最後の一人まで忘れない ~クリスマスに読む絵本~
クリスマスに決まって子どもたちに読む絵本があります。
ジョン・バーニンガム作「クリスマスのおくりもの」
物語はこうです。
世界中の子どもたちに贈り物を配り終わって、ヘトヘトのサンタが寝ようとするとなんと袋の中に一つまだ残っていた。息がとまるほどびっくりして、その贈り物をみてみるとハービー・スラムヘンバーガーへの贈り物だった。ハービー・スラムヘンバーガーは貧しいので、これまでもらった贈り物はサンタからもらったものだけ。
ハービー・スラムヘンバーガーは遠く離れたロリー・ポリー山に住んでいるが、サンタは贈り物を届けに行く。トナカイは体調を崩しているので、サンタはたった一人で。
それはそれは遠く険しい道のり。でもいろいろな人に助けてもらいながら、ハービーのベッドの脇に贈り物をそっと置いてくることができた。
子どもたちはいつも息をひそめて真剣に聴いています。サンタが“たった一人の最後の子どもにもちゃんと届けてくれた”ことを確認して喜ぶのです。
この絵本に教えられるのは、クリスマスを全ての子どもたちの喜びにしなければならないということ。
もちろんクリスマスに限らずですが、
最後の一人まで忘れない大人でありたいということ。最後の一人まで忘れない社会でありたいということ。世界中の子どもたちがきっとそれを期待しているのだから。
そんな社会をめざして新しい年を迎えたいものです。