地域・産業委員会 行政視察報告~「まちづくりへの市民参画」の実践

8月19・20・21日、地域・産業委員会で四国へ行政視察に行ってまいりましたのでご報告させていただきます。

今回の視察は、どの地域の取り組みにも「まちづくりへの市民参画」の実践が伺えました。その意味でも大変、興味深く、大いに参考になりました。

高知市・子どもまちづくり活動支援事業について

「こうちこどもファンド」
“子どものアイデアをまちづくりに活かす!”

高知市は、平成24年度からは、将来の高知を支える人材を育てることを目的に、子どもたちのまちづくりに関する提案を助成するという「こうちこどもファンド」をスタートさせました。どの提案を採択するか、審査をするのも子どもです。公開プレゼンテーション、審査員との質疑応答があり、最終的に子ども審査員の過半数が助成すると判断すると助成が決定されます。
たとえば、小学校3年生から高校3年生までが参加している、あるグループは、ダンスとマジックを保育園や老人ホームで披露して、“笑顔と感動を届け、交流の輪を深める”ことをめざします。
またある小学生だけのグループは、“めざせ!クリーン地域”を目標に、通学路や公園の清掃活動を掲げています。
子どもたちの真剣な取り組みに、地域の大人も刺激を受けて、子どもたちのサポートに力が入り、まち全体の活性化につながるとの報告がありました。

高知市が参考にしたのは、ドイツのミュンヘンの「子どものまちづくり」、実施の前年には早稲田大学の卯月先生と職員が実際の状況を見に行ったということです。

今治市・今治自然塾の環境教育プログラムについて 

環境問題に取り組むには、まず地球と向き合うことから。そして自分で考えたり、五感を鍛えることが大事。過去は変えることはできないが、未来は変えることができる。

しまなみアースランド」は富良野自然塾にならって、広大な山裾に自然を体感できるコースを創り上げています。はだしの道は、2人一組で一人が目隠しをして素足で歩き、砂、草、藁、丸太などさまざまな感触を経験します。

石に地球の内部を模して刻んだモニュメント。地球の中心は6,000℃の核、表層のごく薄い空気の層に人間も動植物も生きていることを想像します。

 

 

 

 

 

石が表現している地球の内部

そ して460億年の地球の歴史を460mに置き換え、歩いていく地球の道。巨大な隕石、火山爆発、大氷河期、やがて生命が生まれ、小さくて弱い哺乳類、霊長 類が環境に柔軟に適応して生き残っていくことをインストラクターが話してくれます。地球の長い歴史から見ると、460mの中の最後のほんの数センチ内に存 在する私たち。その私たちが何億年もかけて作られた石炭や石油を取り尽くしてしまってよいのか、おのずと考えさせられる体験です。

 

 

 

 

 

地球の道の入り口

地球温暖化問題に取り組まなければならない今、奇跡の地球に存在していることを実感し、何をするべきか、考えることのできる、素晴らしい教材だと思いました。今治市の子どもたちは全員小学校5年生で、この公園を訪れるそうです。

 

 

 

 

 

「森育」子どもたちが木登りや崖のぼりなど、さまざまな自然体験できるコース

松山市・環境モデル都市構想について

松 山市は温室効果ガスの大幅削減など低炭素社会の実現に向けて先駆的な取り組みをする都市「環境モデル都市」に選定されています。太陽エネルギーの活用、ご みの減量、節水、自転車利用促進という実績がありますが、さらに産・学・民・官がパートナーとして連携し、推進体制を構築しています。電気自動車の普及、 歩道・自転車通行空間の整備、古着や使用済み天ぷら油の回収とリサイクル、雨水タンクの推進など、高い目標を掲げています。


松山市・中小企業振興施策と実践

松山市は卸売業、小売業、観光産業を支える飲食・宿泊サービスが中心。中小、零細企業が大半で、現在は、市民所得落ち込んでいます。松山市中小企業振興基本条例を制定し、平成26年施行、それに基づいた計画の策定を今年度中に策定予定です。
そ の中に、条例の推進組織として民間主導の「中小企業振興円卓会議」の設置があり、商工会議所や金融機関、大学関係者16名で構成されています。推進活動の ほかに、調査・検証、部会には、「女性の創業支援」などがあり、現場からの意見が反映される仕組み作りがなされていて、興味深く思いました。