場所はどのようにお考えですか。

小学校低学年の児童の不登校はそれまでの幼稚園や保育園との環境の違いに戸惑い、登校をためらうことがきっかけになっている場合が多くございます。登校をためらう児童には保護者が送迎や登校後しばらくの時間、付き添っていただくこと等により徐々に学校に慣れ、児童の多くは一人で登校できるようになってきています。このように登校をためらう初期段階での対応がひじょうに効果的であるため、平成30年度予算案には保護者が多忙な場合などを想定し、学校や地域で顔見知りの講師や支援員また児童委員などを登校支援員として迎えにいっていただく制度の予算を計上しております。しかしながら、様々な学校からの働きかけがあっても登校が困難な場合は、教育センターで遊びの中で心の回復を促すプレーセラピーを行ったり、子どもと年齢の近い若者を派遣して、日常的な会話や遊び、体を動かすことを通し、人とのつながりを支援するメンタルフレンド事業により、対応しております。今後は子どもの居場所事業や学習支援を行っている区内の団体との情報交換を行い、その情報の提供や紹介に努め、ひとり一人の子どもに合わせて丁寧に対応してまいります。

 
ぜひ地域資源の開発もお願いいたします。
東京都は2016年、教育支援センター・適応指導教室の支援、居場所作りの参考にと民間事業者との連携モデル事業を行いました。それによると、フリースペース作りと保護者を対象とした親の会を開催することに力点をおいてよい効果をあげています。保護者同士、それぞれの経験を共有する中で繋がりをつくり、学びあっていく中で、孤立感が軽減され、子どもへの理解も進み、家庭で過ごすときの子どもの気持ちも楽になったという効果が報告されています。多くの不登校児童生徒をもつ親は悩みと不安の中にいます。親を支えることが、子どもの成長を支えることにもつながります。

 

お聞きします。
【3】親の会の開催など、親へのアプローチは行っていますか。また今後、どのような保護者へのアプローチを考えていますか。

委員お話の通り、不登校状態が続く中では、児童生徒本人だけでなく、その保護者も大きな不安を抱えています。親が安心して子どもと関わり、学校に通えるようになるためには、親子関係についてのアセスメントを行うことも重要です。そのため学校における親子面談や教育センターの来所による面談などの機会をとおし、それぞれの子どもの状況の見立てと見通しを保護者といっしょに考え、親が安心して共に向き合えるよう助言しております。現在、発達障害の子どもの保護者を対象としてペアレントトレーニングを実施しております。これが好評であるため、今後は不登校の保護者同同士が子どもとの関わり方について学ぶプログラムの具体化に向けて検討しております。