「集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書」への賛成討論 -区議会報告4
議員提出議案として「集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書」が提出されました。私もその提出者の一人です。大変、残念なことに、反対者多数で否決されました。
以下、意見書本文部分のの全文です。
この意見書に対しての私の「賛成討論」です。
賛成討論というのは、賛成する理由を述べて、他の議員たちを説得する意味で行われるものです。
議員提出第4号議案
「集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書」に採択を求めて、賛成の立場から討論いたします。
安 倍首相が、「集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を検討する考えを表明していることを大変憂慮しています。集団的自衛権を認めることになると、日 本が攻撃を受けていなくても日本と同盟を結んでいる国が攻撃を受けた場合に、同盟国と共に又は、同盟国に代わって反撃することができることになり、これま での政権が、守り通してきた、憲法9条のもとで許された「必要最小限度の実力行使」の範囲を逸脱することになるからです。
このことについて、3つの点から指摘いたします。
まず、1つ目は、憲法は、「権力を縛るもの」という立憲主義が大前提です。悲惨な戦争を体験した日本は、権力を行使する国家であっても、間違いを犯すことがないとはいえない、だから、最高法規で、全ての人の人権が保障されるような仕組みを創り上げているのです。
今回のように、時の政権が、憲法解釈の変更を国民の意思も問わずに、閣議決定で決めてしまうというのであれば、今後、政権が変わるたびに、「解釈変更」できるようになってしまい、立憲主義は大きく揺らいでしまいます。
2 つ目は、日米同盟強化を集団的自衛権行使容認の理由にしていますが、無批判にアメリカ追随でいいのでしょうか。日本は、どういう基準で判断をするのでしょ うか。たとえば、イラク戦争では、大量破壊兵器があるという誤認から、米国がイラクへの攻撃を始め、日本もイラクに自衛隊を派遣しました。実際、戦闘に加 わらなかったとしてもアメリカの側に立ち、イラクに踏み込んだことの責任は決して小さくないはずです。亡くなった多くのイラク人はなぜ、殺されなくてはな らなかったのでしょうか。その検証や反省もないままに、また戦地に赴く、危険な道を選択することになりかねないのです。
3つめは、平和憲 法の意味です。日本国憲法では、【1】一切の戦争の放棄 【2】戦力の不保持 【3】交戦権の否認という徹底した平和主義がうたわれていますが、これは、 軍事力の行使では、問題は解決しないこと、一度戦争が起きると、果てしない憎悪と武力の競争が続くばかりだという、認識を世界にさきがけて日本が持ったか らではないでしょうか。
日本は、戦争のない世界を実現するために先頭をきって平和外交に努めるべきです。
だれのための、何のための「憲法」そして「9条」なのか、子どもたちの将来のために、平和な世界を築くために私たちはしっかり考え、行動しなければならないときを迎えています。憲法を「集団的自衛権」行使、容認で、その理想を骨抜きにするわけにはいきません。
最後に、今、池上本門寺山門近くの、本妙院に掲げられている言葉をご紹介したいと思います。
「政治の一番の役割は、戦争を起こさないこと」
野中ひろむ
以上で、討論を終わります。