もうあの巨大なボーリング場は跡形もなくなってしまいました。
昨年10月から始まった
「池上旧トーヨ−ボールのアスベストの安全な除去を願う会 」では署名活動やら、ニュース作り、ポスティングなど、
短期間ではありましたが、
地域のみなさんと一緒に頑張らせていただきました。
しかしながら、陳情をしてもなかなか訴えはつたわりませんでした。
行政には“区民の健康や安全を考える”という論理ではない、
別の論理がある、と思わざるを得ない経験でした。
原発の放射能のこともそうですが、
「行政が、政治が、どこを向いているのか」を
(残念ながら)市民がチェックしていかなければならないと思いました。
「池上旧トーヨ−ボールのアスベストの安全な除去を願う会 」
が発行してきた『池上旧トーヨーボウルニュース』の最終号が
発行されたので、ご紹介いたします。
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【池上旧トーヨーボウルニュース】最終号
この間の経緯
旧池上トーヨーボール解体工事につきましては、
安全なアスベスト除去が確保されるよう
①解体業者への説明会開催要請
②住民主催説明会の開催
③大田区への要望
④大田労働基準監督署への働きかけ
⑤東京都環境局への要請
⑥厚生労働省等関係機関への働きかけ
などを行ってきました。
その結果、事前調査の不備を関係機関が認めた形で
工事が中断し、再調査が行われるなど
一定の成果を得ることができました。
しかし、再調査の結果、明らかになりました未調査部分に
ついての安全確認は、最後まで行われること無く、
解体工事は行われてしまいました。
特に、私たち住民の代表である大田区議会に対して
「国土交通省の補助事業を使った再調査」などの
陳情を行いましたが、事実上の不採択という
非常に残念な結果に終わってしまいました。
現在、福島第一原発の放射能漏れは、
健康被害・環境汚染において、
国民の心配するところとなっていますが、
この問題とアスベストの問題には共通点があります。
どちらも
①目には見えないものであり
②ただちには健康に被害がでるものではありません。
しかし、こうした、個人の力では、
安全を確保できないものに対して、予防のための
整備を行うことが国や大田区の役割りであるはずです。
特に、数十年後に影響の出るこれらの問題は、
子どもたちの健康を守るために、法の整備を含めて、
今後もしっかりみつめていかなければならない
ことだと感じています。
この会におきましては、署名集め、カンパ、
またポスティングのボランティア、行政への要請など、
数多くのご協力をいただくことができました。
こうした地域住民のつながりが、力となり、
工事の中断と再調査という成果を得ることができました。
この会の目的は終了いたしましたので、
これをもって解散としたいと思います。
長い間、ご協力ありがとうござました。