行政の行う事務をチェックするための「包括外部監査」を休止するとは! 

大田区議会第1回定例会のご報告です。
大田区は、平成17年から包括外部監査を取り入れ、これまで、「補助金」「高齢者施設」「国民健康保険」「特別出張所」「委託契約」「資産管理」「負債」「人件費」「生活保護」「震災予防」などのテーマで、専門家の目で詳細な分析と検証を受けてきました。
改善のためにまだ継続中の案件もあります。客観的な目はとても大事なのに、それをなくそうとしている(休止する)この議案には、反対をいたしました。以下、反対討論の全文です。


第10号議案、包括外部監査契約に基づく監査に関する条例(一部改正)に反対の立場から討論いたします。

 外部監査制度は、外部の専門的な知識を有する者との契約に基づき監査を導入することにより、地方公共団体の監査機能の専門性・独立性を強化し、監督機能に対する住民の信頼を高めることを趣旨として、平成9年の地方自治法の改正により創設(平成10年10月1日施行)された制度で、その目的は、「住民の福祉の増進に努め、最小の経費で最大の効果を挙げる」ことと、「組織及び運営の合理化に努めるとともに、規模の適正化を図る」ことです。

外部監査は大きな会社にも義務付けがなされていますが、大田区のような、多岐にわたる、複雑な業務をこなしている団体には、外部からの目は欠かせないと思います。どんなに優秀な職員ばかりであっても、日々のルーティーンの中で、気が付かないことが、いつの間にか積み重なって大きな問題に発展することは、「消えた年金問題」がよい例です。大きな問題にはならなくても、業務の効率化のヒントは外部監査で相当いただけるのではないでしょうか。

担当の話では、効果はあったが、今後はそのノウハウを活かして内部で行うとのことでした。内部で、どのようにテーマを選び、検証していくのでしょうか。区民にとっては、この4月からの消費税増税の負担が大きく生活にのしかかってきます。行政側は、その増収分を区民の生活をより豊かにするために、業務の遂行をしていかなければなりません。包括外部監査の役割は、区政の公開性・透明性にも大きく貢献しながら、区民の生活にも直結しています。今回の外部監査を休止にするための改正は大変残念に思い、反対です。