児童虐待に思う、「人権」を尊重する社会へ 「チルドレンファースト」へ 政治はシフトを! 

2019年4月1日 08時53分 | カテゴリー: 子育て支援, 政治, 教育, 都市環境・子ども

いつも考えるのはどうしたら児童虐待をなくせるだろうか、ということ。
警察との連携強化など対処療法ではなく、今の日本の構造的な問題を突き止めたいと思う。

 

学校は子どもの声を聴く感受性を持っているか?

野田市の小4の女の子がSOSを出していたにも関わらず、救えなかった。
学校現場の教師はアンケートに書かれた文章を読んでいたのに、なぜ何もできなかったのか。子どもの命と心が破壊されていっていることへの感受性は?

だれかがいった「学校の先生は忙しすぎて、余裕がないのよ」。本当だろうか。私は自分が幼稚園教諭だった経験から教師にとって、一番大事な資質は「感受性」だと思う。今、この子どもが何を感じているのか、この子どもの成長発達のために自分に何ができるのかを追求するのが教師だと思うのだ。真っ先に担任教師が、“この子どもの窮地を救わなくては”と思わなかったのだろうか。それともそう思っても、何もできない構造的な問題が学校にあるのだろうか。心を痛めているだろう担任教師を責めているわけではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

幼稚園教諭をしていた頃の写真。
子どもたちと土と砂でケーキやプリンを作っているところ

 

もし子どもの心の声を聴くことができないのが今の学校であるならば、学校の在り方を見直すべきだ。他の先進国のように20人くらいの少人数学級にして、教師主導ではなく、対話型、話し合い中心でお互いの交流の中で、子どもの意欲を育む授業をすれば、アンケートをとるまでもなく、子どもの変化に気が付くはずだ。学力よりも何よりも子どもの命や心を大事にする学校であってほしい。
日本は教育への予算が少なすぎるのではないだろうか。

 

当時はギターで伴奏をしていました

 

 

貧困が虐待など社会的リスクを大きくしていないか

以前、児童相談所に話を聞きに行ったことがある。虐待の原因は何でしょう、と所長さんに聞いてみると、「生活の厳しさがあるでしょうね。狭い家に家族がひしめき合って暮らしている、そんな余裕のなさや保育園に入れなかったなど、さまざまな生活の困難さやストレスがあると思う」と。これは、何かきちんとデータがあるわけではなく、印象かもしれないが、ただ多くの事例を見る中での印象は参考になるのではないだろうか。

確かにリーマンショック以降、不安定雇用の非正規雇用が増え、1997年比でサラリーマンの可処分所得が平均で50万円も減っているという。社会保険料も税金も上がり続け、貧困率が上昇。しかし生活保護の補足率は2割といわれ、保護費の削減、児童養育加算や母子加算も減額とやせほそる社会保障。認可保育園に入りやすいのはポイントの高い、フルタイムで働いている正規雇用者。貯蓄もできない、結婚もできない、結婚しても生活ギリギリで、シングルになればその半分が貧困ライン。持てる者と持てないものとの格差は増大、教育格差にもつながる。

社会保障を充実させた北欧・カナダはアルコール中毒・うつ・慢性ストレスが下がり、社会保障を削減したギリシア・イタリア・スペインは心疾患が増えたという。社会的不安は国民生活への影響が大きい。

だれであっても安心して子どもを産み、育てることのできる社会保障は近代国家の根幹にかかわるのではないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「人を大事にしない」「人権が尊重されない」政治の責任は大きい

学校や教育の在り方も非正規雇用を増大させた企業優先の「新自由主義」も根っこは同じではないか。目に見える経済利益だけを追求する社会は、結果がすぐに見えない教育費にお金をかけたくない。
北欧のように教師一人に対して20人よりは、40人に一人の教師の方が安上がりだ。そこでは個性を尊重する、主体的なその子らしい発想を大切にする教育方法をとることは難しい。軍隊式に教師のいうことを静かに聞く生徒、従順な生徒をよしとせざるを得ない。結果、自分を発揮できない子どもにも教師にもストレスがかかる。

一方、労働環境も同じ。企業にとって、都合のよい働き方をさせる。長時間労働だったり、1年ごとの契約だったり。いかに安く効率的に人を働かせるかを考える。

パワハラ、セクハラ、マタハラ、障がい者差別、ヘイトスピーチ、外国人労働者への過酷な労働環境、仮想敵を作っての軍備増強、つまりは自国優位主義。沖縄への横暴、福島への無慈悲、このような権力構造や差別意識は、国会はじめ、いたるところに見られる。この平等感・人権意識の欠如も児童虐待やいじめの増加に地続きのように思える。

 

方向転換するべき、日本の政治

日本の求める“豊かさ”はどこにあるのか。
ストレスの蔓延した社会は、社会的リスクを高める。中でももっとも大きい犠牲者は子どもである。10代前半の死因、自殺最多という現実もこのままとどまることがないのだろうか。

教育の質の向上と児童福祉を含めた社会保障の充実、「人を大切にする」視点から労働環境を見直し、家庭の中の「不安」や「ストレス」、「緊張状態」をできる限り取り除き、ゆとりのある社会をつくるべきではないか。

育児休業を男女ともに取りやすい労働環境や子どものいる家庭は家族が共にすごす時間を確保できるようにするなど、子どもの育つ権利に留意した労働環境を考えるべきではないか。

自国の子どもが飢餓にあえいでいるのに、武器を爆買いしている場合ではない。「チルドレンファースト」を掲げてこそ、日本の未来が創られる。現政権とそれを支える政党には退場願い、「人を大事にする政治、人権を重んじる政治」へとシフトすべきだ。