東電が「絶対安全」といっていた原発。「ただちに健康に被害はない」という政府。
不安がぬぐいきれない日々をすごす中、田中先生のお話によって、「何がおかしいのか」「何に気をつけなければならないのか」「何に希望をもてるのか」を明確にすることができました。
一部を以下にご報告します。
福島原発から学ぶ!!
〜被災地復興のために私たちにできることとは〜
講師 : 田中 優 氏
■「日本」に原発を作ることの問題点
日本は世界でもっとも地震多発国(1970年から2000年までに震度5以上の地震が約4000回、この3月11日には、898回)であること。
柏崎原発では活断層があるから、と指摘されていたのを無視して建てて地震被害にあっています。
また偏西風の影響から、西側、特に浜岡原発が事故にあった場合は、日本全土が汚染される危険があること。
このように日本は原発には不向きな条件が揃っています。
■放射能の危険性
政府広報では触れていませんが、「生体濃縮」の問題と「内部被爆」が最も恐ろしい問題です。
「生体濃縮」とは、海に流れた放射性物質をプランクトンが摂取し、それを小魚が食べ、そしてそれを大きな魚が食べるという食物連鎖の間に、最初の濃度から数万倍に濃縮されることがあるということです。牧草から牛、そして牛乳という流れにも当てはまります。
「内部被爆」というのは、放射線が口や肺に入ることで、細胞を変化させたり、破壊するというものです。ヨウ素は甲状腺にたまり、成長ホルモンを阻害、ガン化することがあるので、特に細胞分裂の盛んな子どもは気をつけなければなりません。
セシウムは筋肉や子宮にたまり、異常な細胞を徐々に増やしていきます。
プルトニウムは肺を一気に破壊する力を持っています。
これらに関することとして、核実験の時期と死産率の高い時期が重なっていること、ドイツにおいて、原発から5キロ周辺に住んでいた子どもの白血病率が2倍になったという報告があります。
つまり空気と食べ物には気をつけなければならないのです。
■電気の使い方
問題解決の鍵は、電気料金の仕組みです。電気が足りなくなるのは、午後2時〜3時の気温31℃以上のピーク時だけの問題だけです。その日だけ、産業の電気料金を高くすれば解決。企業の節電努力を促せばいいのです。(フランスは夏場、11倍の電気料金を取るとのこと)
■日本の未来に展望・自然エネルギーとひまわりプロジェクト
欧米ではすでに電源の60パーセントが自然エネルギーです。
日本も風土的条件や技術を生かして、太陽光発電以外にも、波力発電、風力発電、地熱発電、水力発電など、自然エネルギーを開発するべきです。
そして電力の自由化により、環境に負荷がかからないようなエネルギー創出の技術を高めながら、雇用の創出にもつなげることができるのです。
地域で、省エネ製品・バッテリー・IT・電気自動車・自然エネルギー発電による、スマートグリッドを推進していくことが期待されます。
■汚染された土地の改良
東北地方の農業は大きな打撃を受けています。チェルノブイリでそうしたように、菜の花・ひまわりには、放射性物質をたくさん吸収してくれる作用があるので、それを植えて、油をとり、土地の再生を待ちましょう。
■放射能汚染から身を守る方法
●空気(食物の5倍取り込む)
・花粉よけのマスクの内側にぬらしたガーゼを入れる。
(ヨウ素・セシウムをよける)
・髪の毛・衣服に付着する放射能は洗ったり、払ったりして落とす。(室内に入れないように)
●水:ミネラルウオーターを買わない場合の日常的方法
・1ℓに対して1gの木炭を削り、ガーゼにくるんで1晩つけておくと木炭がヨウ素を吸着するのでその木炭をビニールに入れて捨てる。浄水器は、中の活性炭にヨウ素が吸着されたままになるので、毎日のようにフィルターを取り替える必要が出てくる)
●食べ物
・事故から2〜3週間は洗えばOK
・それ以降の食べ物は、食物の内側に放射性物質を含んでいるから洗っても落ちない。
・濃縮が高い食品は食べない(乳製品・卵・小魚)
・政府の出す指標値はどんどん甘くなるので、信用しない方がよい。
■放射性ヨウ素を取り込まないためにはとろろこんぶ、わかめなど、海藻類を日常的に摂取する。(子ども、乳児の場合はコンブのだし汁でも十分効果がある)
理由:先に食物の中のヨウ素を体内に貯蔵しておくことで、放射性ヨウ素を取り込みにくくする。
大人には、ビール(麦芽入り)が、除染率34%(立証済)。
■原発からの距離より風向きをチェックすること