認可保育園100園のうち、園庭のない保育園は77園! 子どもの遊び場の確保は重要課題

2018年7月6日 10時02分 | カテゴリー: 活動報告・日誌

大田区議会第2回定例会(2018年6月15日) 
子育て世帯を応援する公園の充実について

 

先日の大田区議会での一般質問の報告を以下にさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

議会質問中

 

都市化された中で、子どもが遊ぶ空間はどんどんなくなってきています。集合住宅では飛び跳ねることができない、大きな声はだせない、道路は危険、安全に自由に遊ぶことのできるところがないのですから、地域の中の公園の役割は区民共通の財産として重要性を増しているといえます。しながわ区民公園を考察するなかで大型公園の機能について質問いたします。

しながわ水族館の並びに細長く広がるしながわ区民公園は、この4月にオープンしたばかりですが、トランポリンをする子どもの数だけで毎日200人から300人。親子連れで賑わう人気の公園です。起伏に富み、緑豊かな自然あふれる公園です。年齢に応じたバラエティに富んだ遊具、乳幼児には短い滑り台や砂場があり、少し大きい子どもにはトランポリン、長い滑り台、ボルダリング、ターザンロープなど、また隣接した冒険遊び場では木登り、どろんこ、水遊び、木工工作場など様々な冒険遊びができ、プレーワーカーが見守っています。子どもの笑顔をスマホで撮っているパパたち。子どもを見守りながら体を休めることのできる木陰やベンチ。お昼時には、草地にシートを敷いてお弁当を食べる家族もあれば、テーブル付きのベンチで食事をする光景もそこかしこにあります。家族を応援する公園のあり方を考えさせられました。

 

 

 

 

 

 

 

冒険遊具

 

 

 

 

 

 

 

木登りできる木

 

 

 

 

 

 

 

しながわ区民公園の中の木陰とイス

 

ストレスフルな社会において、広々とした自然の中でゆったりすごすことでのストレス発散、子どもの笑顔に触れて子どもをいとしく思えること、親子双方の満足感は親子関係を良好にする要因ともなります。このように「一定の広さ」「魅力的な遊具」「自然の豊かさ」「木陰」「ベンチ」「遊びを見守るプレーワーカーの存在」そして「無料」であること、大規模公園にはこれらの要素が合わさってこそ、家族を応援できるのではないかと考えました。

大田区でも萩中公園は広々とした自然豊かな中に魅力的な遊具のある公園ですが、水遊びやどろんこ遊びができないことは残念です。海側には平和の森公園があり、フィールドアスレチックは子どもの冒険心を刺激する工夫に満ちたすばらしい遊具のある緑豊かな公園ですが、残念なのは有料であり、中で食事ができないことと幼児が入れないので年の違う兄弟のいる場合は家族で利用しにくい点です。

 

 

 

 

 

 

平和の森公園のフィールドアスレチック

 

 

 

 

 

 

有料(大人360円、子ども100円)、食事禁止、幼児の入場禁止

 

お弁当を食べるところを求めて、ふるさとの浜辺の方向に行くと、海苔の博物館の前の丘陵には長い滑り台がありますが、日よけがないので、炎天下では、長く過ごすことができませんし、ベンチがないので、大人がゆったりと見守ることもできません。

 

 

 

 

 

 

 

大田区・ふるさとの浜辺公園の滑り台。木陰、ベンチがない

 

タイヤ公園も人気のスポットではありますが、やはり日影とベンチがないので、夏場、黒いタイヤが熱を吸収してかなり熱く、触ることすらできません。屋根と椅子やテーブルのある小さな小屋が隅にありますが、遊ぶ様子を近くでながめる場所ではないのです。

 

 

 

 

 

 

 

タイヤ公園・木陰、ベンチがない

 

【1】お聞きします。
貴重な大規模公園は、家族が安心して一日楽しめる設計にしていただきたいと考えます。少なくとも日陰やベンチがあり、食事もとれるように、そしてだれでも利用できるように無償にできませんか。都市基盤整備部だけではなく、子ども家庭部など子どもの成長発達・家族支援の観点からも部局間の協力体制をとる必要があると考えますがいかがですか。
コーディネートのあり方、政策化、事業化のあり方のお考えをお聞かせください。

