『障害平等研修』 “DET” をご存知ですか?

DET、聞きなれない言葉に、どういうものかしら、と思って参加した集会。大集会室いっぱいの人。車椅子の方や聾の方、目の見えない、障害当事者の方もたくさんいらしていました。
↓こちらの研修に参加してきました。

「障害平等研修」DET って? 2014年3月15日 大田区消費者生活センターにて
講師:久野研二    (障害平等研修フォーラム代表・JICAの国際協力専門員) ファシリテーター:曽田夏記(JICA職員) 主催:DETフォーラム実行委員会

この研修は、イギリスで、差別禁止法推進のために発展したもので、障害を「機能的な不便」としてではなく、「差別・不平等」の課題とする教育で、対話による発見型学習などが取り入れられた、行動指向型研修。JICAの支援のもと現在アジア圏の企業・団体でも展開されており、現地の学習の模様も紹介されました。

■インクルージョン(多様性保障)をめざす学習
研修は、「障害とは何か?」という自分なりの定義を考えることから始まり、「問題の本質」、つまり、“障害とは個人の問題なのか、社会の問題なのか”を絵や動画を通じて、“分析をする”ことが重要な訓練です。そこから“何を、どう改善していったらいいか”を考え、最終的に自分の「行動計画」をつくるという研修でした。
小さなグループでのワークショップ形式なので、人の意見からも大いに「気づき」を与えられ、様々な「発見」からポジティブな気持ちになれる、楽しい学習でした。研修の目的が、組織改革、社会変革であり、研修を受ける人が、その行動主体になっていくことをめざすということですが、確かに、自分自身で気づいたことは、意識改革になるので、この学習法の有効性を実感しました。

 ■「合理的配慮」をめざして   障害当事者がファシリテーターに
日本は昨年12月に障害者権利条約を批准しましたが、まだまだ環境は整っているとはいえません。「合理的配慮」がある社会になるためには、まずは、たくさんの「気づき」が必要です。排除されず、障害者の権利が守られ、自由・尊厳が尊重され、もっと雇用が進み、生活がしやすく、そしてコミュニティーに参加できる環境・社会をつくっていかなければなりません。
そういう意味で、障害当事者が、この研修のファシリテーターになる、という仕組みもすばらしいと思いました。そして、障害者といっしょにこの研修が自治体や企業、学校など、日本のいたるところで、行われることを心から願うものです。
【参考】こんな例が紹介されました。

「問題の本質」を分析するために

アメリカでは、耳の付き方が、外側に立っていることを、象の耳(ダンボの耳)と呼ばれて、いじめの対象にされるとのこと。整形手術で直す人もあるそうです。何が問題か。