大田区議会第2回定例会が終わりました -討論内容のご報告- 区議会報告2
大田区議会第2回定例会が終わりました。
様々な議案や陳情が提出され、審議がなされました。
意見を表明したものを中心にご報告いたします。
まず、今回の補正予算です。福祉費が大きな割合を占めています。保育園待機児童が613人という事態を受けて、保育園の建設や保育ママの増員にかかる経費が、1億16,052円、志のある故人が学生の奨学金にとくださった寄付を積立基金にして6,000万円。
これらは、区民生活に直結しているものであり、緊急的な措置だといえます。
しかし、総務費の観光国際費には緊急性・必要性という点で、疑問がありましたので、補正予算全体には賛成しながらも、意見を述べる、という方法をとりました。
以下がその「賛成討論」の全文です。
国際都市アピールに
補正予算で約4000万円も?
第34号議案、大田区一般会計補正予算(第2次)について賛成の立場ではありますが、一言申し述べさせていただきます。
まず、予算は、財政運営の一貫性、計画的な支出、年間予算としての当初予算の意義を考える上からも、安易な補正は極力なくし、必要最小限度に抑えることが基本です。
総務費の中の「国際都市事業の推進」として計上されている、3千9,88万7千円に関しては、補正予算にする緊急性を要するものなのか、住民福祉の一環としてふさわしいものなのか、基礎的自治体としての課題解決の手段として、適切であるのかどうか、疑問を抱くものです。
議 案上程時の「なぜ、このタイミングなのか」という質疑に対する答弁は「諸事情が整ったから」というものでしたが、その諸事情とは、土地を空港から無償で借 りることができたこと、オリンピック誘致や国家戦略特区に選ばれたことなどがあり、国際都市をアピールする絶好のタイミングととらえたと担当からの説明を 受けましたが、それだけでは、一体どういう効果があるのかがわかりません。
自治体の責務は、区民の福祉の増進です。この事業は、コンサル による企画とのことでしたが、商店街振興や街の活性化につながる仕掛けを考えるのでしょうか。区民にとって、どのような影響があり、効果をどのように試算 しているのでしょうか。一時の打ち上げ花火ではなく、行うのであれば、目標やビジョンが示される中で、区民と共に創り上げ、地域に定着させていくことが重 要ではないでしょうか。国際都市とはどういうことをさすのか、私にはまだよくわかりませんが、国際都市をアピールするのであれば、その中身を充実させることが肝心だと思います。
た とえば、同時に観光都市を標榜するなら、日本的な風情のある、にぎわいのある商店街は海外旅行者には魅力であるかもしれません。10年続く、池上本門寺の 朝市は、大きな規模ではありませんが、商店街振興はもとより、地方と東京との結びつきや若者のチャレンジ、地域の人の交流、と、地域の活性化に大きな効果 や可能性を秘めています。毎月、継続的に行われているからこそ、地域の人が楽しみにし、店の人との交流が生まれ、周知が進み、地域のにぎわいを生み出して います。出展者は、継続的に行っているからこそ、売れ筋のリサーチができ、次の商売に活かすなど、日常的な経済の活性化にもつながっていると聞きました。 大田区全体の地域の活性化を図る中で、魅力あるまちづくりを地道にやっていくことが必要だと思います。
予算には、計画性が求められます。長期的な計画の中で「国際都市事業」が練られ、住民が誇りを持って、まちづくりをし、自分のまちをアピールできるように、進められていくべきではないでしょうか。あまりにも短い準備期間で、表面的なイベントで終わるのでは、税金の有効な使い方とはいえないと思います。
この「国際都市事業」が、区民にとって、「持続的な効果のある位置づけ」となっていくことを願って、討論を終わります。