「いま話そう!子ども居場所会議」に参加してきました。
当日の内容は
主催している「子ども幸せ研究所 」が
2ヶ月に一度行っている「おしゃべりカフェ」に集う
子育て世代の思う「子どもの遊び場」
現在の小学生・中学生の居場所・遊び場に関する
意見の集約
38年前の調査との比較、
パネルディスカッションでの現役の中高生の生々しい発言
など大変面白く、考えさせられるシンポジウムでした。
報告の中で、いくつかのクイズがありました。
おわかりになるでしょうか。
大田区の公園はいくつあるでしょうか。
546(23区中最多)
その中で、ボール遊びのできる公園はいくつあるでしょう。
18
公園と公園の距離は、どのくらいでしょう。
330メートル
(これは、面積に対しての公園数という計算上ですが、
だいたい徒歩5分圏内に1つは公園がありそうです)
2007年の調査ですが、
ゲームを持っている中学生はどのくらいでしょう。
98パーセント
次に子どもたちへのアンケート調査の結果による、
「遊び場、居場所」に対する意見をご紹介しましょう。
小・中学生とも特に男子の遊び場への要望は、
「もっと広くて、体を思いっきり動かして遊べる公園がほしい」
というものが圧倒的に多く、特に多くの子どもたちは
ボール遊びができることを望んでいます。
そのほか、アスレチックなど迫力やスリルのある遊具がほしい、
木登りをしたり、昆虫をとれるような
自然に恵まれた場所がほしい、という意見もありました。
おもしろいのは、38年前の調査との比較です。
当時の小学生男子は、
公園、神社、寺、空き地、道路、六郷河原など、
屋外で走り回って遊んでいる子どもが80%以上です。
また同学年だけでなく、上下の学年など大人数で遊びました。
それにひきかえ、
現在の子どもは60%以上が屋内で遊んでいて、
同学年の子ども同士で少人数か一人で遊ぶことが多いのです。
それは、魅力的な遊び場がないせいなのか、
ゲームなど屋内の遊びに熱心になっているせいなのか、
リスク回避に熱心な大人のせいで、
自由に遊べなくなったせいなのか。
どのような理由があるのでしょうね。
現役の中学生の女子は、「街中の店が居場所」と答えるなど、
「暑さ、寒さをしのげて、座ることができて、
友達とおしゃべりできる居場所がほしい」という意見が
多くあったことも私にとっては新しい発見でした。
公園の問題は、小学生が遊んでいると中学生は遊びにくい、
その逆もしかりです。共生が難しいようです。
また中学生や高校生がたむろしていると、
それだけで、学校や警察に通報されてしまうことがあり、
中学生や高校生にとってはそれはとても「困る」
という意見がありました。
ただ、おしゃべりしているだけなのに・・・と。(確かに)
これについては、日ごろから顔のわかる関係を作ることや、
あいさつが大事ではないかと、
パネリストの高校生男子からの意見がありました!
とにかく、みんな「居場所について」、
「人との関係作り」についてなど、よく考え、
自分の意見をしっかり持っているのでした。
今の環境は、大人が大人の都合やあるいは、
よかれと思って作っていても、実は、子どもたちには、
「つまらなかったり、窮屈なものであるかもしれない」
ということをつくづく思わされました。
パネリストの一人の駒沢大学総合教育研究部准教授の
萩原先生の言葉が印象的でした。
「社会を作っているのは大人だけじゃない。
子どもも自己決定する力がある。
今まで、子どもを学校に押し込めすぎてきたのではないか。
環境作りにおいて、子どももいっしょに責任を負いながら、
子どもの参加を認めて、共同決定できる場が必要」
たくさんの子どもたちの意見を聞いて、
私もつくづくそう思いました。
子どもたちの意見をしっかり受け止めるために、
この貴重な報告書をまたじっくり読んでみようと思います。
そして、いつか本当に
「子どもと大人の会議」を開かなくちゃ、と思います。