フリースクール「東京シューレ大田校」訪問記 「不登校は誰にでも起こり得る」

「学校に行かないのは悪いことではない。不登校はだれにでも起こりうること」「休息は必要」

2016年に文科省が出した通達です。同じ2016年には「全ての子どもは学ぶ権利がある」という主眼の「教育機会確保法」も成立しています。

 

多様な学びの場があるべき。学校でないところで育ち、社会で自立して生きている人も実際たくさんいます!

 

東京シューレ大田校訪問記

8月8日、東京シューレ大田校を訪問し、代表の奥山圭子さんからお話を伺いました。東京シューレは1985年から、不登校の子どもたちの居場所として開設され、今は4つのフリースクールと東京シューレ葛飾中学校(特区を活用した教育過程特例校)、シューレ大学、とホームシューレ(家庭での学びを支える)に拡大しています。

 

 

 

 

 

 

 

お話を聞かせていただいているところ

 

1994年~2008年の14年間は大田区仲六郷にある古民家でフリースクールを運営していましたが、その後、移転。この4月にまた同じ仲六郷に戻り、今度は1,2階が保育園、3階と屋上が東京シューレの活動場所として新校舎を建設、新たにオープンしました。明るく優しい木目調の部屋はゆったりとして解放感があり、一面に絵が描ける壁を設置している部屋もあります。屋上とベランダがあるので、空をながめたり、近隣とのつながりも感じることができます。

 

 

 

 

 

 

 

屋上

 

東京シューレでは、なにより子ども自身の意欲や意志を尊重しています。音楽、スポーツ、料理、旅行など、自分のやりたいこと知りたいことを探求することが一人一人の生き方を創っていくことになり、それを応援することが教育のめざすところであるという考え方です。そういう中で、ログハウスを作ったこともあるし、オーロラを見に行ったこともあります。オーロラを見に行ったことで地球環境に興味を持ち、獣医になり、現在は水族館のペンギン係を勤めている人もいるそうです。

ここ大田校では、お化け屋敷を作って、保育園児をお招きしたこともあるし、ガーディンパーティーで鉄道好きな子どもが作った、またいで乗れる機関車を走らせたりもしました。

ある人が「今は、便利な世の中だけど、息苦しい社会だ」と表現していました。
13万人を超えるといわれる不登校児童生徒。抱えている息苦しさから解放されて、一人一人のその人らしい歩みが発揮されることを願います。かくいう私も小学校時代、不登校を経験しました。

“学校に行かない悪い子”というレッテルを子ども自身、親自身が付けてしまいがちですが、決してそうではないこと、「学校復帰」以外の道を模索できることを、もっともっと広めていく必要があります。もちろん社会全体にそのような意識をもってもらうことが重要です。夏休み明けの自殺をなんとかくいとめたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

東京シューレ大田校の前で