朝10時スタートで夕方6時過ぎに終了という長丁場でした。
次々に議員が「一般質問」を行ない、
それに行政側の方が応えるという形が続き、
次に議案についての説明が副区長からあり、
それに対しての質疑応答、というプログラムでした。
今回の私の質問内容全文をご紹介します。
広い議場の前に出て話すのは、とても緊張するもので、
傍聴席にきてくださっている
お一人お一人を確認することはできませんでしたが、
おいでくださった方、どうもありがとうございました。
とても心強い思いがしました。
「緊急一時保育」と
「理由を問わない一時預かり」が足りない
待機児対策が中心の子育て支援。
でも在宅で子どもを育てている家庭にも目を向けるべきです。
切羽詰まったときに、
子どもをすぐに預けられる場所があるでしょうか。
近年、少子化・高齢化と晩婚化により、親の介護と
子育てとが重なることもめずらしくなくなってきています。
介護と育児を同時に行わなければならない世代への
支援は必要です。
大田区では、「緊急一時保育」として、
保護者の死亡・病気・出産等の場合、一日1400円で
子どもを預かるというしくみを、区立保育園(55園)全園と
区が契約する10の緊急保育室で行っています。
けれどもこの「緊急一時保育」の問題は、
手続きが煩雑である ということです。
① 事前に保育サービス課に電話で問い合わせたうえ、
本庁での利用申し込み。
② 保育サービス課から紹介された保育園に子どもを連れて
面接に行き、健康状態など状況を見てもらったうえで、
許可を得る。アレルギーがあったり、
障がい児だったりすると、受け入れてもらえない。
③ 保護者の病気が理由の場合は診断書、
出産の場合には母子手帳が必要。
④ これらの手続きを利用開始日前日までに
行わなければならない。
大事なお子さんを預かるにあたって、万全を期す、
区との契約だから役所で、という原則は理解できても、
本当に切羽詰まっている当事者にとっては、
この手順を踏む余裕があるでしょうか。
現在、この「緊急一時保育」利用の理由のほとんどが
「出産」であることから、計画的に準備することができるものに
対してはよいのですが、急病や親の介護などの緊急時には、
使い勝手がよくないことがわかります。
またファミリーサポート制度においては、
利用会員と提供会員とのマッチングがうまくいけばいいのですが、
提供会員の数や地域分布の状況如何で
すぐに利用できるとは限りません。
公の子育て支援は、最も困った状況にある人を救うこと、
セイフティーネットを整えることがまず基本です。
利用者の立場にたった、
「緊急保育」の体制をつくることが必要です。
たとえば、紹介を受けたら、直接、保育園に行ける
仕組みを検討していただきたい。
お隣の品川区では、直接、
保育園に申し込み利用することが可能です。
また、緊急時に診断書など書類を揃えることは困難です。
証明書類は後送でも認めることはできないでしょうか。
仮に悪用が判明した場合には、利用料を民間並みに徴収する
などのしくみにより悪用を防ぐことも可能であると考えます。
一方で、「理由を問わない一時預かり」ももっと必要です。
社会参加、学習、リフレッシュなどによる、
母親たちの心身の充足感や安定感は、
育児への前向きな気持ちを支えることとなるでしょ
大田区では、(仮称)仲六郷二丁目複合施設計画の中に、
子ども家庭支援センター分室機能が置きこまれ、
一時預かりを開始すると報告を受けています
公のものとしては、この「キッズなルーム 」と
社会福祉協議会の「育児サポート」 の2か所に加え、
3か所目の設置となります。
しかしながら、周辺自治体に比べると
まだまだ遅れているといわざるをえませ
たとえば、品川区の生活支援型一時保育は、
生後4か月から就学前の子どもを預かりますが、
大田区のほぼ3分の1の面積に8か所もの施設が
バランスよく配置されていて、利用料金は1時間500円。
年間延べ1万人以上の利用者があるのは利便性に加え、
この利用しやすい料金も大きな要因でしょう。
一時預かりのしくみは世田谷区、目黒区にもありますが、
いずれも利用料金は500円程度。
それに比べ、キッズな大森 の1時間900円や
社会福祉協議会の育児サポート は1000円を超えます。
「理由を問わない一時預かり」の拠点の拡大や、
今より安い料金設定にして、区民が利用しやすいように
することが必要だと考えます。
ところで、品川区の一時預かりは、区民が始めた
「おばちゃんち」 という子育てをサポートしている民間事業を
モデルにして作られたものです。
「おばちゃんち」 は、
赤ちゃんから高齢者までが集えるところ、
子どもがすこやかに育ち、若者が輝き、
おとなが心豊かに暮らし、
世代を超えたふれあいが繰り広げられる身近な場所、
互いに支え合い、共に育ちあって暮らす、
そんな「まち」をめざします。
という理念のもと運営されているNPO法人です。
地域の中に、年齢の垣根を超えて、子どもたちと
子育て家庭を支援する拠点。
新たに施設を作らなくても、広く、社会的資源を有効活用した
このような仕組みが、実現できないでしょうか。
子育てを終えた人、少し先輩の当事者たちが、
活躍できる場を作れないでしょうか。
区民から「理由を問わない一時預かりの場所」など
「子育てを支援する場」を開設したいというような動きがあったときに、
区がそれを支援するしくみがぜひほしいと思います。
地域力を大切にする大田区として、
商店街の空き店舗を利用するなどすれば、
子育て支援だけではなく商業支援と
コミュニュティーの再生にも繋がるのではないでしょうか。