さて、しながわ区民公園の遊具は平成20年に公募で集められた子どもたちでワークショップが開かれ、欲しい遊具や公園について、子どものアイデアを聞き、それを活用してそれ以降の公園づくりに反映させているということでした。たとえばとびはねられる遊具がほしいということからトランポリン、滑空をしたいという意見があったのでターザンロープ、虹色の滑り台がほしい、という意見があったので、それを採用しているとのことでした。

日本が批准して20年たつ「子どもの権利条約」では12条に「締結国は子どもに対して、その子どもに影響を与える全ての事柄について自由に自己の見解を表明する権利を保障する」とあります。子どもはただ単に保護される存在ではなく権利の主体として、社会に参加して能動的に生きる存在だといっているのです。ですから子どもの意志を尊重し、その発想や希望を反映した遊具を取り入れる必要があると考えます。

【2】お聞きします。
大田区は公園づくりに関して、子どもの意見、また子育て家族の意見を取り入れることをしませんか。意見を聴くとしたらどのような方法をとりますか。

一方、区内の公園において、地域の子どもたちが楽しく遊んでいた公園の遊具が突然撤去されて、親子ががっかりしたという話を聞きました。せめてなぜ撤去するのか張り紙をするとか、意見を聞くなど配慮をする必要があると考えます。

子どもは圧倒的にボール遊びが好きですが、区内には19しかボール遊びのできる公園がありません。ボール遊びのできる公園を増やす努力をしていただくと同時に、ただ単に「ボール遊び禁止」と掲示するのではなく、どこでならボール遊びができるのかも同時に示すことはできませんか。大きい子どもならそこまで出かけることもできるでしょう。また幼児のボール遊びまで禁止しているわけではないと聞いていますが、それなら、掲示には「幼児のボール遊びまで禁止するものではありません」と付け加えることはできませんか。

実際に幼児があそんでいるとそれを注意してくる人もあり、小さな子どもを持つ親が委縮してしまうのです。
今、孤立した子どもや親子のことも心配です。公園によっては見守りやプレーワーカーのいる公園運営を今後、考えていく必要があると考えます。中央5丁目公園で民間がプレーパークを開催している水曜日には120名を超す親子が集まってきていますが、冒険遊びができるのはもちろんですが、木工工作を教えてくれる元大工さん、コマ回しを教えてくれる人など、子どもたちを見守る優しい大人たちのいること、人のぬくもりに触れることができるのは魅力の一つではないでしょうか。

園庭のない保育園の遊び環境についての質問をいたします。

待機児対策に追われるなかで、駅前や住宅地に園庭のない保育園が増えました。認可保育園100園のうち、園庭の代わりの公園を指定している保育園は77園です。公園の広さには基準がないので、中には160㎡、205㎡しかない公園を代替園庭とする認可園があり、93名定員の保育園が160㎡の公園を代替園庭としていることもあります。1,2歳の乳幼児ならともかく運動能力が伸びてきている4,5歳の子どもたちには全速力で走るには狭すぎます。また一つの公園を2つの保育園が使うことはめずらしくなく、多くて8つの園が一緒のところもあります。園庭のある認可園に園庭を持たない小規模園が遊びにくるため、認可園の子どもたちが十分に遊べなかったり、保育園、幼稚園にまだ行っていない子どもが公園に行くと保育園の子どもに占領されている、という状況も聞いています。

