古民家探訪のツアーに行ってきました―古民家の保存と活用
◆古民家・日本のよさ再発見
明治に建てられ、122年の歴史があるこの建物が解体の危機にあるといいます。歴史的・文化的に価値が高い建物であっても維持・管理は、そう簡単ではないのでしょう。17日には保存のための緊急シンポジウムが開かれたということですが、どうなることでしょう。
一度なくしたら、再現することができない、趣きのある古民家。
所有者や地域が、どう保存・維持していけるか、地域ごとに課題になっているのではないでしょうか。
◆台東区・風情ある街並み
◆谷中・古民家散策コース
町全体で古民家の価値を共有し、一貫性をもたせる努力をしているように思えました。
古民家の酒屋がおしゃれな自転車屋に
◆NPO法人 たいとう歴史都市研究会
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古 民家を残すためには、維持管理、運営をする、しっかりとした組織が必要ですが、2001年に「ホッとする町の歴史と生活文化をつなぐために」生まれたのが NPO法人 たいとう歴史都市研究会」です。今では10軒の古民家の管理運営にあたっています。たとえば、市田邸の場合は、NPOが家主さんから家を借り 受けて、2階は学生のシェア居住に貸し出し、この学生がNPOのメンバーといっしょに清掃など日常的な維持管理をします。1階は芸術文化活動の拠点として 活用、餅つき、落語、民謡など日本文化を楽しむ企画、お座敷はお茶会や子育て広場に定期的に貸し出す事業を行っています。
◆お餅つき・日本文化の伝承、
縁側が縁を結ぶコミュニティの形成
市田邸(お餅つきをした会場)
◆安心、楽しい、まちの暮らしの不文律
(「谷中の町と、そのまちづくり」より)
【1】 挨拶は必ずする。
【2】 道の掃除はお隣の玄関まで。
【3】 子どもの面倒をみてあげる。
【4】 留守居番をしてあげる。おかずのお裾分けも。
【5】 おしゃべりは小声でしない。
そんな町は、たいてい植木棚がきれい。
(暮らしに手をかけ、見守りあう関係が育まれている。)
前野まさる町体験より
台東区では古民家をコミュニティの拠点にしている実践を見ることができました。
多世代の人が集い、やすらぎとエネルギーを得る、「家」というものの本来の役割を感じさせられました。新たなコミュニティ作りが大きな課題となっている昨今、古民家の力を大いにいただきたいものです。