学童保育における障害児受け入れ
権利に基づいた法整備と、受け入れの早急な整備を
「大田区学童保育室における障害児受け入れに関する実施要領」では、学童保育室に受け入れを認めるのは、
「健常児とともに保育することが可能なこと」を条件とし、「次に該当するものは入室を認めない。」として、
(1)極度の多動性、突発的行動、放浪癖のあるもの
(2)排泄に常時介護を要し、予告も不可能なもの
(3)自他の安全を損なう行動のあるもの
(4)複雑な専門的処置を常時必要とするもの
とあります。
障害のある子どもは、学童保育を受けられないのでしょうか。またその保護者は働くことができないのでしょうか。
「障害者権利条約」では、社会への完全かつ効果的な参加及びインクルージョン、機会の平等を原則としています。また児童福祉法においても「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。」とあります。
障害があっても、本来は、親が就労している場合は、預かる場が整えられなくてはならないのに、十分に整っていないのが現状です。もちろん、障害の種類や程度によっては、大きな集団や施設の実態がその子どもに適当ではない場合もあることでしょう。子どもにとってどのような環境が適当なのかを考える視点がもちろん一番重要ですが、この要領では、“入室を認めない”という宣告をされただけで、その先の案内さえありません。
今回、障害者自立支援法の改正があり、障害者の権利に視点が置かれた法改正が行われました。大田区も社会の流れである障害者の権利に基づいた視点で条例や要項を見直すべきではないかと考え、要領の撤廃を希望します。
また障害を持った子どもたちの学童保育の整備と共に、学校から、児童館までの送迎についての配慮も必要です。大田区として、実施に向けての整備を早急にするように希望します。
民営化に移る前に、児童館・学童保育・子育て支援の在りかたの全体構想・方針が必要ではないでしょうか。
学童保育の時間、場所や職員体制、障害児対応、様々な点で問題があることがわかります。民間委託に移行する前に、大田区の小学生の放課後、子どもにとってどんな遊び場・居場所が必要なのか・そしてどのような子育て支援が必要なのか、全体的な構想、方針を持つことが必要ではないかと考えます。
学校への学童保育の移行がすすめば、地域ごとにある児童館の活用方法には、多くの可能性が秘められていることを感じます。
たとえば、児童館の空いたスペースで乳幼児対象の事業の拡大・充実、また理由を問わない一時預かりの場所、発達障害の子どものための児童デイサービス、また、子どものためだけの施設ではなく、高齢者施設と合築にして、職員のコーディネートのもと、地域のつながりの中、多世代交流の中で子どもを見守り、育む体制を作ることができればいいと思います。
【結果】行政側の答弁ですが、障害児の受け入れについては、前向きな動きをしているということでしたが、あとの方は、あまり前向きな回答ではありませんでした。引き続き、訴えていかなくてはならないな、と感じています。がんばりましょう!