保育所保育指針では3歳以上の保育に関するねらい及び内容として、「自然の中でのびのびと体を動かして遊ぶことにより、体の諸機能の発達を促されることに留意し、子どもの興味や関心が戸外に向くようにすること」とあります。特に4,5歳においては、身体機能が高まり、全力で走り、跳躍やボール遊びなど体全体を協応させた複雑な運動、体を動かして夢中になって遊ぶ充実感、生活や遊びを通した総合的な保育が想定されます。
ある保育者が相談に見えました。年長の子どもたちなのに、一度もドッチボールもサッカーもさせてあげたことがない、跳び箱も長縄もしたことがない。それで小学校に行かせてしまうことにとても罪悪感を感じる。子どもの発達に影響するのではないかと。運動は体作りのみならず、脳の発達にも集中力など情緒面にも影響のあることはすでに研究されているところです。その保育者は園長にどこかの体育館を借りて、たっぷり体を使って遊ばせてあげたいというと「そんな予算はない。」と言われたそうです。ただ安全に預かっていればよいと考える経営者のもとで、子どもの発達を心配する保育者の苦悶を知りました。

スポーツ振興センターの報告によると小学生の骨折が平成19年は245件、平成29年には373件と増えています。跳び箱を飛ぼうとしてバンと手をついたとたんに手首を骨折した子どものことを聞いたことがあります。衝撃に弱いのは飛び降りたり、ボールを投げたり、受け止めたり、木登りや雲梯などグリップを効かせる体験がないせいでしょうか。

【3】大田区はスポーツ健康都市と言いながら、一番体を作る時期の幼児期に体を十分動かすことのできない環境があることをどう考えるでしょう。保育園の子どもたちの外遊びができているかどうか実態調査、ニーズ調査はできませんか。

また積極的に土地を募集して、一定期間の貸し付けで固定資産税・都市計画税の減免をつけて、活用されていない老朽空き家付きなら除去費補助も付け、使える家であれば園庭のある小規模保育園や保育ママの家、あるいは公園にするなどして子どもたちが遊ぶことのできる環境をできるだけ確保していくことはできないでしょうか。

また地域で、小さな公園のネットワーク作りはできませんか。区内にはほとんど活用されていないような小さな公園が点在しています。たとえば、幼児にとっては砂場遊びは自分で山を作ったり、壊したり川を作ったり、能動的に生きる基礎になる遊びでもあります。小さな公園であってもここは幼児向けの砂遊びのできる公園、どろんこ遊びのできる公園、水遊びのできる公園、三輪車に乗れる公園と小さくても特色を持たせた公園作りはできませんか。

園庭も屋上ももちろんプールもないばかりか遊戯室やホールのない保育園もあるので、運動のできる環境確保は急務であり、公園のあり方は「保育の質」に直結するのです。遊びや遊具はどうあるべきか、運動能力だけでなく、達成感や自信を育む体験、冒険心や挑戦する心を育む遊び環境はどうあるべきか、研究すべきです。遊びの中で育くまれる意欲や好奇心は学習に向かう力にも通じます。

おおた子どもの生活プランには「子どもたちの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、地域力を活かし必要な環境整備と教育の機会均等を図り、子どもたちが自分の可能性を信じて未来を切り開く力を身に着けることをめざします」とあります。

最後に経済格差の影響に言及します。経済格差は子どもの体力格差には影響しないでしょうか。豊かな家庭の子どもは水泳教室、サッカー教室など各種スポーツクラブで体力を増進させ、余裕のない家庭の子どもは体を動かす機会が少なくなるとはいえないでしょうか。

貧困と社会的孤立が密接な関係にあると指摘している阿部彩さんは、親の孤立は児童虐待などを引き起こすリスクをはらんでいるだけではなく、親が子育てに関する情報を収集したり、子どもが同年代の子どもと遊ぶ機会を少なくすると述べています。

全ての施策は福祉的な視点からも見ていくこと、そして子どもに関しては最善の利益が優先されることが求められます。

ぜひ今日的な課題を解決するためにも、公園のあり方を様々な角度から検討し、大田の宝である子どもがのびのびと成長し、子育てしやすく、住みやすい大田区をめざしていただきたいと思います。

 

答弁

(都市基盤整備部長・久保輝幸)
家庭 が安心して楽しめる公園にしていただきたいとのご質問ですが、今までも「大森ふるさとの浜辺公園」や「佐伯山緑地」の整備の際に、利用者や近隣の皆様の意見を参考に計画を進め、安心して楽しく利用していただけるよう、日陰やベンチ、食事スペースや子どもたちが喜ぶ遊具などの整備を行ってまいりました。
また、施設の無償化につきましては、有料施設の形態や受益者負担の視点で判断すべきものと考えております。
今後も区民に愛され、皆様が安心して楽しめる公園をめざしてまいります。

こども家庭部など他部局間の協力体制をとった公園のコーディネートや事業化のあり方についてのご質問ですが、これまでも、蒲田1丁目公園等で実施した「子育て支援遊び場整備」では、公園利用者や近隣保育園などへのアンケートを実施し、乳幼児や子育て世代の視点に立った整備を進めております。
また健康遊具の設置に際しては、利用者の皆様が安心して楽しめる公園を目指し、関係部局との連携も図りながら、取り組んでまいります。

公園づくりにこどもや子育て家族の意見をきくべきとのご意見ですが、公園は、子どもの遊び場や高齢者等の憩いの場、地域活動の場など、地域住民の身近な場所であることから、地域の声を聴きながら、整備を進める必要があると考えております。

これまでも、「田園調布せせらぎ公園」や「荻中公園」などにおいて、計画段階から子どもたちの意見を取り入れて整備を行ってまいりました。
特に「萩中公園」内の「ガラクタ公園」再整備では、近隣住民に加えて小学校や保育園、幼稚園、約1,600名に対してアンケート調査を実施し、設備遊具の選定を行っております。
今後とも、地域に根ざし、愛される公園となるよう説明会やアンケート等で地域の皆様の声を的確に把握し、公園づくりに活かしてまいります。

「ボール遊び禁止」の掲示についてのご質問ですが、公園の近隣にお住いの方への迷惑や他の公園利用者へ危険を及ぼす行為として、球技を禁止しており、各公園の状況に応じて,注意看板を設置してございます。
引き続き、各公園所在している地域の実情を加味しながら対応するとともに、議員お話の「幼児のボール遊び」などについても、表記の仕方について工夫・研究してまいります。

小さな公園のネットワークづくりについてのご質問ですが、小さな公園のあり方については、平成28年度に区内18か所のモデル地区を設置し、164か所の小規模公園の利用実態調査を実施しました。
この調査に基づき昨年度は、小規模公園における整備の方向性について検討いたしました。
暮らしに身近な小規模公園は、子どもの遊び場だけでなく、高齢者の憩いの場や地域の皆様の活動の場にもなっています。
また、多くの皆様にご利用していただくために、時代の変化や区民の新たなニーズに対応した検討も進める必要があります。
引き続き、区民要望を的確にとらえ、地域の特徴を活かした公園整備を進めるとともに、同じ地域に点在する小さな公園の連携や小規模公園の魅力を伝える公園情報のネットワーク化も図り、多くの皆様に愛され、利用される公園づくりをめざしてまいります。
 
 
(こども家庭部長・水井靖)
保育園の子どもたちの外遊びに関する調査についてのご質問にお答えいたします。
乳幼児の児童にとって、伸び伸びと体を動かして遊ぶことは、体を動かす楽しさを知ると共に体の諸機能の発達を促すうえで大変重要なものでございます。
区は、昨年度、私立保育施設に対し、運動会の会場に関するアンケート調査を実施し、会場の確保に苦労している保育園に対して、区立、学校の校庭や公園、屋内体育施設の利用を推進してきたところです。
今年度は、保育の質の向上のため、保育園長を対象に外遊びのアンケート調査を行い、今後の参考とする予定でございます。

空き家等を活用した子どもが体を動かせる環境整備についての質問ですが、区では、平成28年度から一定の基準を満たす私立保育園が他の保育所に園庭を開放した場合に補助を行う園庭開放事業費補助を、民間保育所に対する運営費補助金のメニューに加え、園庭を十分に確保できない保育所の子どもたちが伸び伸びと遊べる環境の確保に取り組んでいます。
議員のお話にある、空き家の活用については、保育所の近隣に確保できるか、子どもの外遊びに適した面積が確保できるか、また隣接する住民の方々のご理解を得られるか、など様々な課題がございます。区といたしましては、まずは園庭開放事業や区施設の活用を進めることで改善をめざしてまいります。