地域にひらかれた保育園をめざして―特定非営利法人 ピッピ・親子サポートネット 訪問記・その2

2019年7月4日 15時21分 | カテゴリー: 子育て支援, 都市環境・子ども

子どもの育つ権利が保障され、喜びを持って子育てを楽しめるコミュニティ作り
ピッピ保育園(横浜市認可)

 

横浜市青葉区にある認可保育園「ピッピ保育園」を見学させていただきました。
大田区においては、保育園建設に地域の反対運動が起こることもあり、子どもと地域との分断や世代間の交流の不足が課題となっています。地域に保育園が溶け込み、地域全体で子どもの育ちを応援する、そんな「地域づくり」をめざしたいところです。ピッピ保育園は、まち全体を子どもの育ちの場所と捉えた「まち保育」を実践していると聞いて、関心を持ちました。

 

 

 

 

 

 

 

入口

 

 

 

 

 

 

 

掲示板

 

 

 

 

 

 

 

説明を聞いているところ

 

ひとつの家族のように、たすけ合い、育ち合う

「ひとつの家族のように、たすけ合い、育ち合う」を理念に、2005年に横浜市青葉区に開所した。定員は通常保育の定員は30名、一時保育の定員は15名。小さい子どもも大きい子どもも混じり合って育ちあう、家庭的な保育を行う。子どもの自主性・主体性、「遊び」を大事にしている。晴れた日はお散歩や公園遊びに行き、自然との触れあいを大事にしている。毎日、汗びっしょりになって帰り、シャワーを浴びる。
杉板の床は温かみがあり、肌触りがよい。子どもたちは一年中、裸足ですごす。
保育室の中にある木の柱に登ったり、外にも登れる大きな特注の板があり、子どもたちの冒険心や挑戦する心を大事にしている。
食材は安全性に配慮した生活クラブ生協のものを使用。献立は和食の一汁一菜で、天然だしから丁寧に作る。旬の野菜をたっぷり使い、酢の物なども献立にいれるなど、食育を大事に考えている。
一時保育の方で休日保育を実施。園開放や相談日を設けるなど地域に開かれた保育を心がけている。

 

 

 

 

 

 

 

保育室の柱に登る子ども

 

 

 

 

 

 

 

子どもが登れる特注の板が設置されている庭

 

 

まち保育

地域との交流をめざす、「まち保育
横浜市立大学准教授の三輪律江さんの研究「まち保育」の実践を行う。毎日のお散歩で、キッズ・カメラマンが写真を取りながらお散歩をするなど、子ども目線で子どもは何を見ているのか、大人も学ぶ。「きれいな花を楽しませてくれてありがとう」お散歩コースでいつもながめる花壇のある家に、子どもたちからのメッセージをカードにして届ける。地域社会で子どもが生きていく土壌づくり。街に知り合いが増えることは安心して暮らしていける鍵と捉える。

 

報告は以上です。


 

保育園の名前の由来は、リンドグレーンの「長くつ下のピッピ」から。ピッピは冒険好きで、自立心の強い、世界一強い女の子。柱に次々によじ登っている子どもたちと、それを楽しげに見ている保育者たちの様子を見て、なるほど「ピッピ保育園」だなと思いました。「危ないことはやらせない」となりがちな大規模な保育園にピッピ保育園は小さな規模の保育園だからこそ、保育者が寄り添って子どもの冒険心をそっと見守る体制が取れるのだなと感じ、今後、家庭的な保育規模のよさをしっかり捉えていきたいと思いました。

また基本的な保育の在り方に加えて、「まち保育」の実践は、子どもたちの地域社会への信頼、安心感につながり、子どもたちの心を豊かに育むことにつながるにちがいないと感じます。今、分断と高齢化が進んだ地域社会にとって、子どもたちと地域との交流や「地域づくり」は大きな課題ですが、お散歩という日常から交流につなげるという「まち保育」は画期的であり、ぜひ、広めていきたい実践だと思いました。
 
 

 

 

 

 

理事長の友澤さんを囲んで