今年は“フェアトレード”のチョコレートを買いました。映画『バレンタイン一揆』を見て
今日は、バレンタインデー。 私は、今年は、フェアートレードのチョコレートを買いました。「バレンタイン一揆」という映画を観たのがきっかけです。
この映画は、ガーナに行って、「児童労働」の現実を知った3人の日本の普通の高校生・大学生の訪問記、ドキュメンタリー映画です。
小さな子どもが学校にも行けず、一日中、カカオの収穫作業をさせられているガーナ。カカオを木から落とし、そのカカオの入った籠を頭に載せて作業場まで運び、今度は実をナタで割って中身を出す作業。中身を発酵させてチョコレートの原料になるカカオを作るわけですが、一日中、来る日も来る日もカカオとの格闘です。
ガーナは世界中のチョコレートの原料、カカオの80%を生産しているのに、村の人たちは、チョコレートを見たことも食べたこともないというのです。
この映画に出演する日本の普通の女の子たちは、このような現実のあることに驚きます。
さて、日本に帰ってきた女の子たちは、どうしたでしょう。フェアートレードの意味をたくさんの人に知らせて、フェアートレードのチョコレートを買ってもらおうと思いました。これがバレンタイン一揆です。
この映画を作った NPO法人ACE は、児童労働をなくし、子どもはだれもが学校に行けること、そして公正な取引が行われて、村の生活が支えられることを目指して活動している団体です。いろいろな職種があるでしょうが、世界中で児童労働をさせられている子どもたちが2億1500万人以上いるといわれています。
日本は長らくデフレが続き、物の値段がどんどん下がってきています。そうすると人々の意識が「もっと安いもの」を求めがち。でも、よくよく考えてみれば、そのものが作られる過程で、正当な労働の対価が支払われているのかどうか・・・・その製品が我々のものにくるまでにどのような旅をしてきたのか、を考えることが必要です。世界の子どものたちの人権をまもるために。だからフェアートレードチョコレート。
といっても、どこのお店にもあるわけではありません。でも、お店に置いてなくても、「フェアートレードのチョコレートはありますか?」と聞き続けることで、置いてくれるお店がふえるかも。オランダでは80%以上のチョコレートがフェアートレード製品だそうです。 “ものを買うことは選挙と同じ。その物に1票を投じること”とは、映画会の解説に来てくださったACEの岩附由香さんの言葉。消費者の意識が社会を変えていく原動力になるのかもしれません。
児童労働の背景にある、開発途上国の生産者と先進国の販売業者・消費者との対等ではない、取引関係を是正して、公正な取引を目指そうとするのが「フェアトレード」です。
フェアトレードには以下のような基準があります。
これら、ひとつひとつが、現在の日本で起きている状況と重なり合ってはいないでしょうか。 経済のしくみの中で、雇う側と雇われる側が対等関係にあるかどうか。 人権が守られているかどうか。 私たちの声が反映される仕組みがあるかどうか。 残念ながら、今の日本は心もとないですね。
自分たちの問題としても“何がおかしいのか”をしっかり考えていきつつ、愛情の方向はカカオの生まれ故郷にも向けたいものです。