超高齢化社会、介護インフラの仕組み作りに一刻も早く着手すべき! 大田区議会報告
第1回定例会と予算特別委員会が終了いたしました。
2,501億2184万7千円の大田区の一般会計予算と特別会計についてが審議されました。
私は10分という短い持ち時間でしたが、高齢福祉施策について質問いたしました。
介護保険制度の改定がある中で、どのように地域包括ケアシステムを構築していったらよいか、という視点から。
「少子高齢化」の問題は、今、最も真剣に考えなくてはならない問題だと思います。
以下、区議会の動画と質問内容全文です。
『介護保険制度改正に伴う、地域包括ケアシステムのあり方について』
先 日、大田区シルバー人材センター主催、大田区協賛で、区民プラザの大ホールで「きくち体操」についての無料講演会があり、参加してきました。足の指への刺 激、腹筋などを鍛えることでの体力、免疫力、また脳との連動が考えられており、痴呆を防止して健康寿命を延ばす体操ということで、今、大変注目されている 体操だということです。大ホールいっぱいで、外に100人以上並んだほどですが、帰りがけ大田区に対しての感謝の声が聞かれました。様々な体操がある中 で、シルバー人材センターが研究をして、健康区民を増やそうと、積極的に取り組んだ催しを評価いたしますし、今後も思い切った、継続的な元気高齢者応援施 策を打ち出していくことはとても大事だと思います。
さて、これからの高齢者支援においては、介護保険制度の安定的な維持を確保するとともに、認知症高齢者や独居・高齢者のみの世帯の増加、さらに在宅医療の増加が見込まれているため、地域包括ケアシステムの構築は急務です。
今 回の制度改正の特徴は「市民による市民の助け合い」を介護システムに入れることです。これまで介護・福祉が「点」しか見てこなかったとするとこれからは 「面」(地域社会)で介護環境をつくる重要な役目を果たすのが、「協議体」と「生活支援コーディネーター」です。医療機関や地域包括支援センターなどの専 門機関というフォーマルな機関とインフォーマルなボランティア団体やNPO、地縁組織が一堂に会し、地域としての介護をどのように有効に効率的に行うの か、議論する場が「協議体」であり、協議体と共に地域の連携を強めるのが、生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)です。ガイドラインでは、次の 役割を担うと規定しています。①地域に不足するサービスの創出、ボランティアの養成、元気な高齢者などが活躍する場の確保など、資源の開発 ②関係者間の 情報の共有、サービス提供主体者間の連携の体制作りなどの、ネットワーク構築、③地域のニーズとサービス提供主体の活動のマッチングなどです。
では、生活支援コーディネーターとは、どのような人が担い、どのように選ばれるのでしょう。
大田区はこの4月から、各地域包括支援センターに生活支援コーディネーターとして、職員を1名、増やすとしています。私は、住民主体のケアシステムを創るのであれば、住民側に軸足をおくコーディネーターの存在が必要だと考えます。
住民主体のサービス、高齢者の社会参加の促進や自立支援、認定に至らない高齢者の増加で、費用の効率化を図るのであれば、地域の資源を最大限に使うことが重要であり、そのためには、すでに地域福祉の一翼を担っているNPOや市民団体と連携をはかるべきだと思います。
ガイドラインの例によると、各地域に設置された協議体からコーディネーターを選出し、連携によって、生活支援の担い手の養成やサービスの開発をするとあり、コーディネーターの職種や配置場所については、一律に限定せず、地域の実情に合わせるとされています。
本来は地域包括支援センターには、地域の福祉資源のネットワーク作りに取り組む役割がありますが、しかし、その必要性はわかっていても実際は、なかなか実践できていないのが実情だと思います。
た とえば、2011年の全国社会福祉協議会の包括センター等対象の調査においても、ネットワークづくりが必要だと思う、98.7%と回答している一方で、 ネットワークづくりに対する「自信」については「あまりない」と「ない」と答えたのが8割以上、自信がない理由は、「連携の手順がわからない」 41.9%、関係機関の意識が希薄36.1%、地域住民の意識が希薄34.4%、他の業務が忙しい48.9%と、現状の地域包括支援センターがネットワー クづくりに着手できていない実態が伺われます。
このような現状で、また地域包括支援センターに一人職員を増やすだけで、ネットワークづくりができるでしょうか。
伺います。
生 活支援サービスの充実・地域資源を活かした課題解決のためには、協議体と生活支援コーディネーターの存在が大変重要であると考えますが、協議会は組織され ますか。生活支援コーディネーターには、長年、地域福祉に取りくんできているNPOや市民団体からも採用し、ネットワーク構築の基礎作りを協働で行うべき だと考えますがいかがですか。
大田区の要支援・要介護認定者の推移と推計を見ると、平成26年が29,705人で、平成37年は 43,765人となり、10年間14,060人の増加です。しかも団塊の世代が後期高齢者になっていくわけですから同じ重度の方が増えていくことが予想さ れます。生産年齢人口の減少は税の減収と共に支え手が足りなくなることも示唆していますが、今後、受け皿はどのように確保していくのでしょう。
今 年度予算に、高齢者の生活支援サービス等実施団体助成が516万円計上されています。昨年は300万円で4団体が取りました。要支援者へのサービス、健康 寿命を延ばすための体操など、高齢者の介護予防、社会との接点を失わないようにサロン活動や移送サービス、社会参加・就労・支え合いの体制をできるだけ地 域の中に増やしていくことをめざしてのことでしょうが、多くの団体の事業立ち上げ、活動の展開・継続を支援するのであれば、516万円というのは、あまり にも少ないのではないでしょうか。しかもこの助成は立ち上げ資金だけにしか充当できません。今回の予算では、地域支援事業費が前年度3億5千万円に対し て、今年度は5千万円で3億円あまりも減額されています。整理統合があったのでしょうが、ここは思い切って投入するところではないかと思います。
伺います。
助成額の増額と、大田区が空家を借り上げて、サービス拠点や地域のサロンなどとして提供するなど、事業継続できるバックアップ体制を創るべきだと思いますが、いかがでしょうか。