ブラック企業を知る - 今野晴貴さんの講演会へ行ってきました
過重労働・違法労働などの問題があるいわゆるブラック企業についての講演会へ行ってきました。
今 野さんは、大学時代にNPOを立ち上げて、若年労働相談に関わってきている方です。「労働相談を労働相談で終わらせない」と精力的に調査・政策提言を続け ています。たくさんの実例から、ブラック企業の残酷性が紹介されましたが、本当にこれはなんとかしないと、日本の将来に大きな影響を及ぼす問題だと思いま した。
講演内容をかいつまんでご紹介します。
多くの若者が潰される、精神疾患・過労死・自殺 → 社会の損失
若者論「人間力がない」のイメージが先行していて、労務管理の問題とされていない
● 日本の労働環境の問題点
1.労働者を守る法律がない
非正規雇用・賃金格差・労働時間
2. 企業側の問題“景気動向”
3.利益優先
企業風土の変化
● ブラック企業の実態
長時間、低賃金、昇給なし、雇用保障なし(労務管理の問題)
3年で離職する人が3割、うち7割が自己退職(うつ病に)
若い人の変化、やる気がない等、自己責任ではすまされない問題
★戦略的・組織的な解雇のしかた
1.うつ病に追い込む:
いじめ、カウンセリングで今までを反省させて、無能な人間だと
叱責→人格破壊
2.使い捨て型:低賃金・長時間労働
基本給に80時間分の残業代を含みこませている。(固定残業制)
3.無秩序型:パワハラ、セクハラ
「替わりはいくらでもいる」と軽視
● ブラック企業の弊害
・うつ病の蔓延と医療費の増加(健康だった人が病気になる!)
・少子化と市場の縮小、税収の減少
(うつ病によって結婚、出産ができない)
・ブラック企業によってつぶされた人の面倒はだれがみる
(社会保障破綻・社会崩壊)
・日本に新しい産業を興す人がいなくなってしまう
● 対策
・当事者支援(相談・社会的な打ち出し)
・社会キャンペーン
学校でのキャリア教育、「見分け方」や労働法教育
医療との連携
(医者が労働災害に陥っている、として適切に取り扱えるように)
労働政策の提言
実態の証言(運動に当事者としてエンパワーする)
・就職してしまったら、自分を責めない。
がんばっても報われない職場があることを知る。
記録(勤務時間等)、証拠を残す。
早く専門家に相談する(ブラック企業弁護団など)。
・法整備
労働時間の上限規制を作るべき
最低賃金を引き上げる
講演の最後に、私が質問したことは、「諸外国での労働環境を守る法整備は?」。すると、ヨーロッパには「一日のうち、11時間は休養時間としなければならない」というルールがある、とのこと。みなさんは、十分な休養時間はとれているでしょうか。
とにかく日本の若者を守らなければ!!