「みま~も」(おおた高齢者見守りネットワーク)とは ~政治塾のご報告~

 大田区の高齢化率は、現在21.3%。5人に一人が高齢者です。平成30年までには、23%に達する見込みで、高齢社会の中での「地域のあり方」は大きなテーマです。
12月13日、ケアマネージャーの柳谷由美さんから、「おおた高齢者見守りネットワーク」の取り組みについて、具体的なお話をお聞きしたので、ご報告いたします。

 

■「高齢者見守りキーホルダー」をご存知ですか
これは、高齢者(65歳以上)の方が、外出先で突然倒れるなど、身元が確認できない状況で、救急搬送された際などに、すぐに住所や氏名等が確認できるようにするためのものです。
高齢者がいつも身に着けておく(鞄・杖など)ことで、適切な対応に結び付くことが期待できます。
キーホルダーには「地域包括支援センター」の連絡先と持ち主の登録番号が書いてあるだけで、直接個人情報が書き込まれてあるわけでありません。「地域包括支援センター(さわやかサポート)」でキーホルダーを作る申請をする際に、住所・氏名などを登録することで、「地域包括支援センター」がその情報を管理し、病院や警察から問い合わせがあったときに、その方の必要な情報を伝えてもらえる、という仕組みです。
実は、この事業は、平成20年に大森地区で始まった「高齢者見守りネットワーク」事業から生まれたもので、平成24年に区がそのアイデアを採用し「おおた高齢者見守りネットワーク」として、区内全域に広げたという経緯があります。
高齢者見守りキーホルダー」を作ることのもう一つの利点は、介護保険を利用していない人も「地域包括支援センター」を知るきっかけになる、ということです。
急に家族の中に具合の悪い人が出て、介護保険を利用したいと思っても、どのように手続きをしたらよいか、わからない、という話をよく聞きます。そういう時は、身動きも取れなくなりがちです。「キーホルダー」を作ることをきっかけに、元気なうちに、地域の高齢者の相談窓口でもある「地域包括支援センター」を訪ねておく「しかけ」にもなっています。
 ■「みま~も」(おおた高齢者見守りネットワーク)は   今、日本中から注目!
平成20年、この地域の地域包括支援センターの所長さんの構想から生まれた大森地区での「高齢者見守りネットワーク(みま~も)」。その出発点は、
「地域包括支援センターには、介護保険の申請のために高齢者が来る。しかし、来る人を待つだけの“受け身”でいいのか。介護保険につながっていなくても、支援すべき高齢者がたくさんいるはず。地域の中でどのように支援の体制がつくれるか」

という問題意識でした。
その課題にいっしょに取り組んだのが、近隣の病院と福祉分野の専門職、そしてダイシンカドヤなど民間企業と行政機関です。
その中で、生まれた事業の一つが、上記の「高齢者見守りキーホルダー」でした。
 ■みま~もステーション
他に「だれでもがいつでも集える場所」として、カドヤ食品近くの元店舗だったところを利用しての「アキナイ山王亭」が作られました。ここでは、手芸や写経、健康体操や手作りお菓子のなどのミニ講座など楽しい企画がいっぱいです。
また、カドヤ裏の公園「大田区立新井宿第一児童公園」の花壇の手入れなど、管理・清掃を行っています。LUZ大森・入新井集会室では、毎月、健康に関わる「無料セミナー」も行われています。
“集い・学び・楽しむ”人とのふれあいが大きな要素なのだと思います。声をかけあって、いたわりあい、励まし合う関係が、商店街の真ん中で、いきいきと繰り広げられていることは、街の活性化にも大いに関わるのではないでしょうか。
このように行政も民間もいっしょになって、地域作りに取り組んでいる事例は、まだめずらしいらしく、全国的に注目されているそうで、先日は小田原から60人、バスで見学にいらしたそうです。
大森の街からスタートしたこの活動、現在は蒲田でも健康セミナーが開催されるようになりました。それぞれの地域に合った活動が大田区全体に広がるといいですね。小さなことからでも、人と人とが繋がれる場所作りです。
この日の政治塾の参加者の中には、「ぜひうちの地域でも近所の人が集まれること、やろう」「公園で、近所の人と花壇を植えたり、できないかしら」などと今後の展望に花が咲き、、それぞれの地域を思い浮かべながら、“きっと何かができるはず”と勇気をもらった政治塾でした。
地域のすべての人たちによる「見守り支え合いのネットワーク」と、医療・福祉・介護専門職による「支援のネットワーク」の有効的な連携により、高齢者が安心して暮らし続けられる地域づくりをめざします! (おおた高齢者見守りネットワークH25年間パンフレットより)

大田高齢社見守ネットワーク HP

みまーも