「ユニバーサルのまちづくりについて」大田区議会予算特別委員会 報告-2

2019年大田区議会定例会に続いての予算特別委員会。私にとっては初めての車いすでの参加。幸い、車いすは議場の席にちゃんとおさまりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

区役所のバリアフリー度が実感できます。車いすを使うようになってから気づかされた道路の形状に関して質問をいたしました。

 

ユニバーサルのまちづくりについて

さて、今年になって、車いすを使用するようになり、あらためて気がつかされたこと、ユニバーサルデザインのまちづくりに関して、質問いたします。

大田区は障害者団体とも連携をしてバリアフリーには力を入れていると聞いてはおりますが、来年は東京オリンピック・パラリンピック。日本は「おもてなし」という言葉を用いていますが、果たしてパラリンピックの選手団や応援団が大田区を訪れたときに、「おもてなし」を受けたと感じられるような快適な移動ができるでしょうか。もちろんそうでなくても区民の日常的な生活を考える時に、老老介護で必死に連れ合いの車いすを押している人も、やっと歩ける足で手押し車を押している人もいます。もちろんベビーカーを押している人にとっても移動しやすい、安全、安心な道路であるかどうか、基盤整備は大変重要で、常に点検が必要です。

資料の写真をご覧ください。まず歩道の傾斜について考えたいと思います。資料1の写真は国道1号線、池上警察署の交差点のところですが、横断歩道から見た歩道の傾斜です。写真の2番は同じ場所ですが、歩道に立って見たところです。国道に向かって急こう配になっているので、車いすでここを通ると体が斜めになり、車輪が低い方、国道の方に向いてしまうので、国道に飛び出してしまう恐怖感にさらされます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3,4の西馬込の駅前も同じように急こう配です。国土交通省に歩道の勾配についての基準を聞いたところ、横断勾配は1~2%を限度とするとのことでしたが、測ったところ、8%を超えていました。連絡をしたところ、「東京国道事務所」から見に来てくれることになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q1:お聞きします。国道ですから国の管轄であり、くらしのガイドには国土交通省の電話番号も紹介されてはいますが、今回のようにそもそも基準が守られていない、つまりは部分的な問題だけではない、歩道全体の安全性に問題がある場合があるわけです。区民の声から、構造的な問題を発見するようなこともあるでしょう。ぜひ区民の声をていねいに拾って、場合によっては根本的な解決に向かうように調査を含めた国への働きかけをしていただきたいと思いますがいかがですか。

A1:国道1号線、通称第二京浜国道は国が整備、管理する道路になります。歩道の勾配の改善などについては、機会を捉えながら国に対策を求めるとともに、特に安全性に課題がある個所につきましては、すみやかに国道事務所へ報告し、安全で快適な歩行者空間の確保がなされるように努めてまいります。

基準というものは意味があって、定められているものですから、守られていないことは問題です。ぜひ、区内でも同じようなことがないか、調べるきっかけにしていただきたいと思います。写真5をご覧ください。歩道の傾斜は区道にもあります。なんの気なしにこの歩道を歩いていると急こう配で道路側に体が傾き、歩行者にとっても転びそうで危ないと付近の住民からの連絡を受けました。私は車いすで通ってみましたが、まったくコントルールがとれず、車道に転がり落ちるような傾斜でとても怖い思いをしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

Q2:大田区は歩道の勾配をどのように考えていますか。

A2:区は、歩道の整備につきましては、「大田区特別区道の構造等に関する条例施行規則」に基づき、設計・施行を行っております。条例の歩道の基準においても、縦断勾配5%、横断勾配1~2%となっております。歩道に隣接される建物や駐車場等の立地条件も鑑みて、勾配については最大限の調整を行い、整備を行っております。

6から10まではやはり歩道ですが、ぼこぼこ、くずれ、亀裂、歩道の中の段差、歩道の真ん中に電柱など、通りにくいだけではなく、車輪がはまったり、コントロールを失って倒れたりすると危険なので、できる限り早い整備をお願いしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10番はブロックの敷き詰められた歩道ですが、車いすにはがたがたして走りにくいのと時々浮きあがったり、ブロックとブロックの継ぎ目が広がったりしていると危険です。ブロックやタイルより平坦なカラー舗装の方が車いすには好ましいのですが、ユニバーサルデザインの観点でぜひ研究をしていただきたいと思います。

11と12の写真をご覧ください。これまで最も怖いと感じたのは大森の山谷踏切です。JRの東海道線と京浜東北線が乗り入れているので通過する電車が多く、線路の数が多いので幅は広く、しかし踏切の開いている間隔は短い踏切です。踏切は車いすの車輪がレールにはさまりやすく、大事故にもつながりかねません。車いすやベビーカーが動けなくなって、怖かったという話はよく聞きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q3:お聞きします。車いすに関わらず、歩くのがゆっくりの障害者や高齢者、杖や手押し車の高齢者、ベビーカーにとっても危険な踏切は改善が必要だと考えますが計画はありますか。

A3:JRの山谷踏切に限らず、要綱により踏切道は鉄道側が管理するものとし、その費用も鉄道側の負担となっています。区としてはこれまでも、踏切道の舗装の損傷など、安全な通行に支障がある場合には鉄道事業者に報告し、改善を求めてきたところです。今後も踏切の安全な通行が確保されるよう、注視してまいります。

ぜひ鉄道事業者といっしょになって、改善策を考えていってほしいと思います。
これは自戒を込めてのお願いですが、当事者になってみないとなかなかわからないことがあります。ぜひ都市基盤や土木の方には車いすにのっていただいて、道の形状が障害者にどのような影響を及ぼすかを実感していただきたいのですが、いかがですか。