国際交流のかたち より多くの人と分かち合うために 交流するメディア2014
『交流するメディア2014 日本×ニカラグア、グアテマラ』と題された上映&報告会に行ってきました。
2011年から始まっている、ニカラグア、グアテマラとの交流。地域のために活動している人たちとの映像を通しての交流です。現地でのワークショップは4回になるそうです。
デジタル・ストーリーテリングの方法で作られた、3分に満たないようなショートビデオ。
何枚かの静止画像とナレーションだけの構成。たった数分なのに、その国の課題、個人的な悩み、地域の問題などが、実に鮮明に表現されます。
上映会が終わったあとに、作品を作った国同士でインターネット交流。オンタイムで感想を交わし、意見交換をすることで、お互いの理解が進みます。
⇒交流するメディア 日本&ニカラグア編 2013
⇒交流するメディア2011-2012 グアテマラ編
今 回は、過去3年間に完成した作品の上映と活動報告でした。一挙にたくさんのビデオを観ましたが、ちっとも飽きませんでした。一つ一つの作品に、同じ地球上 の者として、なんとかしなければ、と一緒に怒ったり、どうかうまくいきますようにと、祈ったり、個人的な悩みに共感したりと、不思議と製作者に親近感を抱 いているのでした。
まったくの個人が個人として、日常的な生活の一部分を切りとっているので、気負いがなく、自然な話しぶり、しかもビデオの最後の字幕に製作者の氏名が書いてあるので、さらに現実実を帯びてきます。自分とは無関係とは思えない、“繋がり”を感じてしまうのです。
印 象的だった日本の作品に「嘘と私」がありました。高校生くらいでしょうか、これまで自分は、ずっと嘘をついてきた、それが苦しくなってきた、と告白してい るのです。嘘を全部ばらしてしまったとき、とても楽になって、今度は、悩みを持っている、若い人を支援する活動をするようになったと。自分のことをまっす ぐ見つめ、告白していることに驚きましたが、それほどまでに自分を客観視できたことの“勝利”は、“囚われからの解放”であり、“喜び”なのでしょう。
デジタル・ストーリーテリングは、社会問題を共有し解決策をさぐることにもなり、心の葛藤の軌跡を告白して同じ悩みを持つ人に励ましを与えることにもなり、かけがいのない自分や育んでくれた家族や地域を実感したり、自信につながることもあることでしょう。
地球上のどこであっても、みんなそれぞれ、一生懸命に生き、生活している、“命のつながり”“連帯感”を感じるのです。このことは、深いところでの国際交流・国際親善になるにちがいありません。デジタル・ストーリーテリングは、他にもさまざま効果と可能性を秘めていると思いました。
「大事なものは何か」 デジタル・ストーリーテリングの余韻は、私たちに、静かに考えさせてくれます。