憲法改正してだいじょうぶ?
7月14日「気まぐれ八百屋だんだん」で行われた「ティーサロン憲法」。 若い人たちが中心に10人ほど集まりました。
弁護士の武井由起子さんが、紙芝居を用いて、とてもわかりやすく憲法について、また自民党の憲法改正案について、説明してくださいました。
法律というと難しいというイメージがありますが、“人間らしく生きる”ことや“民主主義”は“憲法”によって、保障されていて、これによって、日々の暮らしが守られていることを確認できて、改めて憲法のありがたみをかみしめたひとときでした。
紙芝居を作ったのは、 「明日の自由を守る若手弁護士の会」
紙芝居の動画はこちらで見ることができます。 王様をしばる法 ~憲法のはじまり~
この日の学びを、かいつまんで、ご紹介します。
◆憲法の最大の特徴=立憲主義
立憲主義とは、私たちに関係する法律は私たちの代表である国会がつくるということ。これは、私たちが自由や平等でいられるように(人権の保障)、権力者の権力を制限するためです。 国民が自分の意思に反して、戦争に駆り立てられるようなことがないように・・・ですね。
◆日本の憲法の大原則
【1】国民主権 【2】基本的人権の尊重 【3】平和主義
基本的人権を支えるために「国民主権」「平和主義」がある、つまり基本的人権が憲法の中核だということです。
では現行憲法と自民党の改正案の比較からその問題点を探ります。
そもそも、権力を縛るための憲法だったはず?
守るべきは、権力側のはずなのに、「国民は」へと逆転しています。しかも「天皇」が除かれているのはどうしてでしょう。(確か、第2次世界大戦は、開始も終結も天皇の宣言で始まりました。ということは・・・)
戦争のできる国になるの?!
改正案では「自衛のための戦争ならできるという」ということになっていますが、実は、戦争というものはほとんど、“自衛のため”という口実で開始されるのです。資源の確保についても、規定しています。
もう一つの大きな問題点は、
現行憲法の97条がまるごと削除されていることです。
この“基本的人権は永久の権利である”と高らかに宣言している条文がなくなってしまうなんて!?
そして憲法改正の手続きが簡単になってしまうことに!?
現行憲法では、96条において、両議院の総議員の3分の2以上の賛成と、国民投票の過半数の賛成が、憲法改正の要件となっていますが、改正案では、両議院の総議員の過半数の賛成としています。つまり憲法改正をやりやすいルールに変えてしまおうというのが、自民党の改正案なのです。
しかもこの国民投票は、有効投票数などの要件がなく、ただ“過半数”となっているので、投票率が少なくても(つまり少数の意見でも)過半数でさえあれば、通ってしまう危うさがあるのです。政権が変わるたびに憲法が変わる、そんな国になってしまってよいのでしょうか。
これだけを見ても、自民党の憲法改正案は、現行の憲法とは、その精神や方向性が全く異なったものになっています。日本にとって、国民生活にとって、また国際社会での日本の立場においても大きな影響を及ぼすと思われる、憲法改正です。
私たちは、真剣にこの問題を抑えつつ、国政選挙に臨みたいと思います。