住まいと暮らしの一体的支援  「一般社団法人 全国居住支援法人協議会」が設立!

2019年7月3日 19時52分 | カテゴリー: 市民活動, 貧困, 都市環境, 障害者福祉, 高齢者福祉

6月29日に「一般社団法人 全国居住支援法人協議会」が設立し、明治大学リバティタワーにて記念シンポジウムが開催されました。 代表呼びかけ人が村木厚子さん(元厚生労働事務次官)、不動産会社社長の三好修さん、NPO法人抱僕理事長、生活困窮者全国ネットワーク共同代表の奥田知志さん、また特筆すべきはこれに先立ち、国土交通省と厚生労働省とで設置された「福祉・住宅行政の連携強化のための連絡協議会」、これまでにない連携から新しい「福祉」の形が生まれる予感に期待が膨らみます。
住宅セーフティネット法が制定されてもなお居住支援が進んでいない現状があるからです。

 

 

 

 

 

 

村木厚子さん(元厚生労働事務次官)

 

大田区でも10月に居住支援協議会が立ち上がる予定で今、準備がなされています。住宅確保要配慮者(低額所得者、高齢者、障がい者など)にとって、民間賃貸住宅を借りやすくなるには、連帯保証人や緊急時の連絡先の確保や見守り支援など、中間支援が必要であり、住宅(ハード)と支援(ソフト)をどう包括的支援としてシステム化するかが注目されるところです。知恵を集めて、人権である「住まい」をだれでも得られるようにしなければなりません。

 

高齢化の現状(全国)

単身高齢者は2015年、590万人、2030年になると796万人、15年間で1.4倍の増加です。
85歳以上人口は2015年494万人、2030年は831万人と15年間で1.7倍。
一方、2018年度住宅・土地統計調査では空き家846万戸で、空き家率は13.6パーセントで過去最高。居住施策の重要性がわかります。

 

みんなで考える居住支援

シンポジウムでは居住支援のめざすものが語られ、居住支援団体の活動報告があり、それぞれの地域や団体の創意にあふれた取り組みには大いに学ばされました。
・「やどかりの居住支援」(NPO法人やどかりサポート)
・「居住支援ビジネスの可能性」(ホームネット株式会社)
・「住宅仲介業務等における居住支援」(株式会社あんど)
・「生活協同組合にとっての居住支援」(一般社団法人くらしサポート・ウィズ)

 

 

 

 

 

 

 

シンポジウム

 

 

 

 

 

 

 

85年前、関東大震災後の復興住宅事業(同潤会)
“福祉と住居”が一体的に考えられた。
住居の1階は店舗、働く場所も保育園も子どもの遊ぶ場所も包括していた

 
 
さらに白川泰之さん(日本大学文理学部社会福祉学科教授)が現状の居住支援活動団体の活動を俯瞰し、課題を整理したうえで示された「今後の活動に向けての3つの視点」が非常に示唆に富んでいましたので、以下に記します。

 

「居住支援団体と自治体の居住支援の施策化の現状」より

「居住支援法人の今後の活動に向けての3つの視点」

1、本人目線で「時間軸」を連続させる
本人にとっては、相談をして情報提供を受け、入居してもその後の生活がある。生活相談や支援などを本人目線でとらえること

2、 居住支援は「予防」でもある
住居喪失や家庭内の不和など複合的な事情を持ちながら住居を求めている。居住支援が入居前後を通じた生活支援・課題解決になれば、経済的破綻(生活保護等)、日常生活の破綻(心身の状態の悪化等)の予防になる。

3、 福祉と住宅の「ハブ」をめざして
福祉の「縦割り」と「住宅へのアプローチの弱さ」を補う
児童養護施設退所児童の居住確保、ひとり親家庭福祉、障害者の地域移行・定着支援、高齢者福祉、生活保護・生活困窮者福祉、DV被害者支援等。

行政の縦割りをマイナスとは見ないで、「専門性」という福祉の「縦割りの良さ」は活かす、としています。


元厚生労働事務次官の村木さんが、「私たちの弱いところは自分と違う人とつながること」だと言われていました。行政・不動産事業者・NPOが同じ目標を持ち、同じテーブルにつくことはそう簡単なことではないでしょうが、「持続可能な社会作り」「共生社会」を創り出していくために実質的な協力体制が生まれるように大田・生活者ネットワークとしても引き続き大田区に働きかけていこうと思